エネルギー業界ニュース

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2021年6月7日

賃貸物件入居前にLPガス料金の情報開示を 国が業界団体に要求

 毎日新聞デジタル版 2021/6/7によると、経済産業省資源エネルギー庁と国土交通省は6月、液化石油ガス(LPガス)や不動産の業界団体に対し、LPガスを使う賃貸物件を入居者らに紹介する際にはガス料金の明示を求める通知を出しました。LPガス料金は、ガス業者が営業経費を上乗せして入居者に請求するケースがあり、不透明だと指摘されていた。入居前から料金を確認できるようにすることで、消費者保護につなげる狙いがあるようです。

 なお、この記事を報じたのは、第131回例会(2018年10月3日)に登壇した毎日新聞・高橋昌紀記者です。

詳しくはこちら

PDF「賃貸物件入居前にLPガス料金の情報開示を国が業界団体に要求」      

参考情報

PDF「各団体対応(料金情報)」      
PDF「賃貸集合住宅における入居前のLPガス料金情報提示の取り組み」      
PDF「全住協_賃貸型集合住宅におけるLPガス料金の情報提供について」      
PDF「エネ庁_賃貸型集合住宅におけるLPガス料金の情報提供のお願い」      

2021年6月

エネファーム、累積普及台数が2020年度に35万台

 家庭用燃料電池「エネファーム」の累積普及台数が2020年度に35万台(都市ガス、LPG仕様合計)を突破しました。エネファームパートナーズ(事務局:日本ガス体エネルギー普及促進協議会)が4月27日に公表しました。エネファームパートナーズでは今後とも、住宅業界、エネファーム製造業界、エネルギー業界の3者連携で、省エネルギー社会、省CO2社会への貢献に向け、さらなる普及拡大に取り組んでいくことにしています。

エネファームの概要

  • 2009年5月に、世界初の家庭用燃料電池として、まずPEFCタイプ(固体高分子形)の発売がスタート。2011年にはSOFCタイプ(固体酸化物形)も販売開始になった。以後マンション向け、停電時発電機能搭載、寒冷地対応、小型化タイプなど、ラインナップの拡充が進んでいる。
  • 自然災害にともなう大規模停電が多発する中、エネファームの停電時発電機能で、停電中も携帯電話の充電や冷蔵庫、洗濯機、扇風機など一部の家電、またお湯がつかえることから、その省エネ・省CO2性能だけでなく、停電時のレジリエンス性も注目されている。
  • LPG仕様機は、PEFCタイプ(定格出力700w)がパナソニックから、SOFCタイプ(同)がアイシン精機から発売されている。
  • コージェネ財団によれば、2020年度の販売台数は48,009台で、うちLPG仕様は7.6%にあたる3,627台。

「エネファーム」普及台数の推移

エネファーム普及台数の推移
「エネファーム」のラインナップ

グリーンLPガス研究会、「グリーンDMEとプロパンの混合方式」提唱

 日本LPガス協会「グリーンLPガスの生産技術開発に向けた研究会」は4月23日、「即効性の手段が当面存在しない中、グリーンDMEとプロパンの混合方式は、速やかな社会実装に向けた有効策であると考えられる」との最終報告を公表しました。

今後の方向性

  • プロパンのグリーン化については、即効性のある形での手段が当面存在しない中で、グリーンDMEとプロパンの混合方式は、社会が求める速やかな社会実装に向けた有効策であると考えられる。
  • 2050年に向けても相当量のLPガス需要が残ると⾒通されるなかで、原料調達面での制約等により、バイオ原料に基づくグリーン化だけでLPガス需要量全体のカーボンニュートラル化を図ることは、困難が予想される。
  • 従って、2050年以降も社会が必要とするLPガスを持続可能なエネルギーとして責任を持って供給し続けるためにも、グリーンDMEとともに、カーボンフリーのLPガス合成(プロパネーション、ブタネーション)による技術開発を並⾏して進め、社会実装に繋げていくアプローチが極めて重要となる。

詳しくはこちら

PDF「グリーンLPガス最終報告_20210423」      

資源・燃料分科会報告書、LPガスは引き続き「国民生活に不可欠」「最後の砦」

 経済産業省・総合資源エネルギー調査会の第32回資源・燃料分科会が4月23日に開かれ、「2050年カーボンニュートラル」宣言、国際的な資源・エネルギー需給構造の変化、国内における化石燃料需要の減少、さらに頻発・激甚化する災害などを踏まえた報告書が了承されました。この中でLPガスは、引き続き①国民生活経済活動に不可欠なエネルギーである、②石油とともにエネルギー供給の「最後の砦」として、平時のみならず緊急時にも対応できる強靱な供給体制確保の重要性は変わらない、と記載されるとともに、③燃焼時のCO2排出が比較的低い、低炭素に貢献できるエネルギーでもあると位置付けられました。

LPガスは「低炭素に貢献できるエネルギー」

位置付け

①引き続き国民生活・経済活動に不可欠なエネルギーである
  • 中東依存が低下し、輸入の多角化が進行。
  • 全国的な供給体制が整備されているほか、備蓄体制もある。可搬性や長期間の保管で品質が劣化しない。
②引き続きエネルギー供給の「最後の砦」として、石油とともに平時のみならず緊急時にも対応できる強靱な供給体制確保の重要性は変わらない
  • 自家発電設備等を有する中核充填所の整備や避難所への燃料備蓄を推進。
燃焼時のCO2排出が比較的低い、低炭素に貢献できるエネルギーである

背景・課題

  • 長期的には、電化の進展や人口減、省エネ機器の普及等により、需要減少の可能性があるが、化石燃料の中ではGHG(温室効果ガス)の排出が比較的低い。このため、中期的には低炭素化推進の観点から、ボイラーや発電機等での石燃料転換需要も期待できる。
  • 災害に強い分散型であり、緊急時に円滑に国家備蓄放出ができる体制の整備が不可欠。
  • 避難所等での燃料備蓄等、災害時の燃料供給に万全の体制を確保することが必要。
  • 一方で、人手不足への対応と、低炭素化を図る観点から、サプライチェーンにおける省エネ化が必要。
  • 標準的な料金の公表では消費者が料金情報にアクセスしやすい取り組みの深化が期待される。

政策の方向性

①LPガスの安定供給確保等への対応
  • 引き続き備蓄の日数を維持すべき。また業界やJOGMECと連携しつつ、国家備蓄放出の業務オペレーションを具体化していくべき。
  • 避難所や医療・福祉施設等の重要施設における自衛的備蓄や災害時にも供給が維持できる中核充填所の新設・機能拡充を引き続き後押ししていくべき。
  • 特に集合賃貸住宅での料金透明化を進めるため、不動産業界等の関係業界と連携した取り組みを促進していくべき。
②LPガス産業のグリーン化
  • 2050年カーボンニュートラルに向け、CO2排出削減や収益力向上を目指し、省エネルギーにも資するスマートメーターの導入促進により、配送合理化等を後押ししていくべき。
  • バイオLPガスや合成LPガス等のグリーンLPガスの研究開発や社会実装に取り組む産業界の取り組みを後押ししていくべき。

販売事業者数、2020年末で17,170者へ減少、5年間で2,344者減る

 経済産業省(ガス安全室)がまとめた2020年(12月末)時点の販売事業者数は17,170者、保安機関数は17,507者となり、前年(12月末)に比べ事業者は433者、保安機関数は453者減少しました。販売事業者数は2015年度末(2016年3月末)の19,514者から、この5年間ほどで12.0%、2,344減ったことになります。

認定販売事業者数は、第一号265者、第二号31者へ増加

 所管別の内訳は、販売事業者が本省47者(前年比+1者)、保安監督部183者(▲7者)、都道府県16,940者(▲427者)、保安機関が本省82者(▲1者)、保安監督部473者(▲5者)、都道府県16,952者(▲447者)。
 また、認定販売事業者は第一号(ゴールド)が265者、第二号が31者で、前年に比べ第一号は23者、第二号は2者増え、充てん事業者数は928者・2,502設備となり、前年に比べ7者・10設備増えました。

詳しくはこちら

PDF「事業者数202012」      

容器流出防止強化に向け、施行規則・機能性基準を見直し

 経済産業省は水害などによるLPガス容器の流出を防止するため、液石法施行規則(省令)と機能性基準の運用を、①10kg以上の容器はベルト、鉄鎖等(現行:鉄鎖、ロープ等)で家屋等に固定する、②浸水の恐れのある地域はさらに、ベルトまたは鉄鎖が外れにくい固定金具を使用するか、容器収納庫に保管するよう改正する予定です。4月22日にパブリックコメントに付しました。
 今年12月1日に施行したい考えです(経過措置:2024年6月1日まで)。

別添「法律施行規則の例示基準(案)」より

9. 充てん容器等の転落、転倒等による衝撃及びバルブ等の損傷を防止する措置並びに充てん容器等の流出を防止する措置

(1)貯蔵施設に置く場合
(2)供給設備または消費設備に接続されて置く場合
②充てん量10㎏以上の容器については、ベルト、鉄鎖等により容器を家屋その他の構築物に固定する等により、地震に際して転倒しないようにすること。(改正)
③浸水のおそれのある地域(*)においては、(2)②に加え、次に掲げる(i)または(ii)のいずれかの基準により、充てん容器等が浸水によって流されることを防止する措置を講ずること。
 令和3年11月30日まではなお従前の例による。令和3年12月1日現に設置されている供給設備及び消費設備においては、令和6年6月1日までは、なお従前の例によることができる。(新設)
(i)ベルトまたは鉄鎖が外れにくい固定金具を使用すること。50㎏容器にあっては1本目のベルトまたは鉄鎖を当該容器の底部から容器の高さの3/4程度の位置に、2本目のベルトまたは鉄鎖を容器底部から1/4程度の位置にそれぞれ取り付け、10㎏または20㎏容器にあっては当該容器のプロテクターの開口部にベルトまたは鉄鎖を通して取り付け、ゆるみなく容器を固定すること。ただし、積雪時において、容器交換作業に支障を来す可能性のある場合であって冬の期間等にあってはこの限りでない。(同)
(ii)容器収納庫に保管すること。(同)
*浸水のおそれのある地域:洪水浸水想定区域(想定最大規模)等において、1m以上の浸水が想定されている地域。

