第118回タスクフォース21
2016.8月例会

講演録

音大卒は戦力になる

講師:武蔵野音楽大学 主任兼会計学講師 就職課 江本 純一

はじめに

 皆様、こんにちは。武蔵野音楽大学の大内と申します。今日、この場をお借りして、1時間ほどお話をさせていただきます。事務局の皆様、私を講師にご指名くださり、ありがとうございます。

 「音大卒は戦力になる」ということですが、私は勤務先の音楽大学で就職指導を担当しています。私が通う音楽大学でも、就職活動を通じて企業に入り、一般の社会人となっている学生が数多く活躍しています。そういった意味で、音大生が広く社会に出ていること、そして必ずしも音楽の世界に進まなくても、社会で貴重な戦力となっていることをぜひご理解いただければと思います。皆様の会社でも新人の採用はあると思いますし、中途採用もあると思います。そのとき、「音大生は一般の会社には関係ないだろう」と思わず、ぜひ見ていただきたいと考えています。

 これだけ多くの企業様に、こういったお話を聞いていただくことは、音大としてとてもありがたいです。大変感謝しています。

 私自身は丸30年、みずほ銀行におりました。3年ほど前、武蔵野音楽大学にまいりまして、4年目となります。その間、この就職指導を一貫してやってきました。ですから、卒業生は3回送り出しています。まったくの新人でもありませんが、やっと慣れてきたところというのが、就職課での私の位置づけかなと思います。

就活市場で注目され始めた音大生

音大生を就職先に売り込む活動

 それでは、本題に入らせていただきます。最近、就活市場で音大卒が注目されているということで、私としては大変うれしく思っています。どういう事象が起こっているかというと、たとえば日刊ゲンダイで「元面接官が明かす就職に強い学部」と題し、私の名前を出して音大を取り上げていただきました。またインターネットでも、7月20日に東洋経済オンラインで「武蔵野音楽大生が人気企業に就職できるワケ みずほ銀行出身者が発掘した学生の能力」という記事を掲載し、これには約5,000の「いいね!」をいただきました。ちょうど就活の中間時期に入っていますから、話題になったのかなと思います。音大というのは、必ずしも音楽家になるためだけの大学ではないということがわかってきていただいたのかなと思います。

 また今回、資料として書籍『目からウロコの就活術』を配らせていただいています。私の3冊目の本として出しました。その中で、この3年間の就職実績をまとめています。私が着任した当初、就活に取り組む学生は少なかったのですが、積極的にトライする学生もだんだん多くなってきました。もちろん有名企業に行くことばかりがいいことではありませんが、総数として増えてきたので、結果もついてきています。就活市場の中でも、音大生は一般企業に関係ないということではなく、一部の企業様の中では、むしろ積極的に受け入れてくださっています。

 私としては、非常にやりがいを感じており、………本文の続きを読む>>>

非常用電源の事例紹介セミナー ~近年の自然災害増加に伴う停電対策の見直し~

講師:株式会社PALTEK スマートエネルギーソリューション事業部 責任者 江本 純一

はじめに

 本日はこうした機会を頂戴してありがとうございます。今日お話させていただく非常用電源に関しましては、地域のLPガス事業者様とともに進めている新規事業ということになります。私どもはガス事業はやっておりませんので、皆様のご協力を得ながら、重要な施設である病院とか介護施設、それから今避難所計画を立てている皆様に、地域ごとにご提案を差し上げられたらなと思っております。

 私どもの会社は1982年に横浜市で、現会長の高橋が3人で始めたベンチャー企業です。昨年に東証二部に上場し、おかげ様で227名の企業となっております。主な事業としては、半導体事業というエレクトロニクス分野から始まりまして、デザインサービスという、医療関係の内視鏡システムとか、CTスキャンとか、そうした医療関係の開発を進めています。

 私どものスマートエネルギーソリューション事業は、災害対策をやろうとして始めたわけではないのですが、3.11のときにこのままでは日本の電力はうまくいかないだろうということから立ち上げた事業です。今年で6期目になります。

