第132回タスクフォース21
2018.12月例会

講演録

職場のハラスメントの予防と対策

講師:株式会社クオレ・シー・キューブ 取締役 古谷 紀子

はじめに

 皆様、こんにちは。ご参加いただいた皆様に、少しでも職場で生かしていただける内容をご提供できればと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まずは会社のご紹介をさせていただきたいと思います。クオレ・シー・キューブは非常に小さな会社ではありますが、ハラスメント対策においては、さまざまな企業様からお声がけをいただき、問題解決に向けて対応しております。

 もともとイキイキと働ける職場づくりを支援することをサービスとしていました。そのなかでも、セクシャルハラスメントについては、早い段階から対応のサービスを提供しています。もう1つ、パワーハラスメントについては、この言葉と定義をつくった会社として知っていただいております。パワハラは海外の言葉というわけではなく、日本で生まれたものです。インターネットで「パワーハラスメント」を検索すると、我々の会社や代表名が出てきたりもします。

 パワハラについては、それをパワハラと判断していいのか、またどれくらいの処分が妥当なのか、そして再発防止のために何をすればいいのかといったことに迷われることが多いです。単に防止の教育や相談窓口を提供するだけではなく、総合的にコンサルティングをさせていただいております。

 私は通常、会社で問題が起きたとき、それをハラスメントとするのかどうかや、処分や再発防止策の検討といったことの問題解決の現場に出ていることが多いです。

 もう1つ、パワハラの加害者、そして加害者とはしなかったけれど不適切な指導があったことが認められるような方々に対する個別トレーニングも担当させていただいております。

 ですから本日はハラスメントの基礎知識ではなく、職場の問題解決に当たりながら、起きてしまう問題の背景にある落とし穴について、お話したいと思います。その行為にどう気づき、どう防止するのか。そういったことを中心にお話できればと思っています。

 前半はハラスメント対策全般のお話をさせていただき、後半はパワハラに焦点を絞ります。基本的にハラスメントには、セクハラやマタハラといった、やってはいけない行為自体をなくせばいいハラスメントもあります。でもパワハラの場合、それ自体はいけないことでも、部下の指導はしなければならないですよね。

 ですから、パワハラは行為自体を変える必要があるハラスメントです。それを防止し、効果的な指導やマネジメントをするための留意点をご紹介させていただこうと思います。

ハラスメント問題における行政の動向

2007年に予防と問題解決が義務化

 行政の動向のなかで見ていただきたいポイントは、2007年にセクハラについては企業がその予防と問題解決をすることが義務化されていることです。企業責任が大きくなった起点の年です。これ以降、企業はハラスメント問題にきちんと対応し、なくしていくことが当たり前であるという認識になりますし、あまり年をおかずに何かしらの改定が加えられるようになっています。常に国会で審議されたり、報道でも取り上げられたりしていると思います。

 2007年はいまから10年ほど前で、そこまで昔の話ではありません。でも、職場の環境や人間関係に対してきちんと配慮し、改善を図る役割を担う管理職の方々が一般社員だったとき、このハラスメント問題についての対応があったわけではありません。管理職になって、企業が新たに注意しなければいけないことということで、付け加えられた問題や課題であるのが、ハラスメントです。

“いま”の物差しで判断しよう

 でも2007年以降に就職されている方々は、学生時代のころからプライバシーや個人情報の保護などと同じく、ハラスメント問題の対応は企業の責任であるということを情報として持っています。だから企業として「新たに気をつけなければいけない」というよりは、「それは当たり前でしょう」という考え方を持っているので、
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LPガス産業の2025年ビジョン

講師:日本LPガス団体協議会 事務局長 土橋 一夫

動画ダイジェスト版

はじめに

 タスクフォース21では2年前にガス改革のお話をさせていただきました。今回のお話は「LPガス産業の2025年ビジョン」という仰々しいタイトルですが、日本LPガス協会が策定した、会社でいう中期計画ビジョンのようなものです。