 

2021年5月

GHP販売実績、2020年度は学校特需反動とコロナ禍で3割減

 GHPコンソーシアムがまとめた2020年度のGHP国内販売実績は、LPG・都市ガス両仕様機の合計で、販売台数は28,256台、容量ベースでは526,936馬力となり、前年度より台数は▲28.3%、容量は▲31.7%となりました。公立学校教室向け特需(2019年度)の反動に加え、2020年度はコロナ禍で提案営業や機器更新が遅れがちになったためとみられます。

LPG仕様機 6,332台で▲24.2%

 LPG仕様機の2020年度販売実績は、台数が全体の22.4%にあたる6,332台で、前年度比▲24.2%、容量ベースでは22.0%にあたる115,668馬力で、同▲29.5%。販売台数は2018年度実績(6,015台)をやや上回っているものの、2016~2017年度水準に戻った。

需要見通し、2021~2025年度は年率+0.6%の微増

家庭用減少もGHP・業務用増え年率+0.3%想定

 2021~2025年度「石油製品需要見通し<液化石油ガス編>」が4月6日、経済産業省・総合資源エネルギー調査会の石油・天然ガス小員会石油市場動向調査ワーキンググループの第7回会合で了承されました。それによれば、2021年度の総需要(電力用除く)は、コロナ禍に見舞われた2020年度の実績見込み12,528千トン(前年度比▲9.5%)に対し、+8.7%の13,618千トンに回復。2023年度には13,960千トンとなり、コロナ禍前の水準(2019年度13,850千トン)を超える見通しになっています。

 ただ、2021~2025年度では年率+0.6%の微増。

概況

概況

2021~2025年度で最も増加が見込まれるのは増熱向けの都市ガス用(年率+3.6%、増減率+15.0%)。次いで、化学原料用(+1.5%、+6.1%)。

家庭業務用

2020年度実績見込みは5,740千トン(前年度比▲4.3%)。2021年度は5,706千トン(▲0.6%)とマイナス成長になるが、2021~2025年度では年率+0.3%、増減率+1.3%で推移する見込み。家庭用は、利用世帯数の減少と機器の効率化で減少。業務用は、熱中症対策・レジリエンス対応でGHP向けが増え、また景気回復で消費原単位が改善して増加する見込み。

自動車用

2020年度実績見込みの456千トン(▲41.0%)に対し、2021年度は669千トン(+46.7%)まで戻すが、台数減少と燃費向上により2021~2025年度では年率▲7.1%、増減率▲25.4%と縮小が進む見通し。
【注】この見通しには、国が進める「2050年カーボンニュートラル実現」の直接的な影響は考慮されていません。また、電力供給計画が未定のため、電力分は除かれています。

2021~2025年度液化石油ガス需要見通し

2021~2025年度液化石油ガス需要見通し

ガス温水機器「新省エネ基準」が公布・施行

 ガス温水機器、石油温水機器、磁気ディスク装置の新しい基準エネルギー消費効率(省エネ基準)等を定めた省令と告示が、4月19日に公布・施行されました。ガス温水機器は2025年度を目標年度とし、熱効率を約5.2%改善する内容となっています。

区分 省エネ基準(単位:%)
区分名 用途 通気方式
ガス瞬間湯沸器 自然通気式 77.50
強制通気式 84.37×構造係数
ガスふろがま 87.21×構造係数
ガス暖房機器 90.32

液化石油ガス安全高度化計画2030を公表

 経済産業省の産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会液化石油ガス小委員会は、これまでの「保安対策指針」に代わる、向こう10年間の「液化石油ガス高度化計画2030」を策定し、4月1日に公表しました。

安全高度化目標(理念目標)

 2030年の死亡事故ゼロに向けた、国・都道府県・第三者機関・LPガス事業者・消費者及び関係事業者等が各々の果たすべき役割を着実に実行するともに、環境変化を踏まえて迅速に対応することで、各々が共同して安全・安心な社会を実現する。

安全高度化指標(対策を評価するための数値指標)

 2030年時点に事故全体で、年間の死亡事故0~1件未満。人身事故25件未満を達成する。

実行計画(アクションプラン)の基本的方向

  1. 事故分類ごとにおける対策の推進
  2. 各主体の連携の維持・向上
  3. 保安人材の育成
  4. 一般消費者等に対する安全教育・啓発

高度化目標の達成に向けたアクションプラン

  1. 事故対策(消費者起因事故対策、販売事業者起因事故対策)
  2. 自然災害対策
  3. 保安基盤

全L協、消費設備調査でのMメーター計算値活用の運用ルール

 定期消費設備調査で、マイコンメーターの表示やデータによる計算値を使用可能とする代替措置が液石法例示基準に追加(2021年2月24日、第30節)されたことを受け、(一社)全国LPガス協会から「ガスメータの圧力測定機能を活用した保安業務の合理化」と、「ガスメータの漏洩検知機能を活用した保安業務の合理化」の各運用マニュアルが示されました。新型コロナ禍で感染防止の徹底が求められている中、これにより必ずしも消費者の協力が得られなくても保安業務が可能になりますが、マニュアルに基づいて適正な方法で実施し、その記録を適正に保存しないと法令違反を問われかねないので徹底しましょう。

マイコンメーター表示等に基づく計算値による定期消費設備調査

  • 圧力損失について、計測値と計算値との相関関係を分析し、乖離が小さいことを確認。
  • これを受け、従来の計測値のほか、「計算値を使用する代替措置」を追加した。

*圧力損失が0.3kPaを超える場合は、マイコンメーターの表示による圧力確認方法は使えない。

  • 計算に必要なデータ:最大ガス流量(消費量)、管の内径、配管の長さ、継手類など。
  • 計算に使用した根拠を記録に残す。

全L協の各「運用マニュアル」

「ガスメータの圧力測定機能を活用した保安業務の合理化運用マニュアル」

  • ポイント:記録の保存方法、計算値の具体的算出例などを記載
  • 構成:適用範囲/例示基準の概説/測定原理/測定方法・条件/圧力損失の算出方法/記録保存(異常時の措置内容等)

「ガスメータの漏洩検知機能を活用した保安業務の合理化運用マニュアル」

  • ポイント:マイコンメーターの漏えい検知機能と圧力測定機能を活用した燃焼器入口圧力の確認、調整圧力・閉そく圧力の測定、漏えい試験方法等を有効利用するための運用ルール。
  • 構成:適用範囲/例示基準の概説/マイコンメーターの漏えい検知機能・圧力測定機能/記録保存(異常時の措置内容等)

公立学校の施設整備、防災機能アップ・特別教室空調へ

 文部科学省は公立義務教育諸学校等施設の整備基本方針を改正し、4月15日付け官報で告示しました。「安全・安心な教育環境の確保」に向け、耐震性の確保、防災機能の強化、バリアフリー化、空気調和設備などを新設。防災機能では空気調和設備、非常用電源設備などの整備、空気調和設備では「普通教室の整備率は9割を超えた。今後は特別教室への設置促進が重要」としています。
 これにともなって、GHPの設置提案も防災機能アップ、特別教室等へのシフト化が求められます。

2021年4月

「液化石油ガス安全高度化計画2030」スタート

各主体協働で死亡1件未満、人身25件未満実現へ

 10年後の2030年を目標年次に見据えた、2021年度からの新たなLPガス保安対策指針「液化石油ガス安全高度化計画2020」が、3月22日に開催された経済産業省・産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会の第14回液化石油ガス小委員会で了承され、国・LPガス販売事業者等・消費者等の協働による安全・安心な社会の実現を目指した「保安高度化計画」がスタートします。

 近年は、国と事業者のたゆまない努力で、重大事故は交通事故、火災事故より低い水準まで改善が図られてきました。しかし、未だ重大事故は撲滅できず、一方で社会の安全・安心への要請はますます高まっていることから、3者協働による新たな安全高度化目標と実行計画(アクションプラン)が打ち出されました。

 これまでの保安対策指針と大きく異なることは、近年自然災害が激甚化・多発化する一方で、AIやIoTを活用したスマート保安による規制合理化が進むなか、保安対策指針を示して販売事業者に徹底を求めるというこれまでのスキームを、保安確保に向けて各主体が果たすべき役割を明確化し、これを理解し着実に実行することで保安高度化を図るスキームに刷新したこと。

 また、経営者等による保安確保に向けたコミットメントの明示と保安レベルの自己評価を組み入れ、指導力・組織体制・予算確保など保安管理体制の構築・拡充を図る仕組みとしたことです。

 このため、新たな保安目標を策定するとともに、今後の社会環境の変化とリスクを踏まえたアクションプランを設定。そのうえで、計画の進捗を踏まえた事故発生状況を定期的に分析し、計画の妥当性を評価しつつ見直していくことになっています。

 2030年に向けた全体目標は死亡事故(年):0~1件未満(近5年平均:0.6件)、人身事故(同):25件未満(30.2件)に設定されました。

液化石油ガス安全高度化計画2030
~国、LPガス事業者等、消費者等の協働による安全・安心な社会の実現を目指して~

  • 安全高度化目標:2030年の死亡事故ゼロに向けた、国、都道府県、第三者機関、LPガス事業者、消費者及び関係事業者等が各々の役割を果たすとともに、環境変化を踏まえて対応することで、各々が共同して安全・安心な社会を実現する。
  • 基本的方向:①事故分類ごとにおける対策の推進継続/②各主体の連携の維持・強化/③事業者等の保安人材の育成/④一般消費者等に対する安全教育・啓発
  • 高度化計画目標年次:目標期間=10年間(2021年~2030年)、中間評価=5年目(2026年)
  • 全体目標:死亡事故(年):0~1件未満、人身事故(同):25件未満
  • 実行計画(アクションプラン):達成状況やリスクの変化に応じ見直す
高度化指標