 東日本大震災における停電被害を厚生労働省とかいろんなところがまとめたデータがあります。そうしたものから被災地のインフラ被害の状況を見ると、従来のディーゼル発電機の課題、それから今後の停電対策、災害に強いLPガスを使った発電機の活用提案などが挙がっています。今日は、そうした動きを踏まえて、近年の自然災害増加に伴う停電対策の見直しをテーマにご提案させていただきます。

東日本大震災と自家発電機の課題

東北電力管内の主要病院、 約80%が約60時間で電力復旧

 まず、東日本大震災での東北電力管内の停電と電力復旧状況ですが、80%の主要病院で電気が復旧するのに約60時間かかっています。生命維持が「72時間」を境に大きく変わると言われる中で、災害時の停電対策ではこの3日間をなんとか凌げれば、その後は商用電源で対応できるとされています。東日本大震災のときも、4日間で94%とほとんど回復しています。

 しかし、ここにはありませんが、………本文の続きを読む>>>

後継者問題の解決と成長戦略の実現 ~中堅・中小企業M&Aの最新潮流~

株式会社日本M&Aセンター コンサルタント 福井 順

はじめに

 皆様、こんにちは。M&Aセンターの福井と申します。セミナーでお話しするということは普段からやっておりますが、本職は営業マンで、買い手を探すということをしています。ありとあらゆる業界のお客様から頼まれた譲渡案件が、社内に600件くらいございます。それに対し、上場企業から中堅企業に至るまで、買い手を探します。電話をしたり、伝手を頼っておうかがいして、提案に行きます。そして秘密保持契約をして、提案書を読んでいただくという仕事です。これを14年間やっておりました。

 もともと銀行員でしたが、中小企業の社長様の応援団になろうということで、よりお客様の役に立つ、人生の最後を飾るM&Aという仕事をやっているわけです。

 本日いらっしゃる方たちは感度の高いビジネスマンですから、M&Aについては重々ご承知だと思います。でも、自分の会社がM&Aをしたというご経験がある方はそんなに多くないのではないでしょうか。今は当たり前のように増えており、3分の2は後継者のいない会社です。売り手も増えていますが、五輪景気に向かって買い手も非常に増えています。とにかく人手が足りないのですね。建設業界、IT業界、外食産業、ありとあらゆるところで人手が足りない。だからM&Aでどんどんと勢力を拡大していくという形になっています。

売り手側のM&A

会社は一番ふわさしい人に継ぐ

 中小企業のM&Aということで、まずは売り手の話です。第三者への事業承継。なぜ「第三者」としているかといいますと、通常は身内や社内の若手に継ぐものです。ですが、それを第三者に継ぐというところに意味があります。M&Aの後継者のポイントは、一番ふさわしい人に継ぐということです。社内でも、社外でも、ふさわしい人が継げばいいわけです。社内に息子がいたとしても、ふさわしくないケースが多いのです。本人が継ぎたくないとか、能力がないとか。ですから、ふさわしい相手がたまたま第三者の大きな会社だったとしたら、それはそれで構わないわけです。そのため、第三者への事業承継としております。

 たとえば、埼玉県にある年商3,000万円の本当に小さなA社。これは15年くらい前の例ですが、大手企業5社、ナショナル、東芝、日立、シャープ、三菱電機との取引口座がありました。試作品を製造している会社です。後継者難で譲渡を検討し、M&Aセンターにいらっしゃいました。そして、売上15億円のプラスチック加工のB社に、5,000万円で譲渡しました。

 このB社は伸び盛り。千葉県の会社ですが、2代目がバリバリと大きくしていました。ですが、大手企業の口座が取れないのです。日参しても取れない。売り手のA社はどんどんと縮小していき、最後は大手のうち1社しか稼働していませんでしたが、口座は残っていたのです。これを買収することで、………本文の続きを読む>>>