エネルギー業界ニュース

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2021年2月2021年1月2020年2019年 ・2018年

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2021年2月

【続々報】経産省、再生可能エネ電気卸供給でも「特例承認」要請

 経済産業省は2月5日、1月の卸電力市場価格の急激な高騰は、市場価格連動料金で再生可能エネルギー電気卸供給を受けている小売事業者の需要家にも大きな影響が考えられるとして、一般送配電事業者に“再生可能エネ電気卸供給約款により難い特別の事情がある場合”の「特例承認」を申請するよう要請するなど、需要家の電気料金負担が激変しないよう追加的な対応をとったことを公表しました。1月分のインバランス料金を最大5カ月に分割して支払うことができる特例承認は同12日、一般送配電事業者9社が認可を受けました。

卸電力高騰ですべて市場連動の再生可能エネ電気卸供給にも大きな影響

 経産省は1月29日、卸電力市場価格の高騰で需要家の電気料金負担が激変しないよう、「需要家に対する柔軟な対応の要請」「卸供給を受ける小売事業者等への柔軟な対応の要請」「一般送配電事業者への要請」「日本卸電力取引所への要請」「経産省への相談窓口の設置 などの対応を行いました。

 一方、再生能エネ電気卸供給料金もすべて卸電力市場価格連動となっており、再生可能エネ電気卸供給を利用する事業者も今後、それまでの価格水準と比べて高額の料金を支払うこととなります。経産省はこれにより、一時的に高額の供給力不足時の精算金を支払うことになる事業者と同様に、需要家料金に大きな影響がある場合も考えられると判断。

 この事態は、電気事業者による再生可能エネ電気の調達に関する特別措置法上の「再生可能エネ電気卸供給約款により難い特別の事情がある場合」(第18条第2項ただし書)に該当するとして、一般送配電事業者に「特例承認」を申請するよう要請するなど、次の3措置をとりました。

要請内容

  • 一般送配電事業者は、電気事業者による再生可能エネ電気の調達に関する特別措置法第18条第2項ただし書の規定による承認(「特例承認」)の申請を行うこと。
  • 小売電気事業者が、一定の要件を満たす場合、特例承認が行われた日の翌営業日以降に支払期日を迎える1カ月分の再生可能エネ電気卸供給料金については、その支払期日を最大4カ月間延長し、原則均等に分割して支払うことを可能にすること。
  • 小売電気事業者から特例承認が行われた日の翌営業日までに経産省に申し入れがあった場合には、要件を満たしているかどうかにかかわらず、その支払期日を一律に1カ月間延長すること。

【続報】経産省、卸電力高騰受け、料金負担が激変しない柔軟対応を要請」要請

 経済産業省は1月29日、1月の卸電力市場価格の急激な高騰を踏まえ、需要家の電気料金負担が激変しないよう「柔軟な対応」を要請するなどしたと発表しました。卸電力市場価格が急激に高騰する中でも、需要家が安定的な電力供給サービスを継続的に享受できるよう、特に市場連動型の電力料金メニューを提供する小売電気事業者に、料金負担が激変しないよう柔軟な対応を要請したということです。

「市場連動型料金メニュー」提供する小売電気事業者に特に要請

 今冬は、厳しい寒さと天候不順等による電力需給のひっ迫で、1月の卸電力市場(スポット市場)の月間平均価格(1月29日受け渡し分まで)は1kWhあたり66.91円で、月間平均価格としては過去最高となる見通しにあります。

 こうした状況を受け、経産省は15日にインバランス料金(供給力不足時等の精算金)単価の上限を200円とする措置を一般送配電事業者に要請するとともに、市場関連情報の公開、厳格な市場監視などを実施。現状、足下の卸電力市場価格は安定的に推移しています。

 こうした中、市場連動型の電力料金メニューを選択している需要家には大きな影響が生じかねないことから、電力・ガス取引監視等委員会に相談窓口を設置するとともに、契約内容の確認と契約の切り替え方法を周知しています。ただ、新型コロナ禍の影響が続く中、すでに1月分の料金請求が始まっているため、経産省は需要家の電気料金負担が激変しないよう新たに次の対応を実施しました。