注1:2015年~2019年までの5年の事故件数の平均
注2:2025年~2029年までの5年の事故件数の平均
注3:起因者が複数いる場合はそれぞれカウント
※事故の起因者等が不明な場合があり、全体数と各分類別の事故件数の合計値が合わない箇所がある。

大分類 中分類 小分類 アクションプランの項目 主体者
事故対策 消費者起因事故対策消費者起因事故対策 CO中毒事故防止対策 業務用施設等に対する安全意識の向上のための周知・啓発 国、第三者機関、LPガス事業者
業務用換気警報器・CO警報器の設置の促進 LPガス事業者
安全型機器及び設備の開発普及 LPガス事業者、関係事業者
ガス漏えいによる爆発または火災事故防止対策 安全な消費機器等の普及促進 国、LPガス事業者、関係事業者
周知等による保安意識の向上 国、都道府県、第三者機関、LPガス事業者
誤開放防止対策の推進 LPガス事業者
ガス警報器の機能の高度化及び設置の促進等 LPガス事業者、関係事業者
消費設備調査の高度化 国、LPガス事業者
リコール対象品等への対応 国、LPガス事業者、関係事業者
販売事業者起因事故対策販売事業者起因事故対策 設備対策設備対策 供給管・配管の事故防止対策 LPガス事業者
調整器、高圧ホース等の適切な維持管理 LPガス事業者
軒先容器の適切な管理 LPガス事業者
その他事故防止対策 他工事事故防止対策 国、都道府県、LPガス事業者
質量販売に係る事故防止対策 LPガス事業者
バルク貯槽等の告示検査対応 LPガス事業者
自然災害対策 地震・水害・雪害対策 災害に備えた体制構築 国、都道府県、LPガス事業者
迅速な情報把握 国、都道府県、LPガス事業者
容器の転倒・流出防止対策 国、都道府県、LPガス事業者、関係事業者
雪害事故防止対策 都道府県、LPガス事業者
保安基盤 保安管理体制 経営者等の保安確保へ向けたコミットメント等及び保安レベルの自己評価 LPガス事業者
LPガス販売事業者等の義務の再確認等認識 LPガス事業者
長期人材育成を踏まえた保安教育の確実な実施 LPガス販売事業者、国、第三者機関
自主的な基準の維持・運用 第三者機関
スマート保安の推進 スマートメータ・集中監視等を利用した保安の高度化 国、第三者機関、LPガス事業者、関係事業者
その他のスマート保安に関するアクションプラン 国、LPガス事業者

経産省、2021年度立入検査の重点事項を提示

 経済産業省は3月22日開催の経産省「液化石油ガス小委員会」で、2021年度立入検査の重点事項を提示しました。これによれば、次の11項目となっています。

2021年度立入検査の重点事項

 2020年度に実施した立入検査での指導内容の実績と、2020年に発生したLPガス事故の特徴を踏まえ、引き続き次に掲げる事項を重点的に確認する。

  1. 保安業務に係る委託業務の内容
  2. 保安業務の実施状況
  3. 緊急時対応の体制
  4. 他工事対策等の周知状況
  5. 液石法第14条第1項に基づく書面の交付状況
  6. 液石法第16条に基づく貯蔵施設等に係る基準適合義務等の遵守状況
  7. 液石法第16条の2に基づく供給設備に係る基準適合義務の遵守状況
  8. 燃焼器等の消費設備調査の実施状況
  9. 業務主任者の職務の実施状況
  10. LPガス販売事業者等が備える帳簿への記載状況
  11. 質量販売における基準の適合状況

全L協、安全高度化計画に沿った「安心サポート推進運動」展開へ

 (一社)全国LPガス協会は、国の「液化石油ガス安全高度化計画2030」を受け、4月初旬にも、自主保安運動「LPガス安心サポート推進運動」(5カ年計画)の推進体制を整え、安全高度化計画のアクションプランと一致した運動を展開します。業務用施設へのガス警報器連動遮断の推進、業務用換気警報器の設置促進に加え、そして軒先容器の流出防止対策(二重掛け)の3アクションを重点取り組み事項に位置づけ、安心サポート体制を高めていきます。

LPガス安心サポート推進運動

  • 運動期間:5年(安全高度化計画は10年スパンで、5年ごと見直し)
  • 目標:死亡事故0~1件未満、人身事故0~25件未満(安全高度化目標と同じ)
  • 運動内容:安全高度化計画アクションプランと一致した内容とする
  • 具体的な進捗状況管理や進め方
    ・進捗=これまでの「安全機器調査票」「自主保安活動チェックシート」により、数字で把握する。
    ・重点取り組み事項=業務用施設ガス警報器連動遮断の推進/業務用換気警報器の設置促進/軒先容器の流出防止対策の徹底
アクションプラン

LPガス事故、2020年は200件台割る

郡山事故(飲食店)で死亡1人・重軽傷19人

 経済産業省ガス安全室がこのほどまとめた2020年の「LPガス一般消費者等事故集計」によれば、前年より10件少ない192件となり、3年ぶりに200件台を割り込みました。人的被害は死者1人(前年0人)、傷者は液石法公布以来最も少ない29人(32人)。ただし、A級事故(7月30日、福島県郡山市内の飲食店、死者1人・傷者19人)は発生しました。24年ぶりです。CO中毒事故は前年に続いてありませんでした。

  • 原因等別 一般消費者等起因39件(57件)、一般消費者等・販売事業者等起因8件(2件)、販売事業者等起因44件(44件)、その他事業者起因67件(66件)、雪害等自然災害67件(66件)などとなっており、一般消費者等起因が大幅に減少し、一般消費者等・販売事業者等起因が増加した。
  • 発生場所別 一般住宅81件(72件)、共同住宅60件(50件)、飲食店17件(30件)などとなり、一般住宅と共同住宅が増え、事故防止策を徹底してきた飲食店が減少した。
  • 発生個所別 供給設備108件(90件)、消費設備83件(110件)などとなり、供給設備の調整器24件(11件)、高圧ホース等23件(18件)、供給管47件(42件)の増加が目立つ。供給管のうち埋設管前年の26件から39件へ増えた。消費設備では業務用燃焼器が7件(18件)に減る一方、ふろがまは11件(6件)に増えた。
年別事故件数及び死傷者数

[注]2020年は2020年12月末までの累計。速報値のため、変更等があり得ます。

東関東自動車道・酒々井IC付近で容器散乱事故

 3月10日午後2時前、東関東自動車道下り線の酒々井インターチェンジ付近で、走行中のトラックのタイヤがバーストし、中央分離帯にぶつかる事故があり、積んでいたLPガス容器(50kg)20本ほどが上下線に散乱しました。反対車線を走行していた車2台が、避けきれずに容器と衝突。現場付近はガス臭が充満したため、一部区間が3時間ほどにわたって通行止めになりました。

バルク貯槽のくず化、合格証紛失時の再交付を不要化へ

 経済産業省は、バルク貯槽をくず化(高圧法第56条の6)したときに返納する特定設備検査合格証について、紛失したときは再交付を経ないで交付先に手続きできるよう運用の見直しを検討していく予定です。

 3月9日に行われた産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会の第18回「高圧ガス小委員会」で経済産業省が明らかにしました。現行は再交付を受けてから返納することになっているため、(一社)全国LPガス協会が“ひと手間”の省略を要望していました。経産省は合格証の使用実態と返納手続きの運用実態を調査したうえで見直しを検討していく考えです。

ガス機器出荷金額、2020年度は2.5%増加

 (一社)日本ガス石油機器工業会は2月27日、「ガス・石油機器出荷実績見込みと予測2021」を公表しました。それによれば、2020年度の出荷金額は、ガス機器が2,750億円(前年度比102.5%)、石油機器が811億円(102.6%)、合計で3,561億円(102.5%)となり、前年を上回った見込みです。とくにカセットこんろが69億円(115.0%)へ増えました。

巣ごもり需要で、特にカセットこんろが15%も増加

 2021年度は、前年度と同様に経済活動や消費マインドの冷え込みが懸念されることから、ガス機器は2,722億円(99%)、石油機器は807億円(99%)、合計で3,529億円(99%)と前年度並みと予測しています

市場環境・増減要因

  • 新設住宅着工戸数が2019年に引き続き、賃貸住宅を中心に減少しており、2020年暦年では前年比1割減の約81.5戸となった。
  • 新型コロナ禍による外出自粛で巣ごもり需要が喚起され、カセットこんろを中心に需要が伸びた。また、暖冬続きでここ数年低調だった石油暖房機器も、2020年は寒波がしばしば訪れたことで、出荷台数・金額ともに2019年度を上回った。
  • 2021年度は延期となった東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定だが、 新型コロナ禍の影響が続くと、2020年度同様に経済活動や消費マインドの冷え込みが懸念される。

ガス機器の概況

  • 2020年度の出荷見込み金額は、調理機器(カセットこんろを除く)が942億円(104.1%)、温水機器が1,652億円(100.4%)、 暖房機器が60億円(82.9%)、カセットこんろが69億円(115.0%)、その他(ガス炊飯器、ガス貯蔵・貯湯湯沸器を)が26億円(100.0%)で、合計2,750億円(102.5%)。
  • 新型コロナ禍による巣ごもり需要の影響で、家庭で調理する機会が増え、特にカセットこんろの需要増が目立った。
  • 2021年度の出荷金額は、調理機器(カセットこんろを除く)934億円(99%)、温水機器1,634億円(99%)、暖房機器59億円(98%)、カセットこんろ69億円(99%)、その他26億円(100%)、合計2,722億円(99%)で、前年並みが予測される。 と予測する。

経産省、建設工事等におけるガス管損傷事故の防止を要請

 経済産業省ガス安全室は、ガス事故における他工事事故の防止に向け、関係6省庁・機関に2月26日付けで「建設工事等におけるガス管損傷事故の防止」について協力要請を行いました。そのうえで、ガス事業者・液化石油ガス販売事業者等に3月2日付けで、「施工前に必ずガス管等についてガス事業者・液化石油ガス販売事業者等に照会・確認すること」「ガス管を見つけた場合は、必ずガス事業者・液化石油ガス販売事業者等に連絡することなどを建設工事等事業者に周知するよう要請しました。

