第127回タスクフォース21
2018.2月例会

講演録

『東京23区大逆転』から見る東京と郊外の今後

講師:一般社団法人 東京23区研究所 所長 池田 利道

動画ダイジェスト版

はじめに

 最近、こういう高い席からお話をさせていただく機会が増えてきました。今日と同じように業界の団体の集まりでお話することもあります。こういう会には大体、前座と真打がありますが、私は前座をやらせていただきます。

 東京23区研究所は、東京23区を対象にいろいろと活動をしています。ほとんどが東京ガスのエリアなので、皆様の仕事にお役に立てるかかなり不安です。ただ少しでもお役に立つお話をしたいと思っています。明日の仕事には役に立たないけれど、今夜の居酒屋のネタになるお話からしたいと思います。

少子化の東京で、なぜ待機児童問題が起こるのか

出生率 全国1.45、東京1.24

 いま国会が開かれており、今年の大問題といえば労働時間や憲法、北朝鮮の問題などいろいろあります。日本はいま、超高齢化の国難に当たっています。高齢人口が増えるのはなぜかというと、ごく単純な話で、お年寄りが亡くならなくなったからです。これは非常にめでたいことなのに、なぜ国難なのか。それは、常に対となって語られる少子化が問題なのです。

 沖縄県は全国有数の長寿県です。ただ高齢化率は、2015年の国勢調査で、47都道府県のなかで一番低い。なぜお年寄りが長生きで数が多いのに高齢化率が低いのかというと、出生率がずば抜けて高いからです。出生率には2つあって、いまからお話するのはすべて「合計特殊出生率」なのですが、長くなるので「出生率」と略します。 出生率が2.10を下回ると国がほろびるといわれていますが、日本の平均は1.45、沖縄はおよそ1.9 。子どもがたくさん生まれるから、世代間のバランスが図られ、お年寄りが元気で長生きしていても、高齢化率が上がらないわけです。

 少子化もいろいろと騒がれています。幼児教育の無償化が先か、待機児童をなくすのが先かといった議論も行われているようです。2016年の厚生労働省のデータによると、全国の待機児童数は2万3,553人。ちょっと待て、と思われるかもしれません。安倍総理は、2020年までに32万人分の保育 の受け皿をつくるといっており、野党はそれでは足りないと言っています。32万人に対して、待機児童はたったの2万3,553人しかいない。なぜこんなことになるのでしょうか? それは、待機児童は氷山の一角に過ぎず、その下には膨大な“潜在待機児童”がおり、さらにその下には、もっと多くの“隠れ待機児童”がいるといわれているからです。

 ですが、とりあえずこの厚生労働省の数字を信じることとして、2016年の待機児童数は2万3,553人。そのうち、東京23区には約5,600人います。全国の人口は1億2,700万人、東京が930万人くらいです。東京23区の人口比は7%くらいです。それしか人口のいない東京で、待機児童の4分の1を占めているのです。

 それだけでも驚きなのに、もう一つ大きな問題があります。東京は全国有数の少子化最先端と言われています。出生率とは、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数。目標が2.1であることに対して、全国平均は1.45、東京は1.24です。そして23区は、1.22という末期的な数字を示しています。

 先だって都知事選挙に出られた増田寛也さんは、著書のなかで「東京に人口が一極集中していることはいろいろな問題を引き起こすけれど、とくに大きな問題は、少子化がどんどんと進むということ。日本がほろびるスピードがどんどん速くなってしまう」という警鐘を鳴らされていました。

 そんなに子どもが少ないにもかかわらず、なぜこんなに待機児童が多いのでしょうか? 皆様におうかがいすると、2つくらい答えが出ると思います。1つ目は「東京は働くお母さんが多く、子どもを預けるニーズが高い」。そして2つ目は「東京は保育園の整備水準が遅れているから、保育園が足りない」。そうお答えになると思います。では、本当にそうなのか確かめてみましょう。

東京はもともと専業主婦の街

 東京は働くお母さんが本当に多いのでしょうか。主婦の就業率を示した2015年の国勢調査データを見ると、2ポイントくらい高いかもしれませんが、ほとんど全国と変わりません。保育園児ママの中心世代となる30代後半の女性を見ると、東京のほうが低いほどです。1990年の同じデータを見ますと、全国と比べ、東京には働く女性が非常に少なかった。東京は、実は専業主婦の街なのです。………本文の続きを読む>>>

