第112回タスクフォース21
2015.7月例会

講演録

エネルギー全面自由化時代における エネルギー事業者のあり方を考える

千葉ガス株式会社 代表取締役社長 角田 憲司

自社・自己紹介

私ども千葉ガスは千葉県の佐倉市を拠点に、都市ガスで13万件弱、簡易ガスで数百件、LPガスで4,000件ほど供給しており、一般ガス事業、簡易ガス事業、LPガス事業のフルセットを手がけている会社です。こういう業態であるので、これからのエネルギー自由化では大きく影響を受けます。ただ、一部の方々は報道などでお聞き及びかと思いますが、当社は来年の5月をもちまして東京ガスに吸収合併されます。また東京ガスで簡易ガス事業、LPガス事業を手がけるわけにはいかないので、両事業につきましては、本年9月に東京ガスのグループ会社である東京ガスエネルギー(株)に事業移管するよう準備を進めているところです。

 そういう中にあって、このようなテーマでお話をするのは、非常に心苦しいところがあります。本日も後半部分は「もし千葉ガスがこうした3つの事業をもってエネルギー全面自由化時代に入っていたら…」という架空の話なので、真実味がないかもしれませんが、どうかご斟酌のほどお願い申し上げます。

 私自身はもともと東京ガスの出身で、東京ガス時代は電化対抗戦線Gラインなどで皆様とネットワークを組ませていただきました。本当にありがとうございました。本日はその時代の反省も踏まえまして、話を進めたいと思います。 また、タスクフォース21でこれまでに講演された方々の顔ぶれを見ますと、たとえばガスのシステム改革についてはいろいろな方からお話があったようですから、そのあたりは割愛させていただき、本日はそこから先がどうなるのか、都市ガスを中心としたガスシステム改革はどうなるのか、にポイントをおきたいと思います。そして、これまでの講師の方々のお話の隙間を埋めながら、そうしたお話を受け継いでいく形で進めさせていただきたいと思います。

 本日のテーマは、「エネルギー全面自由化時代におけるエネルギー事業者のあり方を考える」という、少し長いタイトルにしています。2016年、2017年以降をどういう表現にしたらよいか、いろんな表現の仕方がありますが、私どもは“エネルギー全面自由化時代”という表現を使っています。そして、“エネルギー事業者”という表現も使っています。これは最後まで聞いていただくとわかるかと思いますが、敢えてガス事業者とか、都市ガス事業者という表現をしていないという意味です。タイトルにはそういう意味を込めており、そのことが本日のお話の最後でおわりいただければ、幸いです。

 では早速、中身に入っていきたいと思います。

はじめに~過去に学ぶ~①

大震災と原発事故がなかったら、 オール電化との戦いはどうなっていたか

 まず皆様と一緒に考えたいのは、「もし東日本大震災と福島原発事故が起きなかったら、オール電化との戦いはどうなっていたのだろうか」ということです。

 以前、私がタスクフォース21に出させていただいていたときは、たいていオール電化との戦いをテーマにしてきました。本来なら本日は、パワポ画面の下のほうを伏せて、皆様とトークセッションをしながら一緒に考えていくのが一番いいのですが、限られた時間内ですので、一応すでに私なりの見解を書いてあります。それを紹介していきますので、一緒に考えていただければと思います。

まず先ほどの問いの回答ですが、………本文の続きを読む>>>

カーテンで変わるリフォーム空間 ~コーディネートの提案と移動ショールームの活用で集客~

講師:矢田株式会社 代表取締役 矢田 靖人

初めに

リフォームを扱う会社との提携が増加

当社は神奈川県を中心に、オーダーメイドのカーテンを専門に販売している会社です。私どもはカーテンを販売するにあたって、住宅にかかわるさまざまな会社様と提携させていただいています。従来は新築住宅を供給される会社様との提携が多かったのですが、昨今は新築住宅が少なくなり、またリフォームやリノベーションの需要が高まってまいりましたから、そういった会社様との提携が増えてきました。

 当社は直接リフォームを扱ってはいませんが、このような同業他社の勉強会になどに参りますと、カーテンを扱っている会社様が、そこから派生してリフォームまで扱うようになっているケースも増えています。本日は、そういったところで情報交換をした内容を元にお話させていただきたいと思います。

カーテンを切り口にしたリフォームとは

やりたいリフォーム、「カーテン」が31.9%

 まずリフォームにおける消費者のカーテンのニーズについてお話させていただきます。2013年4月に「リフォーム&リノベーションについてのWEB調査」を、インテリアビジネスニュース社が行いました。「今の住まいをリフォームしたいと思いますか?」という質問に対し、イエスが40.04%、ノーが59.96%。イエスと答えた方に、さらに「どのようなリフォームを行いたいですか?」という質問をしたところ、まず「壁紙の張り替え」が38.7%。それから「水まわり」が38.0%、「照明の交換」が34.8%。その次に、「カーテン・ブラインド等の取り替え」が31.9%でした。カーテンに対するニーズも非常に高いことがわかります。リフォームを生業にしている皆様にとって、カーテンやブラインドを替えるだけではリフォームの範疇に入らないと思われるかもしれませんが、消費者からすると、これもリフォームなのです。ですから、リフォームとしてカーテンに取り組むことは、消費者にとっても非常に価値のあることなのではないでしょうか。………本文の続きを読む>>>