ガス事業者・液化石油ガス販売事業者等への要請事項

  • 建設工事等事業者に対し、工事を施工する前には必ずガス管等についてガス事業者・液化石油ガス販売事業者等に照会・確認するとともに、ガス管を見つけた場合は、必ずガス事業者・液化石油ガス販売事業者等に連絡すること等について、周知を行うこと。
  • 必要に応じて建設工事等の際に立ち会うこと。
  • (液化石油ガスについては)供給管・配管の工事を行う際は、事故防止のため、外注先の特定液化石油ガス設備工事に係る届出、液化石油ガス設備士資格の有無及び再講習の受講状況を確認することにより適切に監督すること。

【参考】最近の建設工事等によるガス管・ガス設備損傷事故件数の推移

ガス事故(建設工事等)件数 2018年 2019年 2020年
ガス事故件数うち、都市ガス液化石油ガス 614 639 531 1,789
403 441 339 1,183
211 198 192 606
建設工事等事故件数うち、都市ガス液化石油ガス 141 206 167 514
93 148 115 356
48 58 52 158
うち、事前照会無し 107 173 154 434
建設工事等による負傷者数 9 9 10 28

(経済産業省調べ)

経産省、住宅塗装工事中の事故防止を要請

 経済産業省・ガス安全室は3月2日、(一社)全国LPガス協会や(一社)日本ガス協会に、住宅塗装工事等での「ガス機器の給気・排気部の閉塞による一酸化炭素中毒事故の防止」について、会員事業者等を通じて消費者に周知徹底するよう要請しました。経産省ではこれに先立ち、2月26日付けで国土交通省(建設市場整備課)に、工事事業者への周知を徹底するよう協力依頼を行っています。

「給排気部を塞がない」など3対策の徹底を国交省に依頼

 住宅塗装工事にかかる事故は、2016年から2020の5年間で計68件発生し、2020年はうち7件の事故が発生しています。

 国交省への依頼文書では、「養生するときはガス機器の給排気部を塞がないことなど、3対策の徹底を求めています。

長期使用製品点検制度、7月に瞬間湯沸器、ふろがまを除外

 経済産業省・製品安全課は、3月1日に開かれた消費経済審議会製品安全部会で、長期使用製品安全点検制度の対象製品からプロパンガス用の屋内式ガス瞬間湯沸器、屋内式ガスふろがまなど、7製品を7月初旬に除外する予定であることを明らかにしました。

残る石油給湯機と石油ふろがま、自治体と連携し対応徹底へ

 現在は9製品が指定されていますが、経年劣化対策が進み事故率が1ppmを大きく下まわっているためです。当初予定より遅れたものの、7月初旬に改正施行令、改正省令を公布する予定。

 これにより、残るのは石油給湯機と石油ふろがまだけになりますが、依然事故率が1ppmを上回っているため、多用されている北海道、東北地区の自治体との連携強化を図りつつ、現在40%弱の所有者登録率の向上と法定点検の実施・普及を目指していく方針です。

家庭用ヒートポンプの新たな省エネ基準、2025年度5%改善見込む

 資源エネルギー庁の省エネ基準に関する審議会で3月3日、電気温水機器(家庭用ヒートポンプ給湯器)の新たな省エネ基準に関する報告書がまとまりました。目標年度は2025年度で、現行の基準年度(2017年度)の実績値と比較し、約5%のエネルギー消費効率の改善を見込むものとなっています。

電気温水機器(家庭用ヒートポンプ給湯器)の新たな省エネ基準の概要

(総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会エアコンディショナー及び電気温水機器判断基準ワーキンググループまとめ)

  • 目標年度:2025年度(令和7年度)
  • 対象機器:電気温水機器(CO2を冷媒とする家庭用ヒートポンプ給湯機)
  • 基準エネルギー消費効率(省エネ基準):以下の表の通り。
ヒートポンプ給油機の目標基準値

北関東道で3月26日、LPガスタンクローリー横転事故

 テレビ朝日などの報道によれば、栃木県足利市の北関東道で3月28日朝早く、LPガスを積載したタンクローリーが横転する事故がありました。現場付近はガス臭がし、ガス漏れの恐れもあることから、ガス会社が対応にあたりました。

付近にはガス臭、運転手は搬送先病院で死亡確認

 この事故で、佐野田沼インターから足利インターの間の西行き、東行きの両方向で一時通行止めとなりました。タンクローリーの運転手は搬送先の病院で死亡が確認されたということです。

2021年3月

GHP出荷、2020年は学校空調需要一段落で17.6%減少

 GHPコンソーシアムがまとめた2020年(1~12月)のGHP出荷は、学校空調需要が2019年度末(2020年3月)に一段落したことを受けて30,994台となり、前年比82.4%となりました。うち、LPG仕様機は6,628台で前年比81.9%。能力では、123,050馬力(78.4%)、345,399kW(78.4%)。

  • LPG仕様機の容量別内訳 3~5:126台(前年比70.8%)、6~10:909台(86.1%)、11~30:5,593台(81.6%)

クーリング・オフ、メールでもOKに

 今国会で審議される特商法・預託法改正案に、訪問販売などへのクーリング・オフを電子メールで通知できるよう、「契約書面等の電子化」が盛り込まれます。

事業者交付「契約書面」の電子化には慎重意見も

 1月14日に開かれた消費者庁・消費者委員会の第335回本会議で、消費者庁が明らかにしました。クーリング・オフの通知は、これまで書面(はがきなど)に限られていました。

 この書面の電子化では、同様に書面に限られていた、事業者が交付する契約書面も「消費者の承諾を得た場合」には電子化する考えであることから、消費者団体や弁護士会などからは反対・慎重意見が出ています。

経産省、押印を不要とする所要の規定等を整備

 経済産業省は2020年10月28日、押印を求めている手続等について押印を不要とするための所要の規定等を整備しました。

液石法関係省令等

押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係省令の一部を改正する省令(経済産業省令第92号)(PDF形式:558KB)      

高圧ガス保安法関係省令等

神奈川県協会の行政訴訟、東京高裁が取り消し請求を棄却

 (公社)神奈川県LPガス協会(髙橋宏昌会長)は1月27日、ホームページ上で、公正取引委員会の「排除措置命令」の取消訴訟について、東京高等裁判所からに同21日に「請求棄却」の判決があったことを明らかにしました。

協会、「公正な判断」求めるも敗訴

協会は2018年3月9日、公正取引委員会から新規販売事業者の取り扱いをめぐり排除措置命令を受けました。これを不服として、協会は命令の取り消しを求めて東京高裁に控訴(行政訴訟)し、弁論を重ねてきました。しかし、主張は認められず、1月21日の判決で東京高裁は請求を棄却しました。

髙橋会長コメント、「上告も検討する。引き続きご支援を

 当協会は、今回の排除措置命令の不当性、不公平性、違法性等につき主張し、司法による公正な判断を求めてまいりましたが、大変残念な結果となりました。

 今後は、判決文を精査して最高裁判所へ上告することを検討してまいります。
 今まで温かいご支援をたまわった各位にお礼を申し上げるとともに、上告に向けて引き続き緊張を緩めることなく準備をしてまいります。今後ともなお一層のご支援をたまわりますようお願い申し上げます。

全L協、4月からの「消費税総額表示」義務付けで周知・徹底を依頼

 (一社)全国LPガス協会は2月2日、事業者が消費者に表示する価格の「総額表示」(消費税込みの価格の表示)が4月1日から義務付けになることを受け、地方LPガス協会と直接会員に「消費税の総額表示について」を発出し、周知・徹底するよう依頼しました。

「税込み価格が一目で分かる」「価格の比較が容易にできる」表示に

 総額表示は、消費者が値札や広告を見て商品やサービスを選んだり購入したりするとき、①支払金額である「消費税額を含む価格」が一目で分かる、②価格の比較が容易にできる…よう明確に表示する必要があります。税込み価格が明瞭に表示されていれば、消費税額や税抜き価格を併せて表示することもできます。

 全L協文書は、参考資料(URL)として財務省ホームページの「リーフレット」と「事業者が消費者に対して価格を表示する場合の価格表示に関する消費税法の考え方」を記載。不明点などは最寄りの税務署に確認するよう求めています。

財務省ホームページ

総額表示に「該当する例」と「該当しない例」(「財務省パンフレット」より)

総額表示に該当する価格表事例 総額表示に該当しない価格表事例

太陽光買取価格、2021年度は10kW未満19円

 経済産業省・調達価格等算定委員会は1月27日、同22日開催の第67回会合で、FIT制度(固定価格買取制度)と、2022年度から移行する市場連動型FIP制度(Feed-in Premium)を踏まえた今後の方向性と、調達価格等の委員長案が示されたことを受け、「2021年度以降の調達価格等に関する意見」を公表しました。

10kW以上50kW未満は12円+税に

 それによれば、太陽光発電の調達価格は、10kW未満(2020年度は1kWhあたり21円)は、2021年度19円、2022年度は17円で、調達期間は10年間。10kW以上50kW未満(同13円+税)は、2021年度12円+税、2022年度は11円+税で、同20年となりました。

新型コロナ禍で点検調査、保安確保機器の期限を4カ月延長

 経済産業省は2月5日、新型コロナの影響を踏まえた措置として、法定点検調査と保安確保機器の期限を延長しました(同日公布・施行)。

  • 供給設備・消費設備の点検・調査の猶予措置 点検・調査及び周知が、2021年2月5日から同年3月31日までに期間を迎える場合は、その期限を4カ月延長する。認定販売事業者にも同様の措置を講じる。
  • 認定販売事業者の保安確保機器の期限管理の延長措置 ガスメーター以外の保安確保機器の期限管理が2021年2月から同年3月までに管理期間が終了するものは4カ月延長できる。
LPガス供給設備点検等