「ガスマンのための営業読本」の表話、裏話

講師:上野都市ガス株式会社 代表取締役社長 中井 茂平

動画ダイジェスト版

はじめに

 皆様、こんにちは。上野都市ガスの中井茂平と申します。タスクフォース21様の講演にお招きいただきありがとうございます。どこまでお役に立てるかはわかりませんが、今日は私ども上野都市ガスの電化対抗を踏まえた説明をさせていただきます。

 お配りしている書籍に関しては、ガスエネルギー新聞の小出さんと、新橋でお酒を飲んでいるとき、「最近、ガスエネルギー新聞から本を出していないんじゃないの?」というお話のなかから生まれたものです。校正はガスエネルギー新聞にやっていただきました。

 私は三重県伊賀市からやってきました。忍者の里です。忍者、松尾芭蕉、そして松坂牛よりぐっと安くておいしい伊賀牛があります。あとは伊賀焼も有名です。お祭りも多いですが、私どものショールームでも演奏会などを行っています。私は18歳で東京にきて、40歳に日石ガスを辞め、地元に帰ったという経歴です。

 簡単な自己紹介になりますが、昭和27年生まれです。伊賀市で育ち、東京に出て成蹊大学に入りました。東京にも結構長くいました。内幸町の日石本館ですね。そして40歳のとき、ご縁があり、いまの上野ガスグループに入りました。最初は総務の仕事をやっていました。本社で総務、直売、出先の福岡支店、札幌支店で営業をやらせていただきました。福岡では三愛石油さんにも大変お世話になりました。

 それから上野ガスグループでは10年は都市ガスの勉強をした後、上野ガスと兼務するようになります。10年経っていましたので、LPガスの仕事ができるだろうかと心配していましたが、10年前も20年前も、LPガス業界はまったく変わっていませんでした。だから仕事はできるのですが、かえってそれが私の心配となりました。やはり、もっと改革して変わっていかなければいけなかったのではないだろうか? ローリーを使って充てんし、売るといったことは昭和30年代からやっています。ちょっと変わったかな、と思うのはバルク供給くらい。もっと大規模な変革を望んでいたことも事実です。

『ガスマンのための営業読本』について

自身の体験をガス業界で生かしてほしい

 著作『ガスマンのための営業読本』は、先ほど申し上げたとおり、小出さんとお酒を飲んでいるときに出すことが決まりました。ところが、原稿が6万字くらいしかなかったのです。そのときに思ったのは、「自分の人生はこんなに薄っぺらいのか?」ということ。それで心機一転、しっかりと書こうと思い14万字くらいまでになりました。

 完成した書籍は302ページになっていますが、実は小出さんから「基本は200ページ。300ページは超えないでほしい」と言われました。でもグラフも入れたいし、表も入れたい。2冊にしたらどうか、と言いましたが「誰が買うんだ」と(笑)。削りに削って、なんとか1冊に収まったのです。だから少し残念なところもありますが、昨年9月26日に発行しました。実は私の娘が別のガス会社におりますから、娘の誕生日に用意をしたのですが、この前聞いたら「まだ読んでない」と言われました(笑)。

 名古屋プロパン瓦斯の後藤社長が書かれた『エネルギー戦国時代はプロパンガスが制する』と合わせて読むとよいと言われますので、ぜひおすすめします。私の本は文字ばかりですし、6割くらいは都市ガスの内容です。それにLPガスの方からすると、「LPガスはもっと小回りが利いているよ」と思われるかもしれません。ですが、お客様はやはり論理性を求めているわけです。ぜひご一読いただければと思います。

 中部ガス、ガステックサービスのように都市ガスとLPガスの役員を兼務されたり、日本海ガスや大垣ガスさんのような例もあります。そういう可能性を考えると、こういった本もありなのかな、と思います。都市ガスの方からすると、「LPガスのこと、すごく勉強になります」というお話もいただいています。

