第171回タスクフォース21
2025.12月例会
講演録
ガス会社が地域で愛される存在になる防犯活動と防犯アドバイス
講師:株式会社ネクストライフ 代表取締役 NPO法人安全安心まちづくり研究会 代表 坂本 一成 氏
動画ダイジェスト版
はじめに
皆様、こんにちは。NPO法人安全安心まちづくり研究会の代表をしている坂本です。本日はよろしくお願いいたします。
簡単に自己紹介をいたします。防犯防災アドバイザー、そして講演家として安心なまちづくりアドバイザーという肩書きで、全国各地にて講演やコンサルティング、各種アドバイスに携わっております。2002年に防犯設備士、2024年には防災士の資格を取得し、防犯・防災の普及に取り組んでまいりました。
1997年、人と住宅の防犯アドバイスを介して、個人・地域・企業を対象とした防犯支援や、コミュニティ防犯のサポート事業を開始しました。2002年には福岡県警の防犯設備アドバイザーとして登録され、約4年間にわたり協力を行いました。さらに2006年にはNPO法人安全安心まちづくり研究会を設立し、防犯防災アドバイザーとしての取り組みを本格化させました。
あわせて、ガス会社、百貨店、リフォーム店、塗料メーカー、不動産会社などを対象に、「愛される会社づくり」をテーマとした提案や講演活動も継続しております。
現在は、福岡県知事委嘱の安全安心アドバイザーを務めるほか、福岡市および北九州市の教育委員会から登録・後援をいただいています。福岡市教育委員会の依頼で、小中学校で防犯セミナーの講師も続けています。
また医療機関、社会福祉法人、ガス会社、ハウスメーカー、デパートなどでもセミナーを行い、コロナ禍ではかなり減ってしまいましたが、年間80件ほどの講演をさせていただいております。コンサルティングについては、さまざまなところでやらせていただいているため、詳細は割愛します。
私どもが一番力を入れているのは、社会貢献活動です。地域防犯・防災コミュニティの支援をさせていただいていますが、全国で防犯スポーツ教室という独自で考案した子供向け、女性向けの体験型防犯セミナーの普及をさせていただき、おかげ様で全国に50名ほどのインストラクターが誕生しました。本日は、防犯の専門家として、ガス会社が地域とつながり、顧客に喜んでいただける施策ができればと思い、お話しさせていただきます。
LPガス販売事業者が担えること
体感治安の悪化
法務省が出している「犯罪白書」のデータを見てみましょう。令和4年なので少し古いものですが、犯罪の多い都道府県ワースト10が出ています。1位大阪、2位兵庫、3位東京、4位愛知……となっていますが、皆様の地域はいかがでしょうか。最近、さまざまなところで講演して思うことは、皆様が普段から感じている「なんとなく不安」「なんとなく怖い」という“体感治安”が………本文の続きを読む>>>
能登避難所支援に行って(岡山県LPガス協会・岡山支部会員向けセミナーより)
講師:LPガス災害対応コンソーシアム 理事長 田島 裕之 氏
動画ダイジェスト版
はじめに
皆様、こんにちは。LPガス災害対応コンソーシアムの田島です。私どもはBCP策定、合同演習、そしてBCPのブラッシュアップ等を通じて、それぞれの会社の災害対応力を鍛えるための活動をしています。本日は先般起こった能登半島地震の避難所に行ったときのご報告をしたいと思います。
2020年、いまから5年前のことです。コロナの緊急事態宣言の直前になりますが、「避難所でLPガス事業者ができること」というテーマで、生活用水が不足した際、プールの水を洗浄水として利用するといったことを発表する機会がありました。まずは、そのときの内容からご紹介します。
災害が発生した際の避難所について
不足したもの1位は「生活用水」
災害が発生した際、避難所に人が集まります。阪神淡路大震災では都心部だったため、ぎゅうぎゅう詰めです。熊本地震の際はやや余裕がありました。
こうした避難所の収容能力を見てみましょう。少し古い資料にはなりますが、東京区部では44万人、西部の多摩地区でも11万人分が不足してしまうことになります。
