第168回タスクフォース21
2025.6月例会

講演録

第168回例会ダイジェスト

中小企業にエネルギーを LPガス会社のブランドのつくりかた

講師:アイエスジー株式会社 河尻 江真

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はじめに

 アイエスジー株式会社の河尻と申します。本日は「中小企業にエネルギーを LPガス会社のブランドのつくりかた」というテーマでお話しさせていただきます。

 本日のアジェンダは①ブランディングで何が変わったか、②社内向けインナーブランディングの実践、③採用とブランディング、最後に④ブランディングはどの会社にも必要か……の4つです。

 それでは、まず当社についてご紹介させていただきます。アイエスジー株式会社は、千葉県船橋市に本社を構えています。昨年11月末には岩谷産業グループの一員となりましたが、創業は明治17年で、今年で141年目を迎えます。

 続いて、簡単に私の自己紹介をさせていただきます。私は大学を卒業後、広告の制作会社に入社しました。その後転職し、アメリカン・エキスプレスというカード会社に11年ほど従事していました。そこではBtoB、BtoC両方のマーケティングブランドマネジメント等を担当していました。

 その後、2017年当社アイエスジーに入社しました。当時はアイ・エス・ガステムという社名でした。自社では、ブランドの刷新や企業ミッションの策定デザイン・認知まで広く担当しました。

 また1on1制度の導入やシステムコーチングの導入等、従業員1人ひとりに入り込んでいった施策も同時に行っております。

 昨年からは、いままでの経験をもとに、社外の皆様にこのブランド価値を提供していこうと、ブランドのコンサルティングサービスのサポートをさせていただく事業も始めております。

ブランディングで何が変わったか

ウェブサイトや紙媒体

 それでは、当社の事例をもとに少しお話をさせていただきます。まず当社のウェブサイトですが、2017年に刷新しました。続いて会社案内です。こちらはさまざまな会社様でもつくられていると思いますが、当社の2017年当時のものは、悪いわけではないのですが、ガス会社だということがわかりづらいデザインでした。現在は、会社のイメージカラーであるブルーとウォームグレーを使って、形状はジャバラ型のものに変えました。表面をめくると会社の概要になっており、裏返すとそれぞれの事業部の説明が載っています。ジャバラ型なので、商談時の際にもページをめくっていくことなく、簡単でわかりやすく説明ができるという特徴があります。

 そして商品のパンフレットです。こういったパンフレットやチラシというのは、まず捨てられずに手に取っていただき、「なんだろう?」と気付いてもらうことが重要です。そのためデザインを第一に優先し、少し目を引くようなものにしています。そして、その次に「ガス会社からの案内なんだ。どれどれ」と読んでいただく……この2ステップが必要………本文の続きを読む>>>

改正省令本格施行で各県で混乱も 7月特別例会で解決策を模索

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三部料金制実態把握が困難立入検査の実施状況も不明

 情報・意見交換会は「本格施行が始まった改正省令と昨今の業界動向」と題して、7月25日の特別例会(プロパン新聞共催「改正省令セミナー」)での本格的な議論に向け、当日のパネラーでもあるエネルギー事業コンサルタント・角田憲司氏、コネクトエネルギーCEO・境野春彦氏、タスクフォース21幹事・中田英穂氏(東洋計器常務)、同事務局・中川順一氏(ノラ・コミュニケーションズ社長)による論点整理が行われた。

 改正省令の核心である三部料金制について、角田氏は「事業者の現時点での三部料金制の徹底について、対応状況は残念ながら断片的にしか把握できていない」と、現状への懸念を示した。

 関東、近畿、中部地域では本省からのアンケート調査が実施されているものの、全国的な実態は不透明だ。設備料金の設定方法や算定根拠について詳細な調査が行われているが、立ち入り検査の実施状況については情報が不足している。

 「2025年度からの立ち入り検査で都道府県も地方局も連携して2か月が経過したが、実際にどのような確認や指導がなされているか、まったく情報が入ってこない」とも指摘した。

設備料金対応などで各県の指導内容にばらつき

 現場での混乱を象徴するのが、都道府県レベルでの指導内容の相違だ。境野氏は「県によって対応が極めてばらばらで、県の危機管理部門のレベルが低いのが実情だ」と、自身の契約先での事例を踏まえて問題点を指摘した。

 特に深刻なケースとして、ある県では「設備料金はゼロにしなさい。他社もやっているのだからゼロにしろ」という誤った指導が行われたという。

 「これは言語道断で、無償対応がある場合はきちんと外出し表示しなければならない。ゼロにしろという指導権限も存在せず、国の方向性とも異なる」と境野氏は強く批判。厳重な抗議を行ったことも語った。