福島県沖、LPガス・高圧ガス関連の被害情報は報告なし

 2月13日23時7分、福島県沖を震源とする地震(M7.3)が発生し、宮城県蔵王町が震度6強、宮城、福島県内の広い地域が震度6弱の揺れに見舞われました。消防庁災害対策本部の同18日6時30分まとめによれば、この地震で負傷者181人、住家全壊20棟、一部損壊2,303棟が発生しましたが、経済産業省の同16日6時30分まとめによれば、LPガス、高圧ガス関連の被害情報は報告されていません。

  • 電力 東京電力、東北電力管内で最大95万戸停電が発生も、解消済
  • ガス
    • 都市ガス 供給停止なし。福島ガスで低圧供給管漏えい1件(応急措置済み)。
    • LPガス需要家施設 被害情報なし。
  • 高圧ガス・火薬類 被害情報なし。
  • LPガス備蓄基地・充填所 現時点で被害情報なし。

保安規制体系の“抜本的見直し”に向け審議開始

産業保安をめぐる近年の環境変化受け4論点提示

 経済産業省・産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会の第6回会合が2月8日に開かれ、近年の産業保安(電気、都市ガス、LPガス、高圧ガス)をめぐる環境変化を受け、保安規制体系の抜本的な見直しに向けた横断的な審議がスタートしました。

 経産省はこの中で、近年の大きな環境変化として、「テクノロジーの革新的進展とスマート保安の推進」「保安人材の枯渇」「保安体制の成熟と重大事故の減少」などを指摘。これに対し、各業界からプレゼンやコメントで取り組みの現状と課題が紹介され、経産省はこれらを受け、今後の審議の論点として「スマート保安(産業保安のテクノロジー化)の促進」「新たな保安上のリスク分野への対応強化」「災害対策・レジリエンスの強化」「将来社会に向けた保安規制面での環境整備」の4点を提示しました。今後、分科会内の「産業保安規制制度小委員会」で検討が進められ、初会合は2月24日に開かれました。

近年の大きな環境変化 9ファクターを指摘

 ①テクノロジーの革新的進展とスマート保安の推進、②保安人材の枯渇、③保安体制の成熟と重大事故の減少、④産業保安規制における詳細な個別規制・手続き、⑤電力・ガス供給構造の変化、⑥再生可能エネルギー発電設備の安全確保の必要性、⑦大規模災害の常態化、⑧カーボンニュートラルへの保安規制、⑨新型コロナ禍

LPガスへの言及ポイント 事故は96%も減少

  • 事故による死者数は1970年代に比べ2010年代は96%減少している(電力、都市ガスも同様に大幅に減少)。
  • 一方で、たとえば液石法に基づく業務主任者・代理者の選解任届出は約1,500件(2017年度)もあるなど、個別規制や膨大な届け出・検査などの義務を課している。
  • これらに対し、近藤賢二委員(高圧ガス保安協会)は、「高圧ガス事故は増加しているし、LPガス事故も2000年代前半に比べ高止まり(倍増)している」と指摘した。

溶接容器・バルク貯槽生産、2021年はともにやや減少

 (一社)日本溶接容器工業会がまとめた2020年の生産状況によれば、溶接容器は182万100本で前年比98.7%、バルク貯槽は1万4,080基で同97.4%と、いずれも微減しました。

  • 溶接容器 50kg以下が109.4万本、20kgが67.2万本、10kg以下が5.4万本で、前年に比べ10kg以下が20.0%の減少。総数のうち、アルミ製容器は約3万本。
  • バルク貯槽 1,000kg未満が5,190基、500kg以下が4,255基、300kg以下が3,929kg、150kg以下が631基など。前年に比べ150kg以下が14.9%、500kg以下が3.1%それぞれ増え、1,000kg未満は5.8%、300kg以下は6.3%それぞれ減少した。

2021年2月

【続々報】経産省、再生可能エネ電気卸供給でも「特例承認」要請

 経済産業省は2月5日、1月の卸電力市場価格の急激な高騰は、市場価格連動料金で再生可能エネルギー電気卸供給を受けている小売事業者の需要家にも大きな影響が考えられるとして、一般送配電事業者に“再生可能エネ電気卸供給約款により難い特別の事情がある場合”の「特例承認」を申請するよう要請するなど、需要家の電気料金負担が激変しないよう追加的な対応をとったことを公表しました。1月分のインバランス料金を最大5カ月に分割して支払うことができる特例承認は同12日、一般送配電事業者9社が認可を受けました。

卸電力高騰ですべて市場連動の再生可能エネ電気卸供給にも大きな影響

 経産省は1月29日、卸電力市場価格の高騰で需要家の電気料金負担が激変しないよう、「需要家に対する柔軟な対応の要請」「卸供給を受ける小売事業者等への柔軟な対応の要請」「一般送配電事業者への要請」「日本卸電力取引所への要請」「経産省への相談窓口の設置 などの対応を行いました。

 一方、再生能エネ電気卸供給料金もすべて卸電力市場価格連動となっており、再生可能エネ電気卸供給を利用する事業者も今後、それまでの価格水準と比べて高額の料金を支払うこととなります。経産省はこれにより、一時的に高額の供給力不足時の精算金を支払うことになる事業者と同様に、需要家料金に大きな影響がある場合も考えられると判断。

 この事態は、電気事業者による再生可能エネ電気の調達に関する特別措置法上の「再生可能エネ電気卸供給約款により難い特別の事情がある場合」(第18条第2項ただし書)に該当するとして、一般送配電事業者に「特例承認」を申請するよう要請するなど、次の3措置をとりました。

要請内容

  • 一般送配電事業者は、電気事業者による再生可能エネ電気の調達に関する特別措置法第18条第2項ただし書の規定による承認(「特例承認」)の申請を行うこと。
  • 小売電気事業者が、一定の要件を満たす場合、特例承認が行われた日の翌営業日以降に支払期日を迎える1カ月分の再生可能エネ電気卸供給料金については、その支払期日を最大4カ月間延長し、原則均等に分割して支払うことを可能にすること。
  • 小売電気事業者から特例承認が行われた日の翌営業日までに経産省に申し入れがあった場合には、要件を満たしているかどうかにかかわらず、その支払期日を一律に1カ月間延長すること。

【続報】経産省、卸電力高騰受け、料金負担が激変しない柔軟対応を要請」要請

 経済産業省は1月29日、1月の卸電力市場価格の急激な高騰を踏まえ、需要家の電気料金負担が激変しないよう「柔軟な対応」を要請するなどしたと発表しました。卸電力市場価格が急激に高騰する中でも、需要家が安定的な電力供給サービスを継続的に享受できるよう、特に市場連動型の電力料金メニューを提供する小売電気事業者に、料金負担が激変しないよう柔軟な対応を要請したということです。

「市場連動型料金メニュー」提供する小売電気事業者に特に要請

 今冬は、厳しい寒さと天候不順等による電力需給のひっ迫で、1月の卸電力市場(スポット市場)の月間平均価格(1月29日受け渡し分まで)は1kWhあたり66.91円で、月間平均価格としては過去最高となる見通しにあります。

 こうした状況を受け、経産省は15日にインバランス料金(供給力不足時等の精算金)単価の上限を200円とする措置を一般送配電事業者に要請するとともに、市場関連情報の公開、厳格な市場監視などを実施。現状、足下の卸電力市場価格は安定的に推移しています。

 こうした中、市場連動型の電力料金メニューを選択している需要家には大きな影響が生じかねないことから、電力・ガス取引監視等委員会に相談窓口を設置するとともに、契約内容の確認と契約の切り替え方法を周知しています。ただ、新型コロナ禍の影響が続く中、すでに1月分の料金請求が始まっているため、経産省は需要家の電気料金負担が激変しないよう新たに次の対応を実施しました。

需要家に対する柔軟な対応の要請

 卸電力市場価格が急激に高騰する中でも、需要家が安定的な電力供給サービスを継続的に享受できるよう、特に市場連動型メニューを提供する小売電気事業者に、需要家の電気料金負担が激変しないよう、柔軟な対応を要請した。

卸供給を受ける小売電気事業者等に対する柔軟な対応の要請

 小売電気事業者等の中には、他の小売電気事業者等から市場連動型の電気料金で卸供給サービスを受けている事業者がいると考えられる。こうした卸供給サービスを提供する小売電気事業者に、取引の相手方の卸料金負担が激変しないよう、柔軟な対応を要請した。

一般送配電事業者への要請

 卸電力市場価格の急激な高騰にともない、卸電力市場で電力を調達できず、今後一時的に高額の供給力不足時の精算金を支払うことが必要となる事業者が出て、需要家に大きな影響がでる場合も考えられる。

 今回の事象は、「託送供給等約款により難い特別の事情がある場合」(電気事業法第18条第2項ただし書)に該当すると考えられるので、一般送配電事業者に、「法第18条第2項ただし書」の認可申請など、①「別紙」に関する措置の申請を2月15日から受け付けるために必要な手続を取ること、②「別紙」の措置に係る小売電気事業者からの相談窓口を設置すること、③経産省に設置する窓口と密接に連携することを要請した。

JPEXへの要請

 小売電気事業者等には、JPEX(一般社団法人日本卸電力取引所)に預託金を支払うことや市場取引の資産要件を満たすことが困難なケースも考えられるため、同取引所にこうした事業者に対する柔軟な対応を行うよう要請した。

 

経産省への窓口の設置

 経産省では29日、これらの措置に係る小売電気事業者等からの相談窓口を設置した。
【小売電気事業者からの相談窓口】電話:03-3501-1582(直通、9時00分~17時00分)、ファクス:03-3580-8485

今冬の電力需給ひっ迫、卸価格が高騰し新電力の経営を強く圧迫

インバランス料金も高騰、電力・ガス基本政策小委であり方論議

 「数年に一度レベル」とされる非常に強い寒気の流れ込みにより、2020年12月下旬から2021年1月上旬の電力需給がひっ迫したことで、電力卸売価格が高騰し、新電力の経営を強く圧迫しています。経済産業省はこのため、急きょ1月15日にインバランス料金単価の上限価格を1kWhあたり200円とし、同17日供給分から適用する特別措置を講じました。