避難所にはさまざまなスペースが設営されます。避難所のレイアウトを事前に確認しておくと「こういうものが必要なのだな」という予備知識になると思いますので、ご覧になっていただければと思います。
避難所に必要な支援は何でしょうか。「熊本地震において避難所での滞在中、不足して困ったものは」というアンケートの回答の第1位は「生活用水」でした。平時は1人1日200ℓほど水を使うそうです。そのうち飲む水はせいぜい2~4ℓであり、残りはすべて生活用水です。災害時でも、1人1日50ℓほどは必要ではないかといわれています。地震や災害によって水道管が破損すれば断水にもなります。また停電時は、水道管が無事でも、中高層の建物では断水してしまいます。
仮設トイレを見てみましょう。断水になると、平時使っているトイレは流せなくなってしまいます。一般的な仮設トイレのタンク容量は400~500ℓほどです。1人1日、少なくとも2ℓくらいのし尿が出るといわれています。収容人数が100人いて、1基しかトイレがない場合、1~2日で満タンになってしまいます。その程度の量のものだという認識を持っていただければと思います。また立川市の例ですが、排水管をタンク代わりに使うアイディアのものもあります。
そして、プールの水の利用です。これは学校の話ですが、断水していても、下水道が健全なら、………本文の続きを読む>>>
BCPの必要条件および地震災害に向けた考え方について
講師:BCPコンサルタント 吉原 敏仁 氏
動画ダイジェスト版
一般事業者とLPガス事業者のBCPの違い
自社の復旧作業だけでなく災害対応を求められる
BCPコンサルタントの吉原と申します。ここ10年強ほど、BCPのコンサルティングや訓練のスーパーバイザーのようなことをさせていただいております。
ではさっそく本題です。3年ほど前にも、このような機会をいただき、LPガス販売事業者のBCPの在り方についてご説明をさせていただきました。そのときの内容と重複もありますが、まずはLPガス事業者に求められるBCPの内容や特徴について、手短におさらいいたします。
BCPとひとことでいいましても、一般事業者とLPガス事業者では少し内容が変わらなければなりません。一般事業者の場合、災害が起こって会社の業務を止めざるを得なくなったら、初動は安否確認や被害状況の確認になります。その後は、優先業務を中心に、もとの状態に戻すという復旧作業を粛々と、速やかに進めることが基本になります。
それに対してLPガス事業者は、自社の復旧作業のほかに、災害対応を求められます。ただ自社の業務をもとに戻せばいいということではないところが大きな違いです。
各都道府県や市町村が災害対策基本法に基づき義務付けられている地域防災計画があります。大きな災害が起きたときにどう対応するのか、そのために日ごろからどう準備するのかといったことをまとめた地域防災計画を必ずつくっています。そのなかでも、LPガスをはじめ、電気、水道、都市ガス、通信などの公共性の高いサービスを提供している事業者に対して、自治体から「災害が起こったときはこうしてほしい」という努力目標のような要求事項が明文化されており、LPガスもそのなかに含まれています。
たとえば2024年に岡山県で更新された地域防災計画の地震・津波対策編を見てみますと、LPガス事業者に対する要求事項が載っています。
余談になりますが、地方公共団体が地域防災計画のなかに記している各種対策は3段階あり、1番目が予防対策、2番目が応急対策、3番目が復旧対策になります。予防対策は、災害が起こる前に、実際に起こったときに少しでも被害を少なくするためにあらかじめやっておく準備です。応急対策は、いざ自然災害が起きた後でどのような対応や活動をするかというものです。
岡山県の応急対策を見てみると、充てん所を持つLPガス製造事業者にしてほしいこと、またLPガス販売事業者にしてほしいことが載っています。販売事業者の応急対策を見てみると、1つ目に「被害状況の調査・報告」とあります。これは自社および自社のお客様の被害状況を速やかに把握しまとめて、………本文の続きを読む>>>