 日本LPガス協会(以下、日協)は2010年に、第1回目の中長期展望をつくっています。エネルギー基本計画の改定に合わせて、中長期展望の見直しをしています。そして今回、4回目の見直しを行いました。いま、急速にエネルギー業界環境が変わってきているなかで、中長期計画やビジョンを立てることは個社単位でも難しくなってきていますがLPガス団体として、これからの7年間をどう見ていくか、ということでつくったものです。

 2010年に中長期展望作成1年後に、東日本大震災3.11がありましたので、その影響で、業界環境も含めて激変しました。そのあたりを加味しながら、急きょ2012年3月には第2回目の改定を実施しました。そして3年後の2015年11月に第3回目の改定を実施。これは結構、業界紙でも報道されたので覚えている方もいるかもしれません。「2030年に1,970万トンの需要をめざす」。このような単純な右肩上がりで伸ばすような中長期計画のつくり方は正直古いのですが、元売りの団体ですから、どうしてもたくさん売りたい、需要を減らしたくないという思いがありました。1,970万トンは、つまり1996年度の実績数字なのですね。いわゆる新液石法ができたときです。LPガス業界において史上最高の需給数字だったころをめざそうということで目標にしました。

 実は第1回目、2回目のほうでは2,300万トンなど、大きな目標数字を出しています。でもまったく実行出来ず、常に右肩下がり。需要が下がる要因はいろいろありますが、そういうなかで第3回目は、史上最高の実績数字を何とかリカバリーできないかという思いでつくりました。エネルギー基本計画のなかでも、LPガスの地位は徐々に高くなり、災害に強い“最後の砦”と言われるようになったのもそのころです。

 そして今回、エネルギー基本計画の見直しがあり、2030年、2050年をめざすという議論になりました。私たちはどうするべきか。最初は2050年をベースにして考えようという話もあったのですが、検討しなければいけない要素が多過ぎて、さすがにそこまで読み切れません。ですから2025年という区切りの年をベースにしながら、どうすべきかをつくったのが、今回のビジョンになります。

 大きく5つの取り組み方針があります。まずは「需要拡大に向け克服すべき課題と取り組み」。2つ目は「LPガスの安定供給」。これは我々の使命で、非常に重要な要素です。3つ目は「効率的かつ強靭な物流体制の構築」。現実問題としては充てん所からローリーの配送部分になりますが、やはり必要な要素だということで取り入れています。

 4つ目は「環境への取り組み」。CO2ゼロと言われる時代に入り、環境問題にどう取り組むかということは、業界団体として当たり前です。最後に、「品質及び安全確保のための取り組み」。これは元売りの問題で、皆様に直接どうこうということではありません。元売りの使命もふくめて、これらのことを取り組み方針としています。

税制・LPガス産業育成の政策に関する対応

業界要望を整理し、課題解決を求める姿勢を堅持

 そういうなかでの問題意識としては、まず他燃料と比較して公平な扱いを要望すること。他燃料とは天然ガスです。我々は常々「天然ガスとイコールフィッティングしてほしい」と言っています。自動車取得税・重量税等を天然ガス自動車と同等にしてほしいといったことですね。

 そして、需要拡大に向けた克服すべき課題・取り組みについて。これに低炭素が絡んできます。皆様に実際やっていただいている事業の内容としては、エネファーム等機器の販売促進、GHP(業務・産業用)、燃料転換、コージェネ・非常用発電機、FRP容器の普及促進などです。元売りが考えることですが、LPG燃料船の検討等もあります。これはLPガスを動力にする船のことです。

 また、安定供給の維持。これには石油備蓄法があります。民間備蓄義務日数の見直しなどですね。50日が40日に見直されています。ほかにも、民間備蓄の弾力的運用や国備放出のルール化。国備放出のルールというものがなく、3.11のときは大変だったので、検討されています。そして「供給連携計画」への対応。皆様のなかにも中核充てん所をやられているところもあると思いますが、連絡網をどうするかといった対応です。

 効率的かつ強靭な物流体制の構築として、災害対応の強化では、非常用電源車などの訓練をやっています。本来なら、輸入基地に非常用電源を持たなければいけませんが、元売りは貧乏なので、非常用電源車というものを国の補助金で買ってもらい、4台配置しています。何かあった場合にはこれを使い、ローリー出荷をきちんと行うという形です。

