第150回タスクフォース21
2022.4月例会

講演録

Z世代の新入社員育成ポイント

講師:キャリアコンサルタント 桑田 真理子

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はじめに

 本日、「Z世代の新入社員育成ポイント」というテーマでお話をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 毎年新人を迎え「うちの会社はどうしていこうか」と考えることは非常に重要です。社員育成に長くかかわってきた中で、私自身も「変わってきたのかな」とひしひしと感じています。新入社員をどう育てていくかは、今後の会社の発展にもつながりますから、ポイントをお知らせできればと思っています。

 まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。キャリアコンサルタントという仕事をしていますが、もともとは法学部法律学科を卒業し、就職難ということもあり、理系のIT企業に就職しました。そこではインストラクターやプロモーション、教育担当もしておりましたが、途中からは社内初の女性営業となりました。当時は女性が営業をするのは珍しかったのですが、実際にお客様の話を聞かせていただいたりしていました。

 そういった経験も生かしながら、企業の中で研修をさせていただいたりしていました。今はキャリアコンサルタントとして企業向けには1人ひとりお話をうかがったり、研修を行わせていただいています。企業向けだけではなく、大学でも就職活動支援を行っています。大学にはキャリアセンターというものがありますが、そこで大学生が就活に向けて「エントリーシートをどう書いたらいいのかな」「面接はどうしたらいいだろう」「企業は何を求めているんだろう」とたくさんの悩みを抱えていますから、いろいろとお話をさせていただいております。これから新入社員になる人たちの本音も聞けるので、そういったこともご参考いただけるのではないかと思います。

 ですから学生に対しての面と、新入社員研修での現場の面、両方の立場からお話できればと考えています。

 本日は、大きく分けて4つのお話をいたします。1つ目は、最近の新入社員の動向について。私も長く新人研修に携わらせていただいておりますが、変わってきています。「あれ?」と思うようなこともありますから、そういったこともお伝えしていきます。大学生のこともお話しながら、情報としてお伝えしていきたいと思います。

 2つ目は、Z世代についてお話します。最近よく「Z世代」と聞くのではないでしょうか。 そして3つ目は、そのZ世代の特徴です。後ほどお話しますが、やはりデジタルの爆発的な発達によって、今までの発展とは違うスピードで進んでいますから、とても特徴的です。  最後に4つ目として、新入社員を育成するにあたって、実際にどう気をつければいいのかというところです。

最近の新入社員の動向

若年者の定着

 一般的なデータの他にも、研修の現場で感じることも含めて、リアルなお話をお伝えしたいと思います。少しネガティブな話になってしまうかもしれませんが、実際にどんなことが起きているのか、厚生労働省のデータから見てみます。

 新規学卒者の就職率と、就職後3年以内の離職率のデータです。最近の若者はすぐに辞めてしまう……とはよく聞きますが、「七五三現象」という言葉をご存じでしょうか?………本文の続きを読む>>>

LPガスに関する新聞報道についての論点整理

半蔵門総合法律事務所 弁護士 野﨑 修

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各記事の概要

「LPガス代設備上乗せ」(2021年12月30日付)

 本日は、朝日新聞の記事から論点を解説させていただきます。皆様もご覧になっていると思いますが、各記事の内容をざっと見たうえで、どういった問題意識のもとに書かれているのかをご説明したいと思います。

 2021年12月30日付の「LPガス代設備上乗せ」という記事です。小見出しとして「業界慣行 内訳説明義務なし」とあります。戸建てについては無償配管ではなく貸付配管、集合については無償貸与という言葉を使っています。

 戸建てであろうと、集合であろうと、不動産会社は、設備費用の負担を免れる。つまりガス事業者に無償で設置させるということです。消費者はガス料金に上乗せし、実質的な設備費用分を支払う。ガス料金に何が入っているかの説明義務はなく、その結果、北海道の調査ではガス料金の格差が2倍超に広がっているという実態を記載しています。

 経産省、国交省は、集合住宅におけるガス料金の事前開示のお願いを出したけれども、法的義務ではなく努力目標として定められている。そもそも貸付配管、無償貸与の慣行の見直し、つまり廃止するなり、是正するなりといった請求を国は出していないということですね。

 慣行の廃止について、全国LPガス協会は、ガス会社は住宅会社の下請けであり、求められたら飲まざるを得ないと言っている。難波弁護士は経産省に対して、不透明な契約慣行を廃止するよう指導すべきという提言をしている。……こういったことが書かれています。

