第129回タスクフォース21
2018.6月例会
講演録
100円家事代行・御用聞きを通じたソーシャルビジネス最前線
講師:株式会社御用聞き 古市 盛久 氏
はじめに
皆様、こんにちは。御用聞きの代表をしている古市です。本日はこういった場をご提供いただきありがとうございます。これから話すことが、果たして皆様のご期待に沿うかわからないところもありますが、紹介させていただきます。私どもはソーシャルビジネスという領域で、100円家事代行というものをやっています。なぜこういったことを始めたのか、商売のからくりはどういうものかといったなかで、高齢化社会にこういったアプローチもあるのかということを、皆様なりにご解釈いただければ幸いです。
100円家事代行とは
100円でビンのフタ開け
5分100円の家事代行をしていますが、前掛けのユニフォームをつけて活動をしています。地域に暮らしている方が、5分100円から、ちょっとのお手伝いを利用できるということが、私たちの特徴です。
象徴的なのは、ビンのフタ開けです。「そんなこと」と思われる方もいるかもしれませんが、注文の1割はこれです。たとえばペットボトルのフタが開かないという方も多くいらっしゃいます。年配の方もそうですが、両手がリウマチの方、なかには20代後半くらいの女性などからも注文いただいています。このビンのフタ開けが、私どもの象徴的なサービスの1つです。
100円家事代行は、100円ショップみたいなノリで、インパクトがあるということ。見学として、現場にきて実際にやっていただいたこともあります。実は、結構ロジックを組んでいて、どうやったらテレビに取り上げていただけるかということを徹底しています。局の方々にリピート注文をしていただけるよう、泥臭いプロモーションをやってもいます。
100円家事代行は、どんな方でも利超高齢化社会における義理人情物語ということで、テレビのオファーもよくいただいています。日本テレビの「NEWS ZERO」では、又吉直樹さんに1日社会用できます。御用聞きを始めて8年目になるのですが、商店街の一区画で店舗型として営業していたとき、夜8時に1人で事務処理をしていました。ドアがコンコンとノックされ、小学校2~3年生の女の子が1人でやってきました。「どうしたの?」と聞いたら、100円玉をテーブルの上に置いて、「お父さんとお母さんのケンカを止めてください」と言われてびっくりしました。「お父さんとお母さんの目を見て“ケンカをやめて”と言って、それでもだめだったら、もう一度おいで」と言うと、「わかりました」と言って帰っていきました。心配だったので夜10時くらいまで待っていたのですが、来なかったので、ケンカは無事に収まったのだと思います。
それから、………本文の続きを読む>>>
LPガス事業者の業態開発で未来につなぐ
講師:有限会社エーエムアイ 代表 鈴木 隆明 氏
動画ダイジェスト版
はじめに
実は関西で、事業戦略研究会というものを2000年ごろから開催しています。当初はガス事業を伸ばす目的でしたが、ガスが儲からなくなってくるなかで、何か新しい事業はないかとメンバー全員が考えています。皆様もいろいろとやられているとは思いますが、報告を兼ねてお話ししますので、ご参考にしていただければと思います。
新しい事業形態をつくるためには、商品を新しくするのか、市場を新しくするのかの選択になると思います。事業戦略研究会は10社ほどの会員なのですが、このタスクフォース21のように、2カ月に1回、各社の報告会をやっています。私のようなコンサルが「ああしろ、こうしろ」と言ったとしても、現場では思っている以上のことが起こっていますので、ここでは2社の事例を含めてお話をしたいと思います。
世の中の変化のなかで起こす新規事業
リフォーム、宅配水は難しい
私が見る限り、LPガス業界においてリフォームは比較的敷居の低い事業です。皆様もやっていらっしゃると思いますが、手を挙げて「儲かっていますよ」という方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。40年、50年積み重ねてきたガスの考え方でやっていると、うまくいきません。ガス屋としての従来の考えを変えていかなければいけないけれど、とても難しいことですよね。
その他の事業として、たとえばコインランドリー。機械設備だけで3,000~5,000万円かかりますが、人はいりません。これを誰がやるのかというと、サラリーマンです。先日、不動産屋がサラリーマンに貸し付けした事件が起こりましたよね。結局、お金だけかけて何もしないのであれば、誰でもできることなのです。ですから、コインランドリーが我々の中心的事業になるかというと、よほど店舗数や立地を考えないといけません。
補完事業として一番多いのは、………本文の続きを読む>>>
「IoT時代のLPガス経営」
講師:東洋計器株式会社 広域営業本部 企画開発部長 横沢 正彦 氏
動画ダイジェスト版
はじめに
皆様、こんにちは。ただいまご紹介いただきました東洋計器の広域営業本部の横沢です。本日はLPWAという新しい技術を中心にお話させていただきます。
LPガス業界において、いままでも集中監視システムは使われてきました。その概念、技術を、大きく超えたものが登場してきています。これにより、お客様への新しい価値やサービスの提供ができるようになるのではないかなと思います。
また、LPガス業界には人手不足の問題があります。それに対するニーズ、コスト、そしてこのシステムが出てくるタイミングがフィットしているのではないかと思っています。今回はポイントを押さえつつ、お話させていただきます。
未来を見据えたLPWAの活用
LPWA技術とは
LPWAというと、いま現在の配送の効率化とか、残ガス率を何%低減するかといった話になってきます。私たちが目指しているのは、もう少し長いスパンで、5年後、10年後に、いまのLPガス事業者様の事業が継続して発展し、いまと同じようにできるために、どうシステムをつくっていくのかということです。
そういうなかで、IoTといった言葉も出てきています。たとえば今日も日経の1面を見ていますと、青色ダイオードを開発した天野教授も「これからはKIAI(気合い)よりAIだ」と言っている記事が出ていました。この新しい技術を活用していくことが有効だということですね。
IoTには2種類あります。1つは、ブロードバンドと呼ばれているもの。高速大容量で、電源もたくさん必要です。たとえば自動運転、遠隔医療といったものですね。
今日ご説明させていただくのは、もう1つのナローバンドというものです。これは高速大容量とは逆で、通信スピードは低速化しますが、その代わり低消費電力で広いエリアをカバーする。これがLPWA(Low Power Wide Area)です。ナローバンドですから、使える周波数エリアは狭く、情報量も少なくなるのですが、ガスや水道のメーターの通信には適している技術です。
LPWAには、さまざまな技術が出てきています。私どもはPHSを使った集中監視システム「テレメタリング」を2005年から開発させていただいています。お客様の電話回線に依存しない集中監視であり、いってみればLPWAのはしりです。そこから技術が進歩していき、最近ではUバスという技術がテレメタリング協議会を中心に進んできています。これはWi-SUNという規格でもあるので、電力のスマートメーターでも使えるようになっています。
今日お話させていただくのは、その次の技術です。………本文の続きを読む>>>