需要家に対する柔軟な対応の要請

 卸電力市場価格が急激に高騰する中でも、需要家が安定的な電力供給サービスを継続的に享受できるよう、特に市場連動型メニューを提供する小売電気事業者に、需要家の電気料金負担が激変しないよう、柔軟な対応を要請した。

卸供給を受ける小売電気事業者等に対する柔軟な対応の要請

 小売電気事業者等の中には、他の小売電気事業者等から市場連動型の電気料金で卸供給サービスを受けている事業者がいると考えられる。こうした卸供給サービスを提供する小売電気事業者に、取引の相手方の卸料金負担が激変しないよう、柔軟な対応を要請した。

一般送配電事業者への要請

 卸電力市場価格の急激な高騰にともない、卸電力市場で電力を調達できず、今後一時的に高額の供給力不足時の精算金を支払うことが必要となる事業者が出て、需要家に大きな影響がでる場合も考えられる。

 今回の事象は、「託送供給等約款により難い特別の事情がある場合」(電気事業法第18条第2項ただし書)に該当すると考えられるので、一般送配電事業者に、「法第18条第2項ただし書」の認可申請など、①「別紙」に関する措置の申請を2月15日から受け付けるために必要な手続を取ること、②「別紙」の措置に係る小売電気事業者からの相談窓口を設置すること、③経産省に設置する窓口と密接に連携することを要請した。

JPEXへの要請

 小売電気事業者等には、JPEX(一般社団法人日本卸電力取引所)に預託金を支払うことや市場取引の資産要件を満たすことが困難なケースも考えられるため、同取引所にこうした事業者に対する柔軟な対応を行うよう要請した。

 

経産省への窓口の設置

 経産省では29日、これらの措置に係る小売電気事業者等からの相談窓口を設置した。
【小売電気事業者からの相談窓口】電話:03-3501-1582(直通、9時00分~17時00分)、ファクス:03-3580-8485

今冬の電力需給ひっ迫、卸価格が高騰し新電力の経営を強く圧迫

インバランス料金も高騰、電力・ガス基本政策小委であり方論議

 「数年に一度レベル」とされる非常に強い寒気の流れ込みにより、2020年12月下旬から2021年1月上旬の電力需給がひっ迫したことで、電力卸売価格が高騰し、新電力の経営を強く圧迫しています。経済産業省はこのため、急きょ1月15日にインバランス料金単価の上限価格を1kWhあたり200円とし、同17日供給分から適用する特別措置を講じました。

 電力需給はその後緩和しつつあるものの、同18日には新電力56社が「卸電力長期高騰」への対応を求めて共同要望書を提出。総合資源エネルギー調査会の電力・ガス基本政策小委員会が同19日に開催した第29回会合では、委員から「市場参加者はしっかりリスク管理をすべき。右往左往してはいけない」「新電力の経営に甚大な影響を及ぼし、需要家からも信頼されなくなる」「改めてエネルギーや電源のミックスの重要性がはっきりした」などの多くの意見が出ました。事務局である経産省は「論点を整理・報告のうえ、引き続き議論いただきたい」と述べ、この日は対応策の具体的な方向性は示しませんでした。

スポット価格(1日平均)、最高価格154.6円まで急騰

 インバランス料金は、新電力が自らの計画電力量に対し「30分同時同量」を達成できず、一般電気事業者がその不足分(インバランス)を補給したときに課せられる、罰則の狙いも込められた料金です。多くが自らの電源を持たない新電力にとって、電力を安定供給するには、相対契約電源の不足分は日本卸電力取引所(JPEX)から適価でスポット購入することになります。

 今冬は12月下旬から1月上旬にかけ、日本列島に非常に強い寒気が流入。このため、電力需要が前年同期を1割も上回り、特に12月17日、1月8日、12日には30億kWh台を大きく突破する事態が発生しました。

 このため、電力需給の予備率(当日朝)は東京、中部、沖縄除く各エリアで1~2%に低下。これにともない電力卸売価格(スポット市場価格)も12月中旬以降から高騰しはじめ、一般家庭用の1kWhあたりの電気料金がほぼ20円台である中、1月には1日(48コマ)平均で100円を超える日も出始め、13日には1日平均の最高価格が154.6円まで急騰しました。 コマごとのシステムプライスもほぼ連日最高値を更新し、15日には251.0円を記録。前年度の最高値60.0円の4倍にも跳ね上がりました。