 電力需給はその後緩和しつつあるものの、同18日には新電力56社が「卸電力長期高騰」への対応を求めて共同要望書を提出。総合資源エネルギー調査会の電力・ガス基本政策小委員会が同19日に開催した第29回会合では、委員から「市場参加者はしっかりリスク管理をすべき。右往左往してはいけない」「新電力の経営に甚大な影響を及ぼし、需要家からも信頼されなくなる」「改めてエネルギーや電源のミックスの重要性がはっきりした」などの多くの意見が出ました。事務局である経産省は「論点を整理・報告のうえ、引き続き議論いただきたい」と述べ、この日は対応策の具体的な方向性は示しませんでした。

スポット価格(1日平均)、最高価格154.6円まで急騰

 インバランス料金は、新電力が自らの計画電力量に対し「30分同時同量」を達成できず、一般電気事業者がその不足分(インバランス)を補給したときに課せられる、罰則の狙いも込められた料金です。多くが自らの電源を持たない新電力にとって、電力を安定供給するには、相対契約電源の不足分は日本卸電力取引所(JPEX)から適価でスポット購入することになります。

 今冬は12月下旬から1月上旬にかけ、日本列島に非常に強い寒気が流入。このため、電力需要が前年同期を1割も上回り、特に12月17日、1月8日、12日には30億kWh台を大きく突破する事態が発生しました。

 このため、電力需給の予備率(当日朝)は東京、中部、沖縄除く各エリアで1~2%に低下。これにともない電力卸売価格(スポット市場価格)も12月中旬以降から高騰しはじめ、一般家庭用の1kWhあたりの電気料金がほぼ20円台である中、1月には1日(48コマ)平均で100円を超える日も出始め、13日には1日平均の最高価格が154.6円まで急騰しました。 コマごとのシステムプライスもほぼ連日最高値を更新し、15日には251.0円を記録。前年度の最高値60.0円の4倍にも跳ね上がりました。

 2019年度のシステムプライス平均値は7.9円でしたが、これにより2020年度は1月19日までで11.3円と大きく上昇しています。

今冬の電力需給(電力量)の推移、スポット市場の動き(小委員会資料)

今冬の電力需給(電力量)の推移、スポット市場の動き
スポット市場 システムプライスの長期遷移

経産省、急きょインバランス料金の上限価格を200円に

 こうした卸売価格高騰の影響の広がりを懸念していた経産省は、1月12日から15日まで取引価格の最高価格が4日連続で200円を超えたことから、急きょインバランス料金単価の上限価格を1kWhあたり200円にする特別措置を決め、15日に17日の電力供給分から適用し、6月30日まで続けると発表。需給ひっ迫時の措置として2022年4月から設ける予定だった上限価格を前倒しで適用しました。

 そのうえで、「託送供給等約款により難い特別の事情」(電気事業法第18条第2項ただし書)に該当するとして、一般送配電事業者に必要な手続きを行うよう要請。これを受けて一般送配電事業者10社から申請があったことから、電力・ガス取引監視等委員会の意見も踏まえ、同日認可しました。

新電力56社、経産省に「取引価格の長期高騰」で共同要望

 自らの電源を持たない多くの新電力や市場連動型料金プランを提供する企業は、この卸売価格の高騰で安定供給、顧客対応の両面から苦境に立たされ、新電力56社は同18日、経産省に共同で「卸電力市場の取引価格の長期高騰に対する対応要望」を行いました。

 要望内容は、「市場価格を形成している需要曲線/供給曲線・予備力・燃料在庫状況など各種情報の情報公開」と、「市場高騰をした期間に一般送配電事業者がインバランス等で想定外に得た利得を合理的に小売電気事業者・国民に還元すること」の2点です。

 要望書は「2020年年末よりJEPXスポット市場と時間前市場の約定価格が通常の10倍程度になる事象が発生した。需給状況が災害時のレベルでひっ迫していることが要因といえる」としたうえで、「電源を持たない新電力が多い中で、各社は供給力確保義務履行のため、JEPXを重要な調達源としており、高騰は経営上大きなインパクトとなっている。これは結果として国民生活と経済活動の基盤である電気料金の大幅値上げにも繋がる」と指摘。「小売競争環境の維持のために2点を要望する」としています。

 インバランス単価については「遡及的な見直し、または託送料金の減額等での合理的な還元を求める」「遡及的に見直す場合は高騰した単価でも約定し、供給力確保義務履行を務めた事業者が、インバランスを中心に補給を受けた事業者よりも経済的に不利にならないような還元を強く求める」としています。

ひっ迫の要因、気象・LNG火力減少のほか、需要予測の甘さも

 経産省によれば、こうした電力需給ひっ迫は、非常に強い寒気の流れ込みによる需要の急増という要因に加え、悪天候による太陽光発電の発電量の低下、燃料在庫の減少にともなうLNG火力の出力低下などが影響しています。一方では、一般送配電事業者、新電力双方の需要予測の甘さ、電力供給体制の脆弱性も強く指摘されています。

 同19日開催の電力・ガス基本政策小委員会では、「電力需給及び市場価格の動向」と「スポット市場価格の動向」を見たうえで、委員より多くの視点から意見が出されました。

 リスク管理面からは、「需給ひっ迫時にはインバランス料金単価が600円程度まで高騰すると想定されている。市場参加者がリスクを理解して管理すべき。今回の事象で右往左往してはいけない」「小売事業者の供給確保義務についてどう考えるのか。リスク感が薄れていたのではないか」といった意見。小売面からは、「新電力の経営に甚大な影響を及ぼす。新規参入者のハードルが上がり、需要家も新電力を信頼できないという印象を持ってしまう懸念もある」などといった意見がありました。

 電源確保の視点からは、「電源の種類の多様化が大事。火力においても燃料の種類に多様化が必要」「あらためてエネルギーや電源のミックスの重要性がはっきりした。火力や原子力を持ちながらベストミックスを図っていくことが必要。火力については燃料構成の多様化が必要」といった意見がありました。

 さらに、制度設計・運用面からは「容量市場がうまく機能しても、今回の需給ひっ迫には十分に対応できないのではないか。燃料付きを義務付けるべきか」「需給ひっ迫の中で、何らかの市場支配力の行使があったか監視していくことは重要」「クローズな議論になりがちだが、公共財・インフラを扱う投機目的ではない市場において、極端な安値・高値に振れて良いものなのか」といった意見も聞かれました。

 経産省はこの日の小委員会に、検証・議論の論点として①燃料調達の在り方を含めた安定的な電力供給量の確保のあり方、②供給能力確保のあり方、③需給ひっ迫時を含めた広域的な安定供給確保に向けた運用面のあり方、④より効率的に安定供給を確保するための電力市場のあり方を提示しました。カーボンニュートラル実現と安定供給の両立に向けた電源投資確保の方策を含めた議論を進めたい考えで、これまでたびたび見直されてきたインバランス制度そのものもさらに見直す動きになっています。

LPガス系小売事業者、取引販売店に「大きな損失が発生」と注意喚起

こうした中で、LPガス関係の電力小売事業者の中には、取引販売店に向けて「JEPXの電力価格高騰に関する重要なお知らせ」を発信。「弊社は調達の半分を相対電源(固定電源)で仕入れ、価格高騰へのリスクヘッジを図っていたが、過去に前例がない異常な高騰が続き、このままの高騰が続くと取次店にも大きな損失が発生すると想定される」と注意を喚起したところもありました。

 この事業者のエリアでは2020年4~11月は平均8円で推移していましたが、2021年に入って最大250円(1月12日時点)に高騰。1月の調達単価は一般家庭用料金の2.5倍になるとの予測を紹介しています。

 2020年10月、我が国は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。これを受けて進められている「グリーン成長戦略」では、“電力の脱炭素化”が大前提となっており、今年まとまる第6次「エネルギー基本計画」ではそれに向けたシナリオづくりが進んでいます。

 こうした環境激変の中で、LPガス販売事業者が「エネルギーサプライヤー」として生き残っていくには、電力販売が大きな軸足となりつつあるだけに、今回の「災害に匹敵する事態」(小委員会でのオブザーバーコメント)は私たちLPガス業界でも強い衝撃が広がっています。

関係資料はこちら

PDF「電力需給及び市場価格の動向」      
PDF「スポット市場価格の動向」      
PDF「新電力56社共同要望書」      

2021年度予算案、燃料備蓄補助のLPガス分12.2億円に

 2021年度予算案の閣議決定(2020年12月22日)を受け、経済産業省「LPガス関係予算案」(資源エネルギー庁・石油流通課、経産省・産業保安グループ)の概要が12月23日に明らかになりました。それによれば、2020年度補正予算案21.4億円、2021年度当初予算案317.9億円で、総額は339.3億円となり、前年度より34.4億円の減少。LPガス備蓄負担の軽減と自衛的燃料備蓄補助金の時限的措置(2020年度:12.3億円)の終了にともなうもの。自衛的燃料備蓄補助金のうち、LPガス分は12.2億円となり、災害対応バルクへの補助率も見直されます。

流通関係(カッコ内は、2019年度補正予算額+2020年度当初予算額)

  • 災害等対応能力等の強化
    ・自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金:33.6億円(41.1億円)
  • 取引適正化・流通合理化の推進:7.8億円(7.5億円)
    ・取引適正化の推進:0.7億円(0.8億円)
    ・災害対応能力の強化:1.6億円(1.6億円)
    ・販売事業者の構造改善の推進:5.6億円(5.1億円)
  • 備蓄体制の強化:297.9億円(325.2億円)

保安関係:5.6億円(5.6億円)

  • 石油精製業等に係る保安対策に関する調査検討
  • 石油ガス等供給事業に係る保安対策に関する調査検討

スーパー認定事業者のインセンティブを拡大へ

   経済産業省は、新技術を産業保安に有効に活用する「スマート保安」を推進する狙いから、スーパー認定事業者が行う特定設備の変更工事を、都道府県知事の許可から届け出で足りる「軽微な変更工事」へと見直し、インセンティブを拡大していく予定です。ただし、変更の工事の際に第三者(高圧ガス保安協会など)の関与を求める必要があります。ほか、法定点検における新技術の活用も明示していく考えです。

