省令改正関連情報
液化石油ガス流通ワーキンググループ(WG)第11回
資源エネルギー庁は2025年3月19日、液化石油ガス流通ワーキンググループ(WG)第11回会合を開催し「液石法等との関係で問題となる行為や望ましい行為の考え方、取り締まり等の方針」案を了承しました。この内容は、今後「取引適正化ガイドライン」に反映されます。以下、事務局(資源エネルギー庁燃料流通政策室)の説明内容をまとめました。
第11回 総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 石油・天然ガス小委員会 液化石油ガス流通ワーキンググループ「開催資料」
「2025年4月2日例会・意見交換会角田氏資料」
① これまでの立ち入り検査
- 改正省令を施行した2024年7月以降、71自治体で約3,000件実施
② 三部料金制(基本料金・従量料金・設備料金)の徹底
- 設備費用を外出しで表示する三部料金制を徹底する
- 2024年4月2日以降の新規契約では、設備料金の新設は禁止
- 既存契約では、設備料金を外出し表示する
- 無償貸与契約が存在する以上、「基本・従量料金の中に、それらを回収するための金額がまぶされていたはずであり、0円はあり得ない」という前提で説明が求められる
- 「経営努力による無償化」や「他社より安価」といった説明のみでは消費者から費用を回収していないとは言い切れない
- 固定資産台帳などの経理書類で、減価償却や経費処理が行われるかどうかを確認していく
③ 三部料金の通知と記載方法
- 新規契約・既存契約とも、基本料金・従量料金・設備料金の3項目に分けて、料金通知を行うことが必要
- 従量料金のみの請求でも、基本料金・設備料金の項目を設け、「0円」または「該当なし」とする
- 請求書備考欄に設備料金を記載するのは不可
- 「料金設備なし」のハンコでの対応も不可
- 金額の内訳として、基本・従量・設備料金を表記することが求められる
④ LPガスと関係の費用のない設備の削除禁止【新規契約】
- 電気エアコン、Wi-Fi機器、インターホンなどの費用はLPガス料金に入れることはできない
- LPガスの消費関係にない費用をガス料金で回収してはならない
⑤ 賃貸住宅における消費費用設備の禁止【新規契約】
- 給湯器やエアコンなど、賃貸住宅に設置された設備の費用をLPガス料金に入ることはできない
- 上記の設備費用は、本来のオーナーが家賃として回収すべきもので、LPガス料金として回収するのは不適当
⑥ 過大な営業行為について
- LPガス事業者の切り替えを実質的に制限する行為かどうかが評価の基準
- 特に賃貸集合住宅のオーナー等への利益供与をより厳しく評価
- オーナーなどに販売した設備の支払い猶予、設備の保証料をLPガス事業者が別名目の利益を供与して相殺、LPガス事業者がLPガス容器置き場代金を支払うなどの行為は、合理的な理由があるかに重点を置いて説明を求める
- 「通常な商慣習を超えた」利益供与かどうかは、金額ではなく内容で判断
- ガイドラインでは「他の事業分野の事例」と比較して評価する
⑦ 無償貸与設備の残存簿価格引き継ぎについて
- 改正省令の施行前に結んだ賃貸集合住宅オーナーとの無償貸与契約は、ほかのLPガス事業者による承継や残存簿価による買い取りについては厳しく対応する
- 無償貸与された設備を、他のLPガス事業者が買い取る行為は法令違反の可能性があり、原則として「認めない方向」
- 切り替え時には、無償貸与の精算や適切な対応を指導した事例もある
- 無償貸与という商慣行自体の見直しが求められているので、過去の無償貸与も、契約更新の機に見直すことが望ましい
⑧ LPガスボンベ賃借料について
- LPガスボンベの置き場に対して賃借料を支払う行為が問題視されている
- 「土地代的な適切なら認められるのでは」との意見に対し「合理的な理由があるかどうか」が判断基準(例:レンタル家具屋のソファーが建物に置かれていても、場所代の支払い義務はない)
- LPガスボンベは建物使用者のために置くので、置き場料金の合理性は疑問(戸建て住宅でボンベ置き場代をとる例はない)
「LPガスのアンケート商法」の注意喚起を
4月の改正省令施行を前に「LPガス料金の調査」などと称し消費者訪問を行う切替業者が、首都圏を中心に現れています。これは典型的な「アンケート商法」で、特商法に違反する悪質な訪問販売です。4月からの改正省令・3部料金制義務化の施行にあたり、料金問題などでお客様に誤った情報が伝わったり、悪質なブローカーの間でお客様情報が交換されることがないよう、チラシ投函等でお客様に注意喚起を行いましょう。
事務局では、会員の要望により注意喚起チラシのサンプルを作成しました。印刷手配のほか、データ(改変自由)で頒布しています。
改正省令ガイドライン等パブコメの結果公示
経済産業省資源エネルギー庁は7月2日、「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針(案)」(改正省令ガイドライン)等に対する意見公募の結果公示を行いました。
「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針(案)」に対する意見公募の結果については提出意見数41件、関連した「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の運用及び解釈の基準について(案)」については、提出意見数5件となっています。
「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針(案)」に対する意見公募の結果公示
「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の運用及び解釈の基準について(案)」に対する意見公募の結果公示
商慣行是正の改正省令が公布
経済産業省は、2024年4月2日、LPガスの商慣行是正に向け、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令を公布しました。改正骨子は(1)過大な営業行為の制限(2)三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)(3)LPガス料金等の情報提供で、(1)と(3)は今年7月2日施行、(2)は2025年4月2日施行です。