 2019年度のシステムプライス平均値は7.9円でしたが、これにより2020年度は1月19日までで11.3円と大きく上昇しています。

今冬の電力需給(電力量)の推移、スポット市場の動き(小委員会資料)

今冬の電力需給(電力量)の推移、スポット市場の動き
スポット市場 システムプライスの長期遷移

経産省、急きょインバランス料金の上限価格を200円に

 こうした卸売価格高騰の影響の広がりを懸念していた経産省は、1月12日から15日まで取引価格の最高価格が4日連続で200円を超えたことから、急きょインバランス料金単価の上限価格を1kWhあたり200円にする特別措置を決め、15日に17日の電力供給分から適用し、6月30日まで続けると発表。需給ひっ迫時の措置として2022年4月から設ける予定だった上限価格を前倒しで適用しました。

 そのうえで、「託送供給等約款により難い特別の事情」(電気事業法第18条第2項ただし書)に該当するとして、一般送配電事業者に必要な手続きを行うよう要請。これを受けて一般送配電事業者10社から申請があったことから、電力・ガス取引監視等委員会の意見も踏まえ、同日認可しました。

新電力56社、経産省に「取引価格の長期高騰」で共同要望

 自らの電源を持たない多くの新電力や市場連動型料金プランを提供する企業は、この卸売価格の高騰で安定供給、顧客対応の両面から苦境に立たされ、新電力56社は同18日、経産省に共同で「卸電力市場の取引価格の長期高騰に対する対応要望」を行いました。

 要望内容は、「市場価格を形成している需要曲線/供給曲線・予備力・燃料在庫状況など各種情報の情報公開」と、「市場高騰をした期間に一般送配電事業者がインバランス等で想定外に得た利得を合理的に小売電気事業者・国民に還元すること」の2点です。

 要望書は「2020年年末よりJEPXスポット市場と時間前市場の約定価格が通常の10倍程度になる事象が発生した。需給状況が災害時のレベルでひっ迫していることが要因といえる」としたうえで、「電源を持たない新電力が多い中で、各社は供給力確保義務履行のため、JEPXを重要な調達源としており、高騰は経営上大きなインパクトとなっている。これは結果として国民生活と経済活動の基盤である電気料金の大幅値上げにも繋がる」と指摘。「小売競争環境の維持のために2点を要望する」としています。

 インバランス単価については「遡及的な見直し、または託送料金の減額等での合理的な還元を求める」「遡及的に見直す場合は高騰した単価でも約定し、供給力確保義務履行を務めた事業者が、インバランスを中心に補給を受けた事業者よりも経済的に不利にならないような還元を強く求める」としています。

ひっ迫の要因、気象・LNG火力減少のほか、需要予測の甘さも

 経産省によれば、こうした電力需給ひっ迫は、非常に強い寒気の流れ込みによる需要の急増という要因に加え、悪天候による太陽光発電の発電量の低下、燃料在庫の減少にともなうLNG火力の出力低下などが影響しています。一方では、一般送配電事業者、新電力双方の需要予測の甘さ、電力供給体制の脆弱性も強く指摘されています。

 同19日開催の電力・ガス基本政策小委員会では、「電力需給及び市場価格の動向」と「スポット市場価格の動向」を見たうえで、委員より多くの視点から意見が出されました。

 リスク管理面からは、「需給ひっ迫時にはインバランス料金単価が600円程度まで高騰すると想定されている。市場参加者がリスクを理解して管理すべき。今回の事象で右往左往してはいけない」「小売事業者の供給確保義務についてどう考えるのか。リスク感が薄れていたのではないか」といった意見。小売面からは、「新電力の経営に甚大な影響を及ぼす。新規参入者のハードルが上がり、需要家も新電力を信頼できないという印象を持ってしまう懸念もある」などといった意見がありました。

 電源確保の視点からは、「電源の種類の多様化が大事。火力においても燃料の種類に多様化が必要」「あらためてエネルギーや電源のミックスの重要性がはっきりした。火力や原子力を持ちながらベストミックスを図っていくことが必要。火力については燃料構成の多様化が必要」といった意見がありました。