災害対応型バルクの設置拡大補助もあります。実際に設置するのは皆様ですが、日協はその補助金をきちんと取得する役割です。それは日協や、全国LPガス協会、日本LPガス団体協議会(日団協)がやることです。補助金や石油流通課の諸施策について、………本文の続きを読む>>>

需要が多く供給が少ない“戸建賃貸”これからの投資物件の主役に

講師:株式会社洋館家本店/株式会社未来の住まい館 生澤 貴広

動画ダイジェスト版

はじめに

 今日は、私ども洋館家本店の会社案内と、戸建賃貸の事業案内、および商品紹介をさせていただきたいと思います。

 洋館家本店は栃木県鹿沼市西茂呂にございます。事業内容は戸建賃貸住宅およびデザイナーズ規格住宅を主とした企画の立案、加盟店の販売支援を行っています。ただいま会員が北海道から沖縄まで、全国に1,666社あります。その他、栃木県内では一般的な建築請負業をやっております。

 グループ会社は、会員様向けの資材販売等を行っている株式会社未来の住まい館。そして株式会社晃南開発という会社もあり、栃木県を中心とした不動産業を行っています。こちらが弊社の前身であり、よくある“街の不動産屋さん”からスタートしました。そして12年ほど前、戸建賃貸を中心とした建築業として洋館家本店を立ち上げました。

市場の変化と現状

2030年には2,166万戸が空き家に

 私どもがなぜ戸建賃貸に取り組んでいるのか。それには市場の背景と変化があります。戦後は国の時代、成長期は企業の時代、そしてこれからは個人の時代です。ですから、価値観を重んじます。「量」から「質」、そして「価値」へと変化しています。

 戦後は住まいの供給が不足しておりましたが、時代の変化に伴い供給過多となってまいりました。賃貸といえども、質が選ばれる時代となってきたのです。今後はさらに価値が求められる時代になってきたと思います。

 簡単に言いますと、都市部は別にしても、1Kでも1LDKでも、建てればすぐに入居者が見つかるという時代は終わっています。賃貸といえども質が求められる時代となり、今後はマイホーム同等の価値が求められる時代がきています。

 賃貸市場の現状ですが、現在の空き家は820万戸。そのうち、430万戸が賃貸物件と言われています。この数字は2030年に、2,166万戸になると言われています。その後、3件に1件が空き家となるのです。

 しかし、この数字はほとんどが共同住宅で、築25年以上のものです。いわゆる「量」の時代に求められ、役目を果たした住宅です。ですから私どもが特化している戸建賃貸はまだ需要があり、質と価値に変化していく時代に求められている住宅だと思っています。

質と価値の住宅

 おかげ様で、北海道は札幌市、九州は鹿児島市にわたり、弊社の戸建賃貸が建築されています。戸建賃貸は供給が足りておりませんので、入居率は非常に高く、9割9分といったところです。集合住宅のように、壁1枚隣が他人ではないので、プライバシーや自分の空間が保たれる戸建賃貸は非常に需要が高いです。たとえばガレージ付きといったものも、賃貸住宅として商品化しています。こういった物件は、戸建賃貸特有の、趣味に合わせた「質」と「価値」の住宅であると言えると思います。

 現在、鹿沼市の隣、宇都宮市というところで建築中の戸建賃貸があります。新築の時点で「ペット共生住宅」として入居募集をします。従来のペット可は、空室が出たときの、一つの入居斡旋策としてやっていました。しかしこちらは最初からペットと住みたい方のために、フロアの仕様を一部変更しています。現代は子どもの数よりペットの数のほうが多いと言われています。ですからファミリー向けの賃貸住宅があるように、ペットを飼っている方向けの賃貸住宅をつくっています。

 こちらはまもなく完成となります。宇都宮市では、駅から少し離れた場所での一般的な戸建賃貸は約10万円が家賃相場ですが、………本文の続きを読む>>>