 また導入部を新入社員用のイントロダクションにしているのですが、「中堅社員に読ませたい」と会社単位で数十冊お買い上げいただいているところもあります。

 私としては、自分の体験をぜひガス業界で生かしていただければありがたいと思っています。でも小出さんからすると、売れないと意味がないと思うので、ぜひご一読いただき、社内でも回覧したり、推奨本にしていただいたりして、お披露目いただけるとうれしく思います。

なぜ書いたのか

 どうしてこの本を書いたのかというと、やっぱりガス自由化のインパクトがありました。自由化によって、いままでやってきた対面営業がインターネットになってしまうのだろうか? そこで、………本文の続きを読む>>>

『さらば、LPガス』、販売店ホームページサービスについて

講師:株式会社日曜日 代表取締役 岩崎 薫

動画ダイジェスト版

はじめに

会社紹介

 こんにちは、株式会社日曜日の岩崎です。こちらでお話させていただくのは今回で3回目になります。努力ではどうにもならないほど緊張していますが、ご容赦ください。

 弊社がどんな会社なのか、簡単に説明いたします。一言でいえば、広告をつくる会社です。特徴としては、ガス会社様の広告制作に特化しています。業務内容としては大きく2つあり、基本的にクライアント様と一緒に悩み、つくる。クライアント様ありきのお仕事をさせていただくスタンスです。

 そしてもう一つが、その通常業務のなかで得たノウハウを生かして、何かをつくる仕事をやらせていただいています。

 クライアント様とつくる仕事の例を挙げますと、ガス会社様の販売する端末の商品やエコジョーズのパンフレットだったり、全国のガス事業者様に取材してつくったリフォームの提案事例集などがあります。また“コラボ”のオフィシャルパンフレット、都市ガス自由化のパンフレットなどもあります。ガスエネルギー新聞様につくらせていただいた季刊誌もあり、こういったなかで商材を網羅するかたちでPRしています。レシピ制作やロゴ制作もしています。

 紙媒体だけではなく、都市ガスの社会科見学用ビデオや、3DCGを使った社内用研修教材などもあります。富士通さんのハードを使った教材ソフトもあります。埼玉の防災施設では、都市ガスのマイコンメーターの復帰操作体験コーナーで流す映像。また危険な場所の点検をするのに、VRを使って研修する企画もありました。あとは映像制作、eラーニングなど。

 幅広くやっているように思われますし、実際にそうなのですが、やっていることはシンプルです。エンドユーザーであれ、社員向けであれ、基本的に伝える手段・方法についてベストな提案をして、かたちにしていく作業が仕事だと思っています。

ノウハウを生かしてつくる仕事

さまざまな販促ツール

 そしてもう一つ、弊社の業務として紹介したいのが、ノウハウを生かして全国のガス事業者様に向けて発行している販促ツールです。今回、『もしもに強いプロパンガス』という、LPガスの安全性を促進する冊子を制作しました。また、これまでのツールを紹介いたしますと『みなさんは多くのお金をお湯代に使っています』というエコジョーズの販促ツール。『ガス屋さんのリフォームにはウラがあります』は、前回プレゼンさせていただいた際に題材にしたものです。こちらに関しては、27万部ほどご購入いただきました。2年経ちますが、まだちょこちょことオーダーが入っているロングセラーになっています。そして『ハイブリッドは電気とガスの先のステージへ』というハイブリッド給湯器の販促ツール。

 このように、いつもちょっと変わった切り口からつくらせていただいています。皆様も当然販促冊子をお持ちだと思いますので、あまりそういったものと被らない、サポートできるポジションにしたいのです。

 今年つくったのは、『「え゛っ」というとき困らない 2018年カレンダー』です。これはリフォーム事業の新規顧客の獲得を目的としてつくったものです。評価は高かったので、来年も2019年版として継続しようと思っています。

 そして『ガスコンロえらびの本』です。こちらは動画も同時にリリースし、無料でダウンロードできるようになっています。一番多いのがショールームやガス展へのイベントでの使用。そして、社内で研修的に使われる会社さんが多かったと思います。

 今回、この場をお借りしてプレゼンさせていただくテーマは、これらと同じくノウハウを生かしてつくったツールで、1月に発売した『さらば、LPガス』。そして、ウェブコンテンツサービスです。どちらもコンセプトは………本文の続きを読む>>>