第149回タスクフォース21
2022.2月例会

講演録

近年発生しているLP法に係る事故の解説

講師:高圧ガス保安協会 液化石油ガス部 佐野 尊

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はじめに

 このたびは、講演の機会をいただきありがとうございます。私ども高圧ガス保安協会では、経済産業省の委託事業として、液化石油ガス法、いわゆるLP法に係る事故の統計・分析だったり、事故の調査などを行っております。本日は、「近年発生しているLP法に係る事故の解説」と題し、最近のLPガス事故の傾向や、死亡事故などについて解説させていただきたいと思います。

 まず「近年のLP法に係る事故の動向」についてお話します。2つ目に「LP法における死亡事故について」。2020年、2021年の半年のうちで、LP法に係る死亡事故が2件立て続けに発生しましたので、そこに焦点を当ててお話したいと思います。

 3つ目、4つ目にはその死亡事故、具体的には福島県郡山市の飲食店で発生した漏えい爆発・火災事故、次いで、飲食店における事故の状況をお話します。そして秋田県の一般住宅で起きた、雪害に起因すると思われる漏えい爆発・火災事故について説明したいと思います。

近年のLP法に係る事故の動向

LP法に係る事故の件数

 1991年から2020年までの30年間におけるLP法に係る事故の件数、死者数、負傷者数をグラフ化したデータがございます。これを見ますと、2020年に関しては192件の事故が発生しており、残念ながら死者1名、負傷者29名です。ただ負傷者数は顕著に減少していることがわかります。とくに、2020年の負傷者数は29名で過去最低を記録しております。死者についても、昔に比べると0~1名に推移しており、非常によい状況になってきています。これもひとえに、LPガス業界の関係者の方々、行政の方々のお力添えや努力であると認識しており、敬意を表したいと思います。

 ただ残念ながら、2020年7月には福島県で、2021年1月には秋田県で死亡事故が発生しています。とくに2020年の福島県の漏えい爆発事故は、合計20名の死傷者が出てしまい、近年でもまれに見る大きな事故でした。半年間で2件の死亡事故が発生してしまったことで、………本文の続きを読む>>>

イワタニの水素事業

岩谷産業株式会社 首都圏支店 中西 健太

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はじめに

 このたびはタスクフォース21の皆様の貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。本日はイワタニの水素事業についてのご紹介ということで、当社が水素に対してどういう取り組みをしているのか、動画を交えながらご紹介させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まずは動画をご視聴いただきたいと思います。こちらは、2021年9月に開催された「日経 社会イノベーションフォーラム」で当社の水素本部の責任者が講演した様子です。こちらでは、当社の取り組みがわかりやすく解説されていますので、ぜひご覧ください。………本文の続きを読む>>>

LPガス業界でのSMS活用事例と今後の展開

講師:株式会社FunFusion SMS事業部 梶山 拓郎

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はじめに

 本日はどうぞよろしくお願いいたします。昨年10月、NTTコムオンライン様のプレゼンがあったとお聞きしておりますが、弊社は中小企業向けに特化しておりますので、BtoCの細かな事例にも対応させていただいております。そのため、本日はLPガス事業者様の事例や、近い企業様の事例といったところもご紹介したいと思います。

 本日はまず、会社案内と自己紹介の後、ショートメッセージサービス(SMS)について簡単にご説明します。そしてLPガスの現場での活用事例をお話しした後、それに近い業界での成功事例をご紹介します。さらにSMSサービスが今後どうなっていくかというお話の後、緊急SMSについてもご紹介させてください。

 弊社は株式会社FunFusuionといいます。NTTコムオンライン様と同じようにSMSを扱っております。NTTコムオンライン様はデジタルマーケティング等にも力を入れていらっしゃいますが、弊社はSMSサービスに特化した企業です。特徴としては、毎年新卒を採用しており、全国から集まった20~30代のスタッフで活動しています。

 一番力を入れているのはサポートです。胸を張っておすすめできるところですので、もし導入いただいた際には、しっかりとサポートを行うことを誓わせていただきます。

 私は2008年に親会社の株式会社fonfunに入社しました。主力サービスであるリモートワーク、つまりテレワークに特化したツールの企画・営業を担当していました。2012年に子会社のFunFusuionがSMSサービスを立ち上げて営業を開始したことで、ケーブルテレビ局、不動産賃貸管理会社、ガソリンスタンド、歯科クリニック、ネイルサロンといったところでのSMSサービス導入、活用促進を担当してまいりました。導入開始から実際に効果が出るまでのサポートを200社以上担当させていただいております。

 そしてここ数年は、LPガス業界のDX化という話が多いなかで、SMSサービスの導入、実績が増えてきておりますので、注力させていただいております。「プロパン・ブタンニュース」や「月刊LPガス」といった業界紙にも広告や記事を出させていただいております。どうぞ弊社名、サービス名だけでも覚えていただければ幸いです。

SMS(ショートメッセージサービス)について

SMSの概要

 それではサービスのご紹介です。SMSについては、皆様もご利用いただいたことがあるかもしれません。ショートメールという呼び方は、ほかにもCメールといった名前があったと思います。これらは2011年にキャリア間でのやり取りが可能になりました。それまでは、………本文の続きを読む>>>

12月例会・津田維一氏(富士瓦斯社長)講演から学ぶこと

講師:エネルギー事業コンサルタント 角田 憲司

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はじめに

 皆様、こんにちは。12月の例会で津田社長にためになるお話をしていただきましたが、対談では、今後のことを中心にうかがいました。一方、津田社長が世田谷という地域、都心のLPガス事業者としてやってこられたことに、経営戦略上の意味があるのではないかと思ったのですが、対談では、その部分を深く突っ込むことができなかったため、私のほうで類推し、分析を試みました。私の分析であり、私ならこう理解するというものですので、その点ご了承のうえお聞きいただければと思います。

「都心戦略」の意味

 12月例会の講演では、津田社長が「都心戦略」とおっしゃっていました。ここを経営戦略的、ビジネススクール的にまとめてみました。対談の中でも津田社長がおっしゃっていましたが、この四半世紀の間に、多くのLPガス事業者が見学・視察にこられた。でも大半の方に「都心だからできるんでしょう」と言われる。すなわち、都心という地理的特殊性を意識しすぎて、津田社長がやってきたことは自分たちにはできないだろうと理解される方が多いというお話でした。

 しかし、よく考えてみれば、学ぶべきところがたくさんあります。これには、2つの論点があります。1つ目は、富士瓦斯が当時おかれていた環境を理解し、どういう打ち手を講じたのかということをビジネススクール的に考察すること。

 富士瓦斯が選択したのは、経営戦略論的にみて、同業他社とは異なる戦略でした。12月例会で講演いただいた内容です。では、これはどんな戦略だったのでしょうか。そして、その戦略はこのカーボンニュートラル時代、人口減少・過疎化が進むこれからの環境に当てはめると、どんなことに気づくでしょうか。

 地方圏で進む過疎化により、多くのLPガス事業者が悩んでいると思います。私のほうにも、そういったお話をいただくことがあります。津田社長の講演から、これについてのヒントがないかと考えました。………本文の続きを読む>>>