 さらに、制度設計・運用面からは「容量市場がうまく機能しても、今回の需給ひっ迫には十分に対応できないのではないか。燃料付きを義務付けるべきか」「需給ひっ迫の中で、何らかの市場支配力の行使があったか監視していくことは重要」「クローズな議論になりがちだが、公共財・インフラを扱う投機目的ではない市場において、極端な安値・高値に振れて良いものなのか」といった意見も聞かれました。

 経産省はこの日の小委員会に、検証・議論の論点として①燃料調達の在り方を含めた安定的な電力供給量の確保のあり方、②供給能力確保のあり方、③需給ひっ迫時を含めた広域的な安定供給確保に向けた運用面のあり方、④より効率的に安定供給を確保するための電力市場のあり方を提示しました。カーボンニュートラル実現と安定供給の両立に向けた電源投資確保の方策を含めた議論を進めたい考えで、これまでたびたび見直されてきたインバランス制度そのものもさらに見直す動きになっています。

LPガス系小売事業者、取引販売店に「大きな損失が発生」と注意喚起

こうした中で、LPガス関係の電力小売事業者の中には、取引販売店に向けて「JEPXの電力価格高騰に関する重要なお知らせ」を発信。「弊社は調達の半分を相対電源(固定電源)で仕入れ、価格高騰へのリスクヘッジを図っていたが、過去に前例がない異常な高騰が続き、このままの高騰が続くと取次店にも大きな損失が発生すると想定される」と注意を喚起したところもありました。

 この事業者のエリアでは2020年4~11月は平均8円で推移していましたが、2021年に入って最大250円(1月12日時点)に高騰。1月の調達単価は一般家庭用料金の2.5倍になるとの予測を紹介しています。

 2020年10月、我が国は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。これを受けて進められている「グリーン成長戦略」では、“電力の脱炭素化”が大前提となっており、今年まとまる第6次「エネルギー基本計画」ではそれに向けたシナリオづくりが進んでいます。

 こうした環境激変の中で、LPガス販売事業者が「エネルギーサプライヤー」として生き残っていくには、電力販売が大きな軸足となりつつあるだけに、今回の「災害に匹敵する事態」(小委員会でのオブザーバーコメント)は私たちLPガス業界でも強い衝撃が広がっています。

関係資料はこちら

PDF「電力需給及び市場価格の動向」      
PDF「スポット市場価格の動向」      
PDF「新電力56社共同要望書」      

2021年度予算案、燃料備蓄補助のLPガス分12.2億円に

 2021年度予算案の閣議決定(2020年12月22日)を受け、経済産業省「LPガス関係予算案」(資源エネルギー庁・石油流通課、経産省・産業保安グループ)の概要が12月23日に明らかになりました。それによれば、2020年度補正予算案21.4億円、2021年度当初予算案317.9億円で、総額は339.3億円となり、前年度より34.4億円の減少。LPガス備蓄負担の軽減と自衛的燃料備蓄補助金の時限的措置(2020年度:12.3億円)の終了にともなうもの。自衛的燃料備蓄補助金のうち、LPガス分は12.2億円となり、災害対応バルクへの補助率も見直されます。

流通関係(カッコ内は、2019年度補正予算額+2020年度当初予算額)

  • 災害等対応能力等の強化
    ・自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金:33.6億円(41.1億円)
  • 取引適正化・流通合理化の推進:7.8億円(7.5億円)
    ・取引適正化の推進:0.7億円(0.8億円)
    ・災害対応能力の強化:1.6億円(1.6億円)
    ・販売事業者の構造改善の推進:5.6億円(5.1億円)
  • 備蓄体制の強化:297.9億円(325.2億円)

保安関係:5.6億円(5.6億円)

  • 石油精製業等に係る保安対策に関する調査検討
  • 石油ガス等供給事業に係る保安対策に関する調査検討

スーパー認定事業者のインセンティブを拡大へ

   経済産業省は、新技術を産業保安に有効に活用する「スマート保安」を推進する狙いから、スーパー認定事業者が行う特定設備の変更工事を、都道府県知事の許可から届け出で足りる「軽微な変更工事」へと見直し、インセンティブを拡大していく予定です。ただし、変更の工事の際に第三者(高圧ガス保安協会など)の関与を求める必要があります。ほか、法定点検における新技術の活用も明示していく考えです。