 続けて同じ記事ですが、「割高ガス気づけぬ構造」という小見出しです。北海道のガス事業者に対し、集合住宅の給湯器、エアコン、灯油ストーブ、紹介料、オーナー自宅にロードヒーター、清浄便座、インターホン、無線LANが供給の切り替えの条件として提示されたという例もある。その紹介されたガス事業者は断ったようですが、賃貸が主力の零細業者は、顧客を囲い込むために、このような勧誘を断るのが難しいのではないか。

 価格面で太刀打ちできない零細業者にとっては、無償設置は数少ない販売ツールであり、建売住宅の貸付配管は、住宅会社の負担を軽減し、収益を下支えしている。

 わかりにくい料金体系のため、本来支払うべき設備利用料を超える額を支払っている消費者も多いと見られる。ここはとくにデータがなく、そういった人が多いのではないかという指摘です。

 貸付配管、無償貸与については1999年、独禁法上問題が生じるおそれがあるとし、経産省も無償配管を撤廃すべきだとしたということがあります。ただ1999年当時は、無償配管と呼ばれていましたが、切替がなされた場合に、契約書もないのに配管代を払えというようなトラブルを例示としてあげたうえで独禁法違反だと問題提起したので、………本文の続きを読む>>>

契約業務DXがもたらす企業価値の向上~DAISO法務の挑戦~

講師:株式会社LegalForce 代表取締役CEO 角田 望

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はじめに

 本日は契約業務のDXというテーマでお話をさせていただきます。まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。LegalForceの代表を務めております角田と申します。2013年に弁護士になり、企業法務といわれる領域で活動してきました。

 具体的には、たとえば企業間のM&Aだったり、企業間の訴訟、裁判、紛争の解決、あるいは取締役会や株主総会の設計といったコーポレートガバナンス、場合によっては支配権争いといったことの対応です。同時に、さまざまな企業の契約書を作成、チェック、レビューといったことも取り扱っておりました。その後、2017年に法律事務所を創立し、今に至ります。弊社のミッションである「すべての契約リスクを制御可能にする」をもとに、サービスを開発・提供させていただいています。

 弊社のサービスについて、まずは「LegalForce」をご紹介します。契約を締結する前に、本当にその内容でいいかチェックしますよね。そのとき、見落としが発生したり、チェック担当によってばらつきがあったり、丁寧にやろうとすると時間がかかるといった課題があります。そういった課題を解決するために提供しているサービスになります。

 こちらは、取引先から提示された契約書、あるいは新たにつくられた契約書をアップロードしていただくと、AIが網羅的に問題となり得る箇所を示すことが可能です。契約の審査担当の方は、問題となり得る箇所を意識しながら契約書をチェックすることができます。これにより修正作業が早くなり、契約を締結する前の作業のクオリティ、生産性を上げることができます。

 次に、「LegalForceキャビネ」です。こちらは、契約を締結した後、その契約をAIが管理するサービスです。なかなか契約の締結後まで管理ができていないという企業も多いのではないでしょうか。契約は、結んで初めて有効になるものです。守らなければいけない契約上の義務が発生するのも、契約後です。ここをきちんと行っていなかったことが原因でトラブルになったり、不利な状況になったり、取引を解消されてしまうこともあり得ます。そういったことを防ぐAIシステムになっています。

 3つ目のサービスは「LegalForceキャビネScanPlus」です。契約書が紙のままだと、中身を確認したり、きちんと管理したり、参照することにおいて不便が生じます。しかし膨大な紙の契約書を自分たちでPDF化していくというのは、限られたリソースの中では現実的ではありません。そこで、こういったことを弊社にアウトソースいただくといったサービスになります。弊社では、以上の3つのサービスを400名ほどの従業員の規模で展開させていただいております。

皆様にお伝えしたいこと

 近ごろ、よく「DX」といわれますが、どうしても言葉が1人歩きしがちになっています。DXというのは、デジタルトランスフォーメーションの略語で、言葉のとおりデジタル化して、トランスフォーメーションしていくということにはなりますが、実際に何をやっていくのか、それによってどんなことが起こるのかというところまでは含まれていません。DXのその先に何があるのかということは、これを行っていく私たちがしっかりと考えていかなくてはいけないと思っています。

 世の中にはさまざまなDXが存在していますが、私たちが注力している契約という領域において、紙からデジタルにシフトしていった先に、どんなよいことがあるのか。それを日々考えています。その中で生み出した答えが、本日お伝えしたいことになります。

 まず、契約業務をデジタル化する意味とは何でしょうか。………本文の続きを読む>>>