第164回タスクフォース21
2024.8月例会

講演録

第164回例会ダイジェスト

足元のLPガス情勢およびLPガスのカーボンニュートラル

講師:アストモスエネルギー株式会社 関東支店 中嶋 和之

動画ダイジェスト版

原油価格動向

上昇要因と下落要因

 本日はLPガス情勢を中心に、最後にはカーボンニュートラルの動向についてもお話させていただきます。
 まずは原油価格動向です。ご承知のとおり、LPガスは原油を生産する際に随伴して生産されるため、原油価格の動向はLPガス価格に大きく影響を与えます。

 2024年4月末~6月中旬までの原油価格の推移を見てみましょう。価格の上昇要因としては、ウクライナのドローン攻撃により、ロシアの複数の石油関連施設が稼働停止したこと。そしてイスラエル、レバノンを拠点とするヒズボラとの戦闘激化や、アメリカの夏場のドライブシーズン本格化で石油需要増への期待上昇といったことがあります。価格下落要因としては、イギリス・フランスでの総選挙を控え、与党敗北の観測から、欧州経済の先行き懸念が高まったということがあります。結果として、7月5日にイギリスで政権交代がありました。

 総じて、中東情勢やロシア問題などの地政学的リスクが原油相場を引き上げる要因となる一方で、景気減速見通しや、中東産油国の減産動向が原油価格を下落させる要因になっております。

OPEC+協調減産動向

 次に、OPEC+による協調減産動向です。協調減産や自主減産など、各国がさまざまな減産をしているのでわかりづらいのですが、現行は、2023年1月からの200万BDの協調減産、2023年5月からの166万BDの自主減産、そして2024年1~9月の220万BDの追加自主減産があります。この追加自主減産については、2024年10月から1年をかけて段階的に解消となりますので、2025年10月からは200万BDの協調減産と166万BDの自主減産が残る形となります。つまり366万BDの減産となる見込みです。

 協調減産、自主減産が維持されるなかで、アラブ首長国連邦が30万BD増加する予定ですので、差し引き336万BDの減産です。次回は8月にOPECの会合が予定されており、閣僚級の会合は12月の予定になっています。

LPガス需給動向と価格動向

輸出状況

 それでは、LPガス需給動向についてお知らせいたします。まずは輸出状況です。2024年は主要輸出地域の米国、中東において大幅な輸出増は計画されておらず、緩やかな増産を見込んでいます。

 まずアメリカですが、2023年に複数のターミナルが完成し、輸出が増加しています。2022年は450万t程度の月が多かったのですが、2023年は後半にかけて500万tを超える月が出てきています。2024年も堅調に推移しており、毎月550万t弱を出荷する見込みです。

 中東においては、2024年第一クォーターに定修が多くありましたので、350万t程度の輸出でしたが、………本文の続きを読む>>>

採用難に勝つ(克)! 中小中堅企業の採用改善

PrimoPinguino株式会社 代表取締役 木下 峻一

動画ダイジェスト版

はじめに

 本日は「採用難に勝つ(克)! 中小中堅企業の採用改善」というテーマでお話をさせていただきます。

 最初に自己紹介いたします。私はPrimoPinguino株式会社の代表取締役として中小企業や中堅企業の採用を改善する仕事をしています。コンサルティングと実行支援で採用や人材育成、定着を支援するといった内容です。業界はさまざまですが、採用力を強化したり、採用を改善したり、新たな採用のやり方を0から1にするなど、採用一筋9年の経験をもとに、コンサルティングと実行支援を行っております。

 その一方で、セミナーを通じて中小中堅企業へ採用改善の術について情報提供していくことにも力を入れています。今回タスクフォース21様からご依頼をいただき、皆様の前でお話をさせていただいております。

人手不足と賃上げの動き

採用改善は“待ったなし”

 人手不足について、国が出しているデータを見てみましょう。中小企業庁「業種別に見た従業員数過不足DIの推移」というデータがあります。グラフのゼロから下になっていると人手不足になっている業種ということです。2020年の第一四半期は人が足りていますが、これはコロナ禍で採用を抑制したためです。ところがアフターコロナとなり、社会がコロナに順応していくようになると、すべての業種がゼロより下になっていることがわかります。つまり、すべての業界において人手不足が起きているということです。

 2024年2月に東京商工会議所・日本商工会議所から発表された「人手不足の状況」によると、3社に2社の中小企業で人が足りていない状況であることがわかりました。

 追い打ちをかけるように、賃上げの動きが加速しています。パートなどが対象になりますが、最低賃金を上げなければならない。昨年には岸田総理が「2030年代半ばまでに最低賃金を1,500円にする」と言っていましたが、おそらく東京は2030年代半ばには最低賃金が1,600円にはなっているのではないかと思います。ここ最近の賃金の上り幅を見ていると、毎年50円くらいずつは上がっていくであろうと予想しています。

 賃上げもしなければならないのに、財源は限られています。それによってほかとの競争にもなってしまいます。課題が多いため、採用の手法が変わってきたり、育成が難しくなってきたという意見をよく聞くようになりました。

 何を申し上げたいかというと、採用改善は“待ったなし”です。私はいまこそ基本に立ち返るべきだと思っており、セミナーやコンサルティングでお伝えしています。

中小中堅企業が陥りがちな失敗

4つのやってはいけないこと

 最初にお話するのは、「これだけはやらないで!」という中小中堅企業が陥りがちな失敗についてです。まず、いきなり有料の求人広告を出すことです。求人広告を出しているけれど、まったく人がこないからテコ入れしてほしいという相談がとても多いです。しかしそういった会社のほとんどが、採用においてどのようなコンセプトを描き、どのように戦略を立てているかということができていません。「採用しなきゃいけない。じゃあ、あの求人広告に出そう」という手段から入ってしまうことで、失敗しているケースが非常に多いです。

 もし、求人広告を出すのであれば、後ほどお話する“4つのS”をしっかりと組み立ててから、………本文の続きを読む>>>