 2020年11月16日に開催した産業構造審議会・高圧ガス小委員会で了承されたことから、2月を目途に関係法令を改正する方針です。

緊急時対応、新型コロナ対応で携帯電話への転送可能に

   経済産業省は、通信技術の発達や新型コロナを受けたテレワークの増加を受け、緊急時対応の技術的能力(液石法規則第29条)について、近く通達「保安機関の認定及び保安機関の保安業務規程の認可に係る運用及び解釈」を改正し、“携帯電話への転送措置”を認めるように見直す予定です。

 一般消費者等からの連絡を確実に受けるため、これまでは「配置条件を満たさない」としてきましたが、改正後は「事業所内での携帯受信」「事業所の近隣における自動転送」「テレワーク中の従業員への自動転送」も認められるようになります。

エネ庁、非常事態宣言再発令でLPガス業界に供給継続を要請

   資源エネルギー庁は1月7日、新型コロナ感染拡大防止に向け、政府から同日に緊急事態宣言が首都圏の1都3県に発令されたことを受け、(一社)全国LPガス協会にLPガス供給をはじめとした業務の継続を文書で要請しました。

 全L協はこれを受け8日、発令対象道府県の拡大も見据え、全国の地方LPガス協会と直接会員に徹底するよう文書で要請しました。

 緊急事態宣言の発令は13日、関西や東海などの7府県も対象に追加されました(1月25日現在)。

経産省、2023年4月以降、液石法の全業務権限を政令市に委譲へ

   経済産業省は、2023年度4月以降を目途に、液石法に基づく全7業務の権限全てを、都道府県から全20政令指定都市に委譲する方針です。2020年12月11日に開催した産業構造審議会・液化石油ガス小委員会で明らかにしました。移行には少なくとも2年以上かかることから、この3月に開催予定の小委員会で了承されしだい、必要な法整備に入る予定です。

 現在は全権限移譲:6道府県(静岡市、浜松市など)、一部権限移譲:4県(さいたま市、岡山市、広島市など)、委譲なし:5府県(神奈川・千葉・京都・福岡・熊本)となっており、高圧ガス保安法関連はすでに対応済みとなっています。

新型コロナ対応で、「計算値による定期消費設備調査」へ

   経済産業省(産業保安グループ)は、新型コロナ感染症を受けた新たな法的措置として、マイコンメーター表示等に基づく「計算値による定期消費設備調査」ができるよう例示基準に追加する予定です。2020年12月11日に開催された産業構造審議会・液化石油ガス小委員会で明らかにしました。

代替措置として例示基準に追加予定

   調整圧力・閉塞圧力・燃焼器入口圧力を確認するには、これまでは消費者宅で各圧力の測定と燃焼器の点火を行う必要があり、マイコンメーターで代替するときも、消費者宅で事前にマイコンメーターと燃焼器間の圧力損失を測定しておくことが条件となっており、いずれも消費者の協力が得られないと実施できませんでした。

 しかし、新型コロナ禍で消費者からの協力が得られにくくなっていることから、「計算値による定期消費設備調査」が追加されることになったもので、圧力損失を計測値と計算値の相関関係を分析し、乖離が小さいことを確認する代替措置が例示基準に追加されます。

  • 代替措置の追加(計算値を使用する措置を例示基準第30節に追加予定)
    ・マイコンメーター表示、「その他データ」等をもとに計算した値を使用可能とする。
    ・計算に必要な「その他データ」は、最大ガス流量(消費量)、管の内径、配管の長さ、継手類など。計算に使用した根拠を記録に残す。
  • 圧力損失:計測値と、計算値(高圧ガス保安協会基準による圧力損失計算方法による)との相関関係を分析し、乖離が小さいことを確認する。
  • 適用範囲:計測値、計算値による圧力損失が0.3kPaを超える場合はマイコンメーターの表示による圧力確認方法は使えない。(例えば、0.3kPaの圧力損失は計算上では長さ約40m程度の配管設備に相当し、著しく長い配管設備ではマイコンメーターによる確認はできない)