無償貸与禁止の効果と限界 戸建シフト・集合獲得難

 無償貸与に依存できなくなった事業者の間では、新たな営業手法を模索する動きも見られる。

 一部では紹介料を提示した切り替え提案が行われているが、境野氏は疑問を呈した。「積極的に行われているかは疑問で、実際にトラブルになっている事例はあまり聞かない」。

 一方で、戸建て営業への注力は確実に進んでいる。「戸建て営業への重点シフトは確実に進んでいる」と中田幹事も語っている。  改正への消費者の反応について、境野氏は「1万件規模のあるLPガス事業者では、三部料金制に関する問い合わせがわずか2件だった。消費者の反応はほとんどない」と事例を報告。………本文の続きを読む>>>

地元就職人気企業5位にランクイン 会社は人材の総力以上にはならない

講師:つばめガス株式会社 代表取締役社長 桑原 怜

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 岡山県の「地元就職人気企業ランキング」で今年、第5位に入ったつばめガス。LPガス業界に限らず多くの企業が新卒採用に苦戦するなかで、新卒採用を継続することで社員の65%が20代から30代という若々しい組織になった同社・桑原社長に、採用と離職防止についておうかがいしました。

社長自ら参加 新卒採用のスタート

―― 2025年の「地元就職人気企業ランキング」で第5位に入られました。まず、その反響や効果からおうかがいします。
 地元紙で大きく取り上げられ、ラジオやネットニュースなどさまざまな媒体で広められました。取引先のお客様から「つばめガスさん、やっぱりすごいね」と声をかけてもらったり、社員の家族や知人、親戚からも「そんな企業で働いているんだね」と言われたりと、さまざまな反響がありました。社員たちもこのランキングに入ったということがすごくうれしかったようで、発表された週はとても喜んでいました。

―― 会社の概要を、社名の由来も含め、改めてお伺いします。
 弊社は1950年の創業で、今年で75周年を迎えます。ガスでスタートし、現在は電気事業、光回線事業、不動産事業、保険事業、リフォーム事業、エコ事業、太陽光発電、省水力発電など、衣食住の住の部分をまるごとすべてカバーしたいという思いのもと、事業を展開しています。
 創業時は赤木燃料、後につばめプロパンに社名変更し、1989年につばめガスになりました。近年では総合エネルギーソリューション企業として、ガスだけではなくて幅広く商品を取り扱うことで、お客様の多様なニーズにお応えしています。「つばめ」の由来は、創業当時に運行していた「特急つばめ」に倣っていて、より早くサービスをお届けするという意味です。
 私は2018年に社長に就任しました。そのときも「就職したい人気業ランキング」ありましたが、200位以下。ランキングの表にも入ってこないような状況でした。これから先、人手不足になるというのは目に見えている。ならば、この課題に取り組んでいこうと思ったのが、新卒採用の取り組みのきっかけです。

―― 社長就任後から取り組まれている採用活動の概要と、その評価でもある「地元就職人気企業ランキング」の推移を教えてください。
 2018年からの採用活動の成果として、現在28%が新卒の社員となっています。今年は10名入社、去年は6名、その前は10名。少しずつ新入社員の比率も増え、この割合はさらに増えていくと思います。
 社長就任と同時に新卒採用を開始し、まず合同説明会に参加しました。そのときは、私と総務部の担当者1人の2名の参加でした。新卒採用自体をやってこなかったので、当然ノウハウもないし、私自ら説明会に行って会社のアピールをしました。ほかの企業は総務の担当者や採用の責任者が来て説明をしますから、社長が合同説明会にいるというのは珍しい。でも、いまから思えば、これはよかったと言えますね。社員が学生に「うちの会社、社長が来ているのでぜひ聞いていってください」と言うと、「ちょっと聞いてみようかな」と思ってもらえるようです。
 そのときに出会って採用した新卒の女性が、いま採用の責任者となっています。このときがなかったら新卒採用がうまく軌道に乗らなかったのかなとも思います。
 その翌年からインターンシップも本格的に開始して、採用担当者を専任で置くようになりました。そしていろいろと工夫した結果、採用ランキングも48位まで上がってきました。YouTubeも開始して、「つばめリクルートガールズ」という女性社員2人が、つばめガスの事業やオフィスツアーをする動画の配信を開始しました。また「メンター制度」もこの年から開始しました。
 2021年には採用ランキングが16位になり、Instagramでの採用活動やPRも開始しました。コロナの時期でどこの企業も採用活動に苦戦していましたが、弊社はいち早くオンラインのインターンに切り替えて、すべての採用活動をオンライン上で完結する仕組みをつくりました。………本文の続きを読む>>>