第122回タスクフォース21
2017.4月例会

講演録

エネルギー自由化に向けたアストモスアカデミーの人材教育

講師:アストモスアカデミー関東 所長 平國 龍太

はじめに

自己紹介

 本日はエネルギー自由化を、アストモスとして、どう捉え、どう考え、どう取り組んでいるのかを、アカデミーの人材教育の観点からお話させていただきます。

 私の大好物は青汁。1日3本くらい飲んでいます。趣味はウォーキングです。“100kmウォーク”では毎年10月、北九州の行橋から大分の別府まで歩いています。過去4年連続で完歩しています。26時間以内で、走ったら失格になります。昨年アカデミーに着任する前、九州で3年間、販社の取締営業部長をやっていたときにご縁があって参加するようになりました。お金を払って100km歩くのです。最低でも10年はやろうと思っていますので、あと6回、完歩しなくてはいけません。ライフワークにしています。今月も4月15~16日に久留米にて40kmウォークがあるので、2日間で80kmを歩いてくる予定です。

 昨年は12年ぶりの大雨。バケツをひっくり返したようで過酷でしたが、翌日には晴れました。九州の販社メンバーと一緒にゴールしたことも喜びです。住設部門の親方のアキオさんとは、話していると、いろいろなことがわかりました。同じ干支、同じ誕生日だったということが判明し、ゴールしたときの喜びも大きかったです。例年、4人に3人は完歩できるものなのですが、昨年は大雨で、完歩率が6割を切ってしまったそうです。

 一昨年は、まだ九州の取締営業部長だったので、メンバーに声をかけて14人が参加しました。女性も参加しています。当時の副社長がスタート時に激励に来てくれて、宗像大社の身代わりのお守りを一人ひとりに渡してくれるのが儀式になっていました。

大切なのは、1%のひらめき

 本題に入る前に、エジソンの言葉をご紹介したいと思います。「天才とは1%のひらめきと99%の努力だ」という有名な言葉があります。学生のときは、「エジソンという発明王でさえ、努力が大切なんだ」という意味で教わりました。でも実際、彼は晩年に「あれは違うんだよね。99%の努力も、1%のひらめきがないと無駄になってしまう、と伝えたかった」と、記者に言ったそうです。私が今日お話する内容も、皆様の常識とは少し違うかもしれません。ぜひフラットに聞いてください。

 またこれから、自由化後の将来像を描くとき、会社の99%の努力を無駄にしないようにするために、1%のひらめきがとても大事になるのではないかな、と思いを込めてご紹介させていただきます。

 1%のひらめきは、会社組織でいえば、経営戦略、目指すべき姿、ビジョン・理念になると思います。営業担当であれば、活動計画、行動計画、アクションプラン、気づき等々が当てはまると思います。成果に直結する1%のひらめきが大事なのだと思います。

 私も、“1%のひらめき”を1年間やってみました。ちょうど1年前と、現在の健康診断の結果です。1年前は、3年間の九州生活でメタボ人間でした。血液ドロドロ、肝臓はフォアグラです。アカデミーで教えているメソッド、PDCAやプロセス管理を自分の生活にもとり入れてみました。1年間コツコツやって、データ・データ・データ、ファクト・ファクト・ファクト、数字・数字・数字で計測し、日々PCDAをまわしたら、1年後に脱メタボとなりました。フォアグラでもなくなりました。まさに1%のひらめき、成果に直結する行動です。社員の努力を無駄にしない。そのための気づきや戦略やしくみが大事なのではないかと感じています。この状態になっても、青汁は飲み続けています。

外部環境認識

若手社員の離職率、3年5割も

 今日お集まりなのはエグゼクティブな方ばかりなので、釈迦に説法であることは百も二百も承知ですが、おさらいがてら、お話します。この4月から、都市ガスの自由化が始まりました。前回のタスクではワークライフバランスのご講演があったと聞きました。働き方改革というものも社会の問題になっています。当然、少子高齢化が続いている状況です。