2021年1月

全L協・秋元会長、5つの「2021年重点施策」表明

LPガスの地位向上に注力、全L協自体の構造改革も

 (一社)全国LPガス協会の秋元耕一郎会長は、2021年「年頭所感」で、「この3年間、防災・減災対策、国土強靭化、それらにともなうGHP需要の拡大に取り組み、国民の生活を守る最後の砦たるLPガスの地位の向上に努めてきました」としたうえで、脱炭素化や国民の新しい生活様式など国内動向を注視しつつ、本年も「保安の確保、需要の拡大、取引の引適正化、LPガス自動車の普及促進、そして全L協自体の構造改革を推進。同時に、自然災害への対応も徹底してまいります」と表明しました。

重点施策(主な取り組み)

保安の確保

「重大事故ゼロ、CO事故ゼロ」を掲げ3年計画で推進中。4月以降は重点事項に軒先容器の流失防止対策、IoT活用スマート保安の推進などを追加し活動を拡充強化する。

需要の拡大

業界一丸で「需要開発推進運動」を展開中。高効率機器の販売を強化するとともに、GHP空調の普及、公的避難所など防災拠点へのLPガスの常設・常用を推進する。

取引の適正化

LPガスをお客様に積極的に選んでいただけるよう、「料金の算定方法」「算定の基礎となる内容の説明を徹底していく。

LPガス自動車の普及促進

昨年スタートした自立型LPガススタンド認定制度の充実、国土強靭化計画に対応したLPガス自動車の普及、そのための行政機関などへの保有車両一定割合の導入促進、主要ユーザーであるLPガスタクシーの減少防止を働きかけていく。

全L協の構造改革

2019年に策定した販売業界ビジョンを具現する「新アクションプラン」を実行し、構造改革にも着手した。将来の販売業の発展に資する組織となるよう引き続き「構造改革」 を進める。

詳しくはこちら

PDF「全L協秋元会長2021年頭所感」      

資源・燃料分科会、日協「グリーンLPガス」紹介

 総合資源エネルギー調査会の第30回資源・燃料分科会が2020年12月2日に開かれ、“2050年カーボンニュートラル”に向けた資源・燃料政策の方向性が審議されました。この中で、日本LPガス協会が進める「グリーンLPガス」への取り組みも紹介されました。

「プロパネーション」「バイオLPガス」など、課題も

 菅総理は2020年10月の所信表明演説で、2050年に温室効果ガスの排出と吸収で“ネットゼロ”を実現する「カーボンニュートラル」を目指すと宣言。現在審議中の次期「エネルギー基本計画」で、エネルギー分野を中心とした道筋を示す動きにある中、温室効果ガスの85%、CO2の93%を排出するエネルギー部門の対応が大きなカギとなっています。

 この日の分科会で、LPガスについては、「燃料供給インフラの強靱化」「LPガス供給におけるデジタル化」の重要性を示したうえで、日協を事務局とした「グリーンLPガス」への取り組みを紹介。

 「水素と炭素の人工合成によるプロパンの合成(プロパネーション)や、欧州で取り組みが進むバイオLPガスをはじめとする新たなイノベーションの検討が始まった」と報告。一方で、「プロパネーションはメタメーションのように合成に必要な触媒が開発されていない。またバイオLPガスは原料の調達や生産性の向上などが課題である」とされました。

2019年度需給実績、化石燃料シェア85%に低下

 資源エネルギー庁が2020年11月18日に公表した2019年度「エネルギー需給実績」(速報)によれば、最終エネルギー消費は前年度比2.0%減、一次エネルギー国内供給は3.1%減となりました。化石燃料が6年連続で減少する一方、再生可能エネルギーと原子力などの非化石エネルギーは7年連続で増加。この結果、化石燃料シェアは、東日本大震災以降で最小となる85.0%に低下し、非化石燃料シェアが15.0%に上昇しました。

詳しくはこちら

PDF「第30回 総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会」      
PDF「2019年度エネルギー需給統計」      

液石小委、「安全高度化計画2030」(本文案)を提示

 経済産業省(ガス安全室)は、2020年12月11日に開かれた産業構造審議会の第13回液化石油ガス小委員会で、次期保安対策指針となる「液化石油ガス安全高度化計画2030(本文案)を提示しました。2021年3月開催の次回会合で決定し、2021年度から実施されます。