 2020年11月16日に開催した産業構造審議会・高圧ガス小委員会で了承されたことから、2月を目途に関係法令を改正する方針です。

緊急時対応、新型コロナ対応で携帯電話への転送可能に

   経済産業省は、通信技術の発達や新型コロナを受けたテレワークの増加を受け、緊急時対応の技術的能力(液石法規則第29条)について、近く通達「保安機関の認定及び保安機関の保安業務規程の認可に係る運用及び解釈」を改正し、“携帯電話への転送措置”を認めるように見直す予定です。

 一般消費者等からの連絡を確実に受けるため、これまでは「配置条件を満たさない」としてきましたが、改正後は「事業所内での携帯受信」「事業所の近隣における自動転送」「テレワーク中の従業員への自動転送」も認められるようになります。

エネ庁、非常事態宣言再発令でLPガス業界に供給継続を要請

   資源エネルギー庁は1月7日、新型コロナ感染拡大防止に向け、政府から同日に緊急事態宣言が首都圏の1都3県に発令されたことを受け、(一社)全国LPガス協会にLPガス供給をはじめとした業務の継続を文書で要請しました。

 全L協はこれを受け8日、発令対象道府県の拡大も見据え、全国の地方LPガス協会と直接会員に徹底するよう文書で要請しました。

 緊急事態宣言の発令は13日、関西や東海などの7府県も対象に追加されました(1月25日現在)。

経産省、2023年4月以降、液石法の全業務権限を政令市に委譲へ

   経済産業省は、2023年度4月以降を目途に、液石法に基づく全7業務の権限全てを、都道府県から全20政令指定都市に委譲する方針です。2020年12月11日に開催した産業構造審議会・液化石油ガス小委員会で明らかにしました。移行には少なくとも2年以上かかることから、この3月に開催予定の小委員会で了承されしだい、必要な法整備に入る予定です。

 現在は全権限移譲:6道府県(静岡市、浜松市など)、一部権限移譲:4県(さいたま市、岡山市、広島市など)、委譲なし:5府県(神奈川・千葉・京都・福岡・熊本)となっており、高圧ガス保安法関連はすでに対応済みとなっています。

新型コロナ対応で、「計算値による定期消費設備調査」へ

   経済産業省(産業保安グループ)は、新型コロナ感染症を受けた新たな法的措置として、マイコンメーター表示等に基づく「計算値による定期消費設備調査」ができるよう例示基準に追加する予定です。2020年12月11日に開催された産業構造審議会・液化石油ガス小委員会で明らかにしました。

代替措置として例示基準に追加予定

   調整圧力・閉塞圧力・燃焼器入口圧力を確認するには、これまでは消費者宅で各圧力の測定と燃焼器の点火を行う必要があり、マイコンメーターで代替するときも、消費者宅で事前にマイコンメーターと燃焼器間の圧力損失を測定しておくことが条件となっており、いずれも消費者の協力が得られないと実施できませんでした。

 しかし、新型コロナ禍で消費者からの協力が得られにくくなっていることから、「計算値による定期消費設備調査」が追加されることになったもので、圧力損失を計測値と計算値の相関関係を分析し、乖離が小さいことを確認する代替措置が例示基準に追加されます。

  • 代替措置の追加(計算値を使用する措置を例示基準第30節に追加予定)
    ・マイコンメーター表示、「その他データ」等をもとに計算した値を使用可能とする。
    ・計算に必要な「その他データ」は、最大ガス流量(消費量)、管の内径、配管の長さ、継手類など。計算に使用した根拠を記録に残す。
  • 圧力損失:計測値と、計算値(高圧ガス保安協会基準による圧力損失計算方法による)との相関関係を分析し、乖離が小さいことを確認する。
  • 適用範囲:計測値、計算値による圧力損失が0.3kPaを超える場合はマイコンメーターの表示による圧力確認方法は使えない。(例えば、0.3kPaの圧力損失は計算上では長さ約40m程度の配管設備に相当し、著しく長い配管設備ではマイコンメーターによる確認はできない)

2021年1月

全L協・秋元会長、5つの「2021年重点施策」表明

LPガスの地位向上に注力、全L協自体の構造改革も

 (一社)全国LPガス協会の秋元耕一郎会長は、2021年「年頭所感」で、「この3年間、防災・減災対策、国土強靭化、それらにともなうGHP需要の拡大に取り組み、国民の生活を守る最後の砦たるLPガスの地位の向上に努めてきました」としたうえで、脱炭素化や国民の新しい生活様式など国内動向を注視しつつ、本年も「保安の確保、需要の拡大、取引の引適正化、LPガス自動車の普及促進、そして全L協自体の構造改革を推進。同時に、自然災害への対応も徹底してまいります」と表明しました。

重点施策(主な取り組み)

保安の確保

「重大事故ゼロ、CO事故ゼロ」を掲げ3年計画で推進中。4月以降は重点事項に軒先容器の流失防止対策、IoT活用スマート保安の推進などを追加し活動を拡充強化する。

需要の拡大

業界一丸で「需要開発推進運動」を展開中。高効率機器の販売を強化するとともに、GHP空調の普及、公的避難所など防災拠点へのLPガスの常設・常用を推進する。

取引の適正化

LPガスをお客様に積極的に選んでいただけるよう、「料金の算定方法」「算定の基礎となる内容の説明を徹底していく。

LPガス自動車の普及促進

昨年スタートした自立型LPガススタンド認定制度の充実、国土強靭化計画に対応したLPガス自動車の普及、そのための行政機関などへの保有車両一定割合の導入促進、主要ユーザーであるLPガスタクシーの減少防止を働きかけていく。

全L協の構造改革

2019年に策定した販売業界ビジョンを具現する「新アクションプラン」を実行し、構造改革にも着手した。将来の販売業の発展に資する組織となるよう引き続き「構造改革」 を進める。

詳しくはこちら

PDF「全L協秋元会長2021年頭所感」      

資源・燃料分科会、日協「グリーンLPガス」紹介

 総合資源エネルギー調査会の第30回資源・燃料分科会が2020年12月2日に開かれ、“2050年カーボンニュートラル”に向けた資源・燃料政策の方向性が審議されました。この中で、日本LPガス協会が進める「グリーンLPガス」への取り組みも紹介されました。

「プロパネーション」「バイオLPガス」など、課題も

 菅総理は2020年10月の所信表明演説で、2050年に温室効果ガスの排出と吸収で“ネットゼロ”を実現する「カーボンニュートラル」を目指すと宣言。現在審議中の次期「エネルギー基本計画」で、エネルギー分野を中心とした道筋を示す動きにある中、温室効果ガスの85%、CO2の93%を排出するエネルギー部門の対応が大きなカギとなっています。

 この日の分科会で、LPガスについては、「燃料供給インフラの強靱化」「LPガス供給におけるデジタル化」の重要性を示したうえで、日協を事務局とした「グリーンLPガス」への取り組みを紹介。

 「水素と炭素の人工合成によるプロパンの合成(プロパネーション)や、欧州で取り組みが進むバイオLPガスをはじめとする新たなイノベーションの検討が始まった」と報告。一方で、「プロパネーションはメタメーションのように合成に必要な触媒が開発されていない。またバイオLPガスは原料の調達や生産性の向上などが課題である」とされました。

2019年度需給実績、化石燃料シェア85%に低下

 資源エネルギー庁が2020年11月18日に公表した2019年度「エネルギー需給実績」(速報)によれば、最終エネルギー消費は前年度比2.0%減、一次エネルギー国内供給は3.1%減となりました。化石燃料が6年連続で減少する一方、再生可能エネルギーと原子力などの非化石エネルギーは7年連続で増加。この結果、化石燃料シェアは、東日本大震災以降で最小となる85.0%に低下し、非化石燃料シェアが15.0%に上昇しました。

詳しくはこちら

PDF「第30回 総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会」      
PDF「2019年度エネルギー需給統計」      

液石小委、「安全高度化計画2030」(本文案)を提示

 経済産業省(ガス安全室)は、2020年12月11日に開かれた産業構造審議会の第13回液化石油ガス小委員会で、次期保安対策指針となる「液化石油ガス安全高度化計画2030(本文案)を提示しました。2021年3月開催の次回会合で決定し、2021年度から実施されます。

10カ年計画、全体指標「死亡事故1件未満、事故件数25件未満」

 安全高度化計画は、事業者と保安機関の2者に国が保安活動を要請するこれまでのものから、都市ガスと同様に、国、事業者、需要家、関係事業者による協働体制で取り組む10カ年計画(2021~2030年)に変更。新たに掲げる高度化指標は、全体指標「死亡事故1件未満、事故件数25件未満」のほか、販売形態、起因者、場所別にも設定し、死亡事故など重大事故の撲滅とともに、物損事故等も着実に低減するため、各対策項目をアクションプランとして策定します。

 具体的な対策には、これまでの消費者起因事故、事業者起因事故、自然災害への各対策に加え、「保安基盤」として①保安管理体制(経営者の自己評価、事業者義務の再確認、長期人材育成を踏まえた保安教育の確実実施)と、②スマート保安の推進(スマートメーター・集中監視による保安高度化)が盛り込まれます。

 この日の液石小委ではほか、液石法事務・権限の指定都市への移譲、福島県郡山市爆発事故、新型コロナ禍対応、自然災害対策が審議されました。

郡山事故(発生:2020年7月30日、業務用、人的被害:死者1名・重軽傷者19 )

事故原因

「厨房シンク下、コンクリート上に直に設置され腐食した白管(SGP配管)からガスが漏えい。何らかの着火源により着火して爆発したと推定される」(経産省)と報告。

消費設備の基準適合義務(液石法条文との関係)

  • 配管の腐食:シンク下の白管に著しい腐食。白管は床面を中心に腐食箇所が複数あり。
  • 配管の設置状況:屋内の多湿部、水の影響を受けるおそれのある場所などに白管を使用。コンクリート面等の導電性の支持面に直接触れない措置はなし。

保安機関の点検・調査(液石法条文との関係)