 昨今の日経新聞では、残業時間の上限規制がしょっちゅう記事になっていますし、人材の採用難もあります。しかも、若手社員は3年で3割辞めて………本文の続きを読む>>>

総合エネ化に向けた各社の事業戦略

講師:ガスエネルギー新聞 編集部 宮下 夕佳

はじめに

 本日の資料は、都市ガス事業者向けにつくったものがベースになっています。LPガス事業者の皆様にはそぐわない点もあるかと思いますが、ご了承ください。

 私は今年1月8日に45歳になりました。15歳の娘を持つシングルマザーです。大学卒業後、証券会社の投資情報部門で4年間、相場の動きをリサーチしていました。その後、業界紙の記者の誘いで、株式新聞に入社し、初めて記者として3年間勤めました。

 出産と離婚を経て、ガスエネルギー新聞に入ったのは2005年です。株式新聞で一緒に働いていた、現在弊社のデスクをしている大喜多の誘いで入社し、すでに11年が経ちました。

 入社当時、ガス業界はオール電化対抗を掲げ、家庭用営業に力を入れ始めた矢先でした。初の家庭用営業担当として、日本ガス協会が組織した団体・研究会・ガス事業者の営業施策、ガス機器の新製品など、リビング分野全般をフォローしてまいりました。

 本日はまず、総合エネルギー化について、最近相次いで発表されているガス会社・電力会社の料金やサービスメニューを地域ごとに比較したいと思います。次に、自由化に向けてさまざまな施策を立てていらっしゃるガス会社の個別事例を紹介します。続いて、生活関連サービスにおけるトレンドと、こんなサービスがあったら便利だろうと、私が女性視点で考えたアイデアを述べさせていただきます。

総合エネルギー化とは?

各社が目指す姿

 総合エネルギー化という言葉自体は、10年以上前に石油業界で使われ始めたようですが、明確な定義はありません。ガス業界では、システム改革のなかで示され、各社それぞれに模索されています。ただよく見ますと、各社の掲げるスローガンは微妙に違っていて、それを見ると、各社の目指す姿がわかります。

 たとえば、2018年度に独自の寒冷地HEMSの商品化を目指す北海道ガスは、「総合エネルギーサービス企業」を標ぼうしています。そして「総合生活提案企業」を掲げるのは、静岡ガスや日本ガスです。両社の共通点は、リフォームに強みを持つことです。「総合エネルギー情報通信企業」を目指すのは、塩釜ガスや鳥取ガスです。これらの会社については、後ほど詳しく説明します。

電力とガスの比較

電力とガスの小売市場参入状況

 3月30日現在、小売り電気事業者登録者数は389者で60者が審査中。うち都市ガス事業者は一部出資を含め34者。取次まで含めると、私が知る限りでは約85者の事業者が電力市場に参入しています。

 では、ガス市場への参入状況はどうでしょうか。………本文の続きを読む>>>

省令改正・取引適正化ガイドラインのポイント解説

講師:半蔵門総合法律事務所 弁護士 野﨑 修

はじめに

自己紹介

 こんにちは。本日の最後に、あまり儲からない話をさせていただきます。

 今般の省令改正について、エネ庁の石油流通課の説明会をお聞きになった方はいらっしゃいますか? あまりいらっしゃらないですね。6月1日施行ということになっていますが、会社の方針が決まった会社は? ゼロですね。そうすると、ポイント解説をしようと思っていたのですが、今後そういった説明や講演を聞くときに「ここがキモなんだな」とわかるようにお話ししますので、よろしくお願いいたします。

法令通達とガイドラインの違い

対応の必要性は、液石法令>ガイドライン

 まず、皆様のお手元に資料として「①液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律等における取引適正化に係る規定(抜粋)」と「②液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針(ガイドライン)」をお配りしています。この2つは文書としては並列ですが、はっきり言ってまったく違うものです。①に違反するとどうなるかというと、登録取り消しと業務停止、あるいは30万円以下の罰金という罰則規定まである、制裁として強い効力を持つ規定なのです。