10カ年計画、全体指標「死亡事故1件未満、事故件数25件未満」

 安全高度化計画は、事業者と保安機関の2者に国が保安活動を要請するこれまでのものから、都市ガスと同様に、国、事業者、需要家、関係事業者による協働体制で取り組む10カ年計画(2021~2030年)に変更。新たに掲げる高度化指標は、全体指標「死亡事故1件未満、事故件数25件未満」のほか、販売形態、起因者、場所別にも設定し、死亡事故など重大事故の撲滅とともに、物損事故等も着実に低減するため、各対策項目をアクションプランとして策定します。

 具体的な対策には、これまでの消費者起因事故、事業者起因事故、自然災害への各対策に加え、「保安基盤」として①保安管理体制(経営者の自己評価、事業者義務の再確認、長期人材育成を踏まえた保安教育の確実実施)と、②スマート保安の推進(スマートメーター・集中監視による保安高度化)が盛り込まれます。

 この日の液石小委ではほか、液石法事務・権限の指定都市への移譲、福島県郡山市爆発事故、新型コロナ禍対応、自然災害対策が審議されました。

郡山事故(発生:2020年7月30日、業務用、人的被害:死者1名・重軽傷者19 )

事故原因

「厨房シンク下、コンクリート上に直に設置され腐食した白管(SGP配管)からガスが漏えい。何らかの着火源により着火して爆発したと推定される」(経産省)と報告。

消費設備の基準適合義務(液石法条文との関係)

  • 配管の腐食:シンク下の白管に著しい腐食。白管は床面を中心に腐食箇所が複数あり。
  • 配管の設置状況:屋内の多湿部、水の影響を受けるおそれのある場所などに白管を使用。コンクリート面等の導電性の支持面に直接触れない措置はなし。

保安機関の点検・調査(液石法条文との関係)

  • 主な指摘事項:ガス栓劣化、接続管基準・燃焼機器故障(=否)。
  • 特記事項:「警報器とメーターを連動してください」。
  • (消費者側)保安機関の指摘に消費設備改善の痕跡は未確認。
  • 腐食の指摘:過去の点検・調査記録等からは確認されていない。保安機関は2019年12月の定期点検調査では「配管(腐食・腐食防止措置等)=良」としていた。

ガス漏れ警報器など(液石法条文との関係)

  • 警報器:設置されていたが、事故発生前に鳴動を認知した者はいない。警報器の電源等などは不明な点が多い。

自然災害対策(容器流出防止)

 (一社)全国LPガス協会などと行った容器流出対策検討会の結果(10月)を報告し、共通基礎的な対策は法令でルール化し、その他の有効な対策案は災害マニュアルなどに反映する。

共通基礎的対策(法令に反映)

地域

浸水のおそれがある場所(洪水浸水想定区域<想定最大規模>など)

対策
  • 上半部、下半部に鎖またはベルトによりゆるみなく容器を固定する。
  • ガス放出防止型高圧ホースを使用する。(更新時)
  • 外壁の金具は、容器が浮上しても鎖またはベルトが外れにくいものを使用する。
その他多様な対策例(災害マニュアルに反映)
  • 独立支柱(埋設式、アンカー式)により容器を固定する。
  • 壁に専用固定金具を取りつけて、容器を固定する。
  • 容器収納庫に格納する。
  • 容器プロテクターまたはスカート穴に鎖またはベルトを通して固定する。
  • プロテクターを付ける。(バルブ損傷対策)
詳しくはこちら

PDF「第13回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 液化石油ガス小委員会」      

経産省、「郡山事故」受け改善の徹底を再要請

 経済産業省(産業保安グループガス安全室)は2020年7日、(一社)全国LPガス協会に、郡山事故を受けた注意喚起を、8月に続き再度要請しました。業務用施設の点検調査などで配管の腐食状況を確認できない場合は再調査を実施し、腐食があれば改善するよう要請。消費者が改善に応じない場合は、都道府県に連絡して「基準適合命令で改善を促すようを求めています。

 全L協は要請文書を受けて翌8日、地方LPガス協会、会員事業者などに周知を徹するとともに、要請事項を全L協作成の対応フローに沿って措置するよう要請しました。

日晴金属、容器転倒・流出を防ぐ「LPG壁面固