第121回タスクフォース21
2017.2月例会
講演録
中小規模企業・事業所での女性社員の戦力向上
講師:株式会社ウーノ・アクティブ 東谷 由香 氏
はじめに
本日は、3つの流れでお話させていただきます。まず、すでに十分におわかりいただいているかとは思いますが、なぜ女性を主戦力にしなくてはならないのかというところ。2つ目は、どうやったら女性が働きやすくなるのか、戦力として活用できるのかという環境づくり。そして3つ目は、管理職の育成についてです。これは管理職だけでなく、女性社員の能力を発揮させるためにどうしたらいいのかというところです。
私はこういった研修や講演を20年以上、全国でやってまいりました。経産省や法務省といった堅いところから、ホストクラブといった柔らかいところまで、幅広くやっております。皆様に関連のある会社様もございます。
人口減少時代の人材活用
いかに女性を活用するか
まず、なぜ女性を主戦力にしなくてはならないのかというところからです。数字で確認してみましょう。今から10年後、労働者人口が約8%減少します。ということは、皆様の会社の中でも、社員が100名いらっしゃったら、8名減るということです。そういう中、どうしてもその人数でやっていかねばならないということです。これは16歳以上のことなので、業種によって偏ってきますから、それ以上の減少となります。
そうなると、やはり女性を活用せざるを得ない、主戦力にしていかなければならないだろうと思います。皆様は何十年後かの会社の姿を把握し、その中で人材戦略を立てていらっしゃるのではないでしょうか。
では、お隣に座っている方に確認してみてください。人材について、いま安心していますか? それとも不安に思っていますか? ……お聞きしていますと、やはり皆様それぞれに不安を抱えていらっしゃいますね。特に地方の会社ですと、人口減はとても大きい。また学歴で言いますと、能力が高いといわれる人が地方に残りにくいということもあります。
そういう中であるのは、「有能な男性が採れない」というところだと思います。そうなると、いかに女性を活用するかということを避けて通れないのではないでしょうか。
ダイバーシティ取り組み義務
コーポレートガバナンスの目的
では、なぜダイバーシティという多様性の取り組みをしなくてはならないのでしょうか。コーポレートガバナンスというものは、アメリカの動きのもとに始まったものですが、………本文の続きを読む>>>
最近のエネルギー政策動向とLPガス産業の今後の取り組み
講師:日本LPガス協会 企画グループ調査役 鈴木 正氏
エネルギー・環境政策のフレームワーク
ここにきて、「ガスの小売営業に関する指針」制定や「適正なガス取引についての指針」改定など、一連のガイドラインが示され、ガスシステム改革におけるメニュー的なものはひと通り出されたのかなと思います。そこで今日は、国が進めるエネルギー・環境政策の全体像を俯瞰し、そこからLPガス産業のあり方を考え、今後我々にとってどのような取り組みが必要となってくるのかを、全体のフレームを復習する意味からも整理し、紹介させていただきたいと考えます。
まず全体のフレームですが、我が国の総人口は1億2,800万人で推移していましたが、2011年から減少に転じました。皆様ご承知のとおり、家族構成では核家族化が、また同時に高齢化も進むなど、エネルギー産業にとってはアゲインストな状況になっています。
そうした中、持続可能な発展を大前提とした『地球温暖化対策』と、『エネルギーミックス及びシステム改革の実現』を目指すエネルギー政策の推進、この2本を大柱とする成長戦略が計画され、実行に移されているのです。
我が国は2013年に14.1億トンの温室効果ガスを排出していましたが、一昨年の7月17日に日本が国連に提出した約束草案では、2030年にはその26%を減らすこととしました。2030年というとオリンピックの10年後になりますが、そこが1つのターゲットになるわけです。
では、その先はどうなるのか。これは昨年になるのですが、5月に温対法での長期的目標として、2050年時点で現状の80%レスという努力目標を閣議決定しています。これに向かって成長を遂げながら、温室効果ガス排出をコントロールしていく。このように『地球温暖化対策』を考えています。
また、今後のエネルギー政策として、『エネルギーミックス及び電力・ガスシステム改革の実現』を進めていくこととしていますが、「エネルギーミックスの実現」は、エネルギー革新、原子力、資源戦略の3層で構成されており、現第4次エネルギー基本計画の考え方のもと、取り進められています。加えて電力・ガスシステム改革も同時に、しっかりと進めていく。つまり、この2本の大きな柱で日本国を成長させていくという筋立てです。
もう少し詳しく見てみますと、エネルギーミックスの実現では、1番目の「エネルギー革新」として、強い経済と二酸化炭素の抑制を両立させるというコンセプトのもと、省エネを徹底していく。再生可能エネルギーを最大限導入していく。そしてさらに新たなエネルギーシステムを構築していく。この3つの政策を推進していくこととしています。
2番目の「原子力」では、新基準に合格した原発は速やかに再稼働させていく。と同時に、東電改革・1F問題委の議論等を通じ、原発事故の賠償や既存原発のたたみ方など、諸課題のアウトラインもようやく見えてきました。現第4次エネルギー基本計画は、2014年に閣議決定されましたので(長期エネルギー需給見通しは1年後の2015年提示)、3年後となる今年は、まさに第5次計画の策定年ということになりますので、それをちょっと意識しながら伝えていきたいと思います。
3番目の「資源戦略」ですが、昨年の2月16日に開かれた資源・燃料分科会で、すべての化石エネルギーの課題と方向性が示されました。特にLPガスについては、海外からの安定供給の確保と災害に備えた体制の構築、加えてエネルギー供給を担う産業基盤の再構築について示されることとなりました。 以上の通り、「エネルギー革新」、「原子力」、「資源戦略」の政策をパッケージで進めていくことで、「エネルギーミックスの実現」に繋げていこうとしているのです。
現在、ガスシステム改革への取り組みは、4月を目前にして突貫工事で進められており、4月からは新規参入者や都市ガス各社がそれぞれ新料金体系でスタートを切ることになります。今まで、新規参入を検討する事業者が新しく卸供給を受けさせてほしいとか、いわゆる卸市場をつくって新規参入を促すような仕組みをつくってほしいとか希望してきたことにつきましては、審議会委員の松村先生もお話になっていますが、4月からの自由化スタートの邪魔をするつもりはないので、4月からでよいので検討するようにしてほしいと仰っています。ですから、卸供給についての検討は新年度より審議会にて議論されるようになるのではないかと思っております。
地球温暖化対策
先ほど申し上げました国の地球温暖化対策計画は、昨年5月13日に閣議決定されていますが、その背景には、………本文の続きを読む>>>