  • 主な指摘事項:ガス栓劣化、接続管基準・燃焼機器故障(=否)。
  • 特記事項:「警報器とメーターを連動してください」。
  • (消費者側)保安機関の指摘に消費設備改善の痕跡は未確認。
  • 腐食の指摘:過去の点検・調査記録等からは確認されていない。保安機関は2019年12月の定期点検調査では「配管(腐食・腐食防止措置等)=良」としていた。

ガス漏れ警報器など(液石法条文との関係)

  • 警報器:設置されていたが、事故発生前に鳴動を認知した者はいない。警報器の電源等などは不明な点が多い。

自然災害対策(容器流出防止)

 (一社)全国LPガス協会などと行った容器流出対策検討会の結果(10月)を報告し、共通基礎的な対策は法令でルール化し、その他の有効な対策案は災害マニュアルなどに反映する。

共通基礎的対策(法令に反映)

地域

浸水のおそれがある場所(洪水浸水想定区域<想定最大規模>など)

対策
  • 上半部、下半部に鎖またはベルトによりゆるみなく容器を固定する。
  • ガス放出防止型高圧ホースを使用する。(更新時)
  • 外壁の金具は、容器が浮上しても鎖またはベルトが外れにくいものを使用する。
その他多様な対策例(災害マニュアルに反映)
  • 独立支柱(埋設式、アンカー式)により容器を固定する。
  • 壁に専用固定金具を取りつけて、容器を固定する。
  • 容器収納庫に格納する。
  • 容器プロテクターまたはスカート穴に鎖またはベルトを通して固定する。
  • プロテクターを付ける。(バルブ損傷対策)
詳しくはこちら

PDF「第13回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 液化石油ガス小委員会」      

経産省、「郡山事故」受け改善の徹底を再要請

 経済産業省(産業保安グループガス安全室)は2020年7日、(一社)全国LPガス協会に、郡山事故を受けた注意喚起を、8月に続き再度要請しました。業務用施設の点検調査などで配管の腐食状況を確認できない場合は再調査を実施し、腐食があれば改善するよう要請。消費者が改善に応じない場合は、都道府県に連絡して「基準適合命令で改善を促すようを求めています。

 全L協は要請文書を受けて翌8日、地方LPガス協会、会員事業者などに周知を徹するとともに、要請事項を全L協作成の対応フローに沿って措置するよう要請しました。

日晴金属、容器転倒・流出を防ぐ「LPG壁面固定金具」を開発

 日晴金属(本社・大阪市))は2020年12月16日、災害時でもLPガス容器(50kg)の転倒を防止できる「LPG壁面固定金具」を開発し発売したと公表しました。同社は家庭用・業務用エアコンやエコキュート、冷凍機、ビルマル、GHPなどの室外機据付部品を製造・販売する企業。お客様から災害時も転倒を防げる商品が欲しいとの要望を受け、流出と転倒を確実に防げる商品を目指して開発したということです。

主な特徴

①耐震計算書の発行が可能

 容器を囲むコの字型の金具を壁面にコーチボルトまたはアンカーボルトで固定。前面は上下2段のT型金具で固定し、容器の転倒を防ぐ。前面のT型金具は、容器高さ1/4と3/4の位置へステンレス蝶ナット固定する。耐震計算書の発行が可能。

②スピーディーにボンベ交換

 前面T型金具は、蝶ナットを3~4回緩めると縦向きに90度回転し、工具なしで容器交換ができる。

③さまざまな壁面に対応

 布基礎部分のジョイントは50mm調整可能。壁面と布基礎との段差も対応できる。

日晴金属、容器転倒・流出を防ぐ「LPG壁面固定金具」を開発

LPガス用等一般複合容器、再検査・充填可能期間延長へ議論開始

 産業構造審議会の第17回高圧ガス小委員会が2020年11月16日に開かれ、一般複合容器の規則、刻印等の方式などの見直しについて方向性が検討されました。

見直しの方向性

一般複合容器の規則見直し

  • 今後、LPガス用など一般複合容器の再検査期間、充填可能期間の延長の是非について議論を開始する。
  • 特認の一般ルール化は、安全上問題ないと考えられる範囲で技術進展の要素を積極的に取り込んでいく。

刻印等の方式に関する見直し

  • 検査実施者の符号はアルミニウム箔への刻印、その他の事項はアルミニウム箔に刻印または印字とできるよう見直す。

その他関連する見直し

  • LPガス用の一般複合容器は、内容積の標章に当たり、その値を代表値とすることなど、溶接容器と同等とできるよう通達等で明確化する。
  • LPガス充塡容器も黒色も使用可能であることを通達等で明確化する。

詳しくはこちら

PDF「第17回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 高圧ガス小委員会」      

2020年7~9月家庭消費量、新型コロナ禍でLPガスは7.6%増加

 住環境計画研究所が2020 年11月27日に公表した「(新型コロナ禍の)家庭のエネルギー消費への影響分析」(第3報)によれば、2020年度第2四半期(7~9月)の家庭エネルギー消費量は、巣ごもり効果で前年同期に比べ3.7%増え。光熱費の負担も増加しました。消費量は電気5.1%増、都市ガス3.9%増、灯油19.2%減の中、LPガスは7.6%増でした(業界紙報道)。

7~9月の世帯当たり消費量は6.30GJで、前年同期比3.7%増加

緊急事態宣言発令は解除も、外出を控え、エネルギー消費量が増加

  • 7~9月の2人以上世帯当たりの電気・都市ガス・LPガス・灯油を合計したエネルギー消費量は、全国平均で6.30GJで、2019年の6.08GJから0.22GJ増加(3.7%)となった。
  • 2019年消費量は2018年と比べ0.24GJ減(3.9%)だが、その主要因は気温の影響と考えられる。一方、2020年は2018年と同水準であるものの(2018年6.32GJ→2020 年6.30GJ)、気温の影響は2018年と2019年の中間程度の水準にある。
  • 2020年7~9月は、緊急事態宣言発令は解除されたものの、例年と比べると外出を控える傾向が続いた。このことは消費量増加の主要因となっている可能性がある。

3~8月の家庭用・業務用は4.3%減少

 日本LPガス協会まとめによれば、2020年3~8月の家庭用・業務用の販売量は、3,225千トンで、前年同期より145千トン(4.3%)減少しました。自動車用は194千トンで103千トン(34.6%)の減少。こうした結果、全体需要も5,954千トンとなり、656千トン(9.9%)減少しました。

詳しくはこちら

PDF「住環境計画report」      
PDF「最近のLPガスの動向について20201127」      

全国消団連、エネ庁に無償配管対策を求める要請書提出

 (一社)全国消費者団体連絡会は2020年11月19日、資源エネルギー庁(石油流通課)に「LPガス無償配管・無償貸与等による料金の不透明に対し抜本的対策を求める要請書」を提出しました。要請事項は①無償配管・無償貸与の商慣行の是正、②LPガス料金の明細の明示、③すべての事業者の標準的メニューの公表、の3項目です。

無償配管是の是正、料金明細の明示、全事業者の標準メニュー公表を要請

 全国消団連では、エネ庁が他省庁と連携して問題改善に動いていると見て、同年3月に提出した「料金透明化と取引適正化に向けた意見」のうち、無償配管・無償貸与問題に絞って要請したと説明しています。

 要請書では、無償配管・無償貸与問題の解決には「不動産業界とも足並みをそろえて商慣行を改めていく必要があるとし、「国土交通省・公正取引委員会・消費者庁・地方自治体等と連携して抜本的な対策に着手してほしい」と要望。料金明細については、「訪問販売の場合は(特商法の)『重要事項の不告知』にあたる恐れがある」と指摘するとともに、「LPガス付属設備に関する費用を消費者が負担せざるを得ない場合は、料金の内訳明細を明示するよう求める」としています。

 また、「標準メニューの公表」では「店頭での表示のみでは不十分である」と指摘。「電話問い合わせの速やかな回答、ホームページへの掲載を求めてほしい(ホームページのない事業者は県協会ホームページを活用)」としています。

詳しくはこちら

PDF「全国消団連要請書20201119」      

料金表や広告チラシは税込み表示で

総額表示の義務化

 2021年4月1日から、商品や料金の「総額表示」が義務付けられます。「総額表示」とは、消費者の誤認を防ぐことが目的で、値札、チラシ、ホームページ、カタログなどの表示を、消費税込みで記載することを義務付ける制度です。

 これまでは、「本体価格」を表示し「税別」とする記載も認められていました。これは2019年10月の消費税増税に際し、企業等の負担を軽減するための「特例措置」として「誤認防止措置をとれば」税抜表示も許すとしていたものです。この特例の期間が3月31日で切れるため、4月1日以降、税抜表示は「法違反」となります。

総額表示の正しい表記

 総額表示は消費税込みの「実際に支払う金額」を記載する必要があります。したがって、これまで見られた下記のような例の表記は、総額表示としての正しい表記に改める必要があります。

(例)本体価格10,000円、消費税1,000円の商品の表記

これまでよく見られた表記(誤った表記)
  • 「10,000円(税別価格)」
  • 「10,000円(税別)」
  • 「10,000円(税抜)」
  • 「10,000円(本体価格)」
  • 「本体10,000円」
  • 「10,000円+消費税」
  • 「10,000円+税」
  • 「10,000円(表示価格は税別です)」
  • 「10,000円(別途、消費税がかかります)」
総額表示として正しい表示
  • 11,000円
  • 11,000円(税込)
  • 11,000円(うち消費税1,000円)

インボイス制度への対応準備も

 現行では総額表示義務に反しても罰則規定はありません。しかし総額表示が義務化した中で税抜き表示を続けると、消費者から「安く誤認させようとしている」という疑いを招き、信用を失う恐れもあります。

 また、見積書や請求書、業者間取引は総額表示義務の対象となっていません。しかし、2023年10月1日からの適格請求書等保存方式(インボイス制度)への対応準備のためにも、請求書、見積書等での消費税額の表示は進めておいた方がよいと言えます。

参考/国税庁ホームページ

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6902.htm