 それに対して②は、これに違反したら行政が直してくださいよ、と指導をするだけで、これをもとに業務停止ということはないと明言しています。パブリックコメントで、「どんな効力があるんですか?」という業者さんの質問に「行政指導の根拠になる資料であり、ただちにペナルティは課されません」とお話されています。

 ①には「通達」という項目があります。この通達とは、法令そのものではありません。ただ行政が、今回改正した省令を解釈する行政側の内部的な基準を示しているものです。現実には、この通達に沿って行政が動きます。業務停止とかも、この解釈基準に沿ってやっていく。では法令と何が違うのかというと、後々「そんな解釈はおかしい」という争いが出たときに、裁判所が、99%は言いませんけれど、「その通達は、法令解釈が誤っている」と言ってくれる可能性があるということです。

 ですから、資料として①のほうが重要です。これに違反しては絶対にいけないし、違反しているのであれば、是正しなければならないということです。

料金を一括表示した検針票は液石法違反

 検針票(請求書)で基本料金、従量料金の区別のないものは、規則§16⑮の2、通達2に違反します。基本料金はいくら、従量料金はいくら、使用量は何㎥ということを表記した請求書をつくらなければならないという規則です。ここで、いっしょくたに「5千何百円」と出ているのであれば、それは今後、………本文の続きを読む>>>

オフィスレイアウトの効率改善について

講師:株式会社オフィス・ラボ 井上 敦司

はじめに

 私はオフィス・ラボという企業で、日ごろ皆様が働かれているオフィスを構築するお手伝いをさせていただいております。オフィスといっても非常にさまざまです。業界・業種によっても異なりますし、本社、支店、営業所、また最近ではサテライトオフィスといった変わった働き方も増えています。さまざまなお客様にオフィスを提案させていただき、最適なオフィス構築が業績の底上げにつながるという信念をもってお手伝いさせていただいております。本日は、初歩的ではありますが、移転にかかわるポイントをまとめさせていただきました。

 本日の流れをご説明します。最初に簡単に弊社の説明をさせていただき、次に昨今のオフィスのトレンドをお話します。そして本題であるオフィス構築、とくに移転時のノウハウをかいつまんでお話し、最後に施工事例をご覧いただきたいと思います。

会社概要

 株式会社オフィス・ラボの本社は千代田区岩本町にございます。創立は2010年と、比較的若い会社で、社員数は20人のほどの少数精鋭でやらせていただいております。私も含め、業界経験10年以上の人間がそろっており、そのあたりをご評価いただき、いまに至っております。

 サービスの内容としては、不動産のご紹介から、デザイン・設計、各種工事です。最終的には原状回復、減額交渉など、プロジェクトにかかわる一切をワンストップで取りまとめております。

 特徴は3点ございます。「創造」「適格な判断」「ニュートラル」です。社内の設計・デザインチームを拡充しており、すべて内製化しております。外注している企業もありますが、社内にデザイナーを抱えることで、スピーディかつダイレクトにお客様の意向を具現化することが可能で、ご評価いただいております。

 また、経験豊富なプロジェクトマネージャーが多数在籍していますので、経験を生かしつつ、プロとして適格な判断ができるようサポートしています。

 独立資本で成り立っておりますから、あらゆるメーカーをニュートラルに比較検討し、プロとしてお客様のニーズにベストな回答を出せるようお手伝いさせていただいております。主だったプロジェクトとして、上場企業様から、大手ベンチャー企業様まで、多種多様なお客様のお手伝いをさせていただいております。

オフィス業界のトレンド

キーワードは健康・多様性・IT技術

 最近、よく新聞などでも“働き方”が多くとり上げられています。昨今のオフィスでトレンドとなっているキーワードを3つ挙げるとすると、「健康」「多様性」「IT技術」です。各メーカーで呼び名を変えたり、ブランディングしたりしていますが、わかりやすくいうと、この3つにいきつくのではないかと思います。

 たとえば岡村製作所という重機メーカーのコラム記事を見ますと、………本文の続きを読む>>>