なお、4月5日には、「パブリックコメントに寄せられたご意見と考え方」も公開、4月19日には液化石油ガス流通ワーキンググループの「中間とりまとめ」も発表されています。
《参考》省令改正関連サイト
省令改正公布(資源エネルギー庁ニュースリリース)
省令改正新旧対照表
改正省令の概要
液化石油ガス流通ワーキンググループ
パブリックコメントに寄せられたご意見と考え方
LPガス商慣行通報フォーム
知っておきたい「LPガス」の商慣行
2024年2月特別例会|エネ庁・日置室長の講演内容
夏までに予定のガイドラインは “考え方”の提示
2024年2月7日に東京都港区の航空会館で開催された本会・タスクフォース21の第161回例会(2月例会)での資源エネルギー庁資源・燃料部燃料流通政策室の日置純子室長の講演内容は以下の通り。
定量的基準提示は独禁法上難しい
日置室長は、省令改正について「過大な営業行為の制限」「三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)」「LPガス料金などの情報提供」に罰則も含めて盛り込むととともに、通報フォームや関係省庁との連携で実効性を確保していくことを説明。さらに、「LPガス事業者、不動産関係者も含めた業界の自主的な取り組みが推進されていく中で、商慣行改革を進めていきたい」と強調した。
夏までに策定予定の改正省令ガイドラインは、“考え方”を示す内容になるとし、例えば、過大な営業行為の中身を金額、期間などで定量的に示すことは、独占禁止法の観点から難しいと述べた。現時点における整理としては、そのままガイドライン化しないことを前置きした上で、「LPガス事業者の切り替えを容易とすれば、過大な設備貸与や紹介料など、1回限りの利益供与を行うインセンティブは自ずとなくなる」「継続的な利益供与(例えば LPガスボンベ設置スペースの賃借料、LPガス料金の一部のキックバック、不適当な広告宣伝費など)は、それ自体が契約切り替えの障壁となり得るため、そうした行為は特に望ましくないものとして位置付けることが考えられる。フリーメンテナンス契約も同様と考えられる」「ブローカーや仲介会社に対する成功報酬も、オーナーに対する利益供与と同様に望ましくないものとして位置付けることが考えられる」と例示した。
ガイドラインの解釈・運用に当たっては、「LPガス事業者が個々の営業行為について、法令に違反しないと自信を持って、しかも対外的に第三者から“それは大丈夫だ”と言ってもらえるかどうか、そういったことを常に問いかけ続けながら業務に当たってほしい」と要請した。
液石流通WGなどを通じた商慣行改革動向のモニタリングは、「今回の制度改正をやりっぱなしにしないということに尽きる。少なくとも3年間は今何が起こっていて、何が変わっているのかをしっかり見ていく」と述べた。
戸建ての貸付配管は、今後の新規の契約で行わない方向で取り組んでいくことが期待されるという取り扱いにとどめる。ガイドラインでは、建物所有者と配管所有者を一致させることが、トラブルを防止する望ましい行為として位置付ける考えを明らかにした。貸付配管自体は、液石法で認められていて広く定着している制度であることから、状況を今後モニタリングして、例えば3年後に制度改正の要否も含めて検討していくとした。
機器・設備貸与はガス外ビジネス
講演後の質疑応答では、会場のLPガス事業者などから実務面の対応を確認する質問がさまざまに出た。
日置室長は、改正省令施行前の既存契約における無償貸与費用の回収について、改正が過去の契約にさかのぼって適用されないとし、請求内容から設備費用を外出した後も従来の料金水準のまま回収できると説明した。一方、既存契約でも新制度に移行することが望ましいと指摘。新制度への移行に際しては、オーナーや入居者による買い取り、オーナーあるいは入居者とのリース契約などさまざまな契約形態が考えられることを挙げ、「LPガスのビジネスとは実質的に別ビジネスといった形で設備費用を回収すること自体は、通常のビジネスとして正当化される」と強調した。
全国LPガス協会の「LPガス販売指針」の取り扱いについては、業界の自主ルールとして定められている性質上、エネ庁側から改正の指示などは行わないものの、「今回ルールが変わっていく中で見直すべきところがあるなら、見直していただくことが望ましい」とした。液石法に基づく14条書面は、既存契約について再交付の必要性はないものの、新規契約では、改正省令の中身を反映したものにすることを求めた。
三部料金制の徹底について、基本料金、従量料金、設備料金の内容基準を設けるか否かを問う質問には、今回の省令改正が、LPガス料金として消費者に請求するのに不適切な設備費用が紛れ込んでいる状況を解消することに焦点があることを説明。「取り締まりの場面では、消費者に見えない形で何か違う費用が入っているという不適切な状況を正していくといった、今回の改正目的に照らして考えるのが、判断基準になる」と答えた。
オーナーとの関係を見直す契機に
本会は本講演の質疑も踏まえ、賃貸集合住宅での新規・既存契約や賃貸オーナーサービスのあり方について検討、情報交換を重ねていく。また、賃貸オーナーへの設備貸与や提供の当初の大きな目的である、LPガス物件の空室対策支援に立ち返り、オーナーとの関係性やサービスのあり方を考えるべきとも考えている。
本会は、もともと1997年の液石法改正・省令改正に対応し、新交付書面についての検討を始めたことをスタートとしている。LPガスビジョン検討委員会の取引適正化論議の流れを踏まえて、新液石法に沿う交付書面の作成を行う過程で、顧客との契約を明確化するための「販売契約書」「設備貸与契約書」のひな型を業界に提示するなどしてきた。
また配管や機器の貸与についても、既存業者が設備投資した顧客を、対価を払わずに切替する業者に対する対抗策として、設備所有権の明確化の必要を訴えてきた。こうした歴史的経緯や過去の議論を踏まえるとともに、現在と今後の状況変化に対応した販売や顧客との関係づくりについての提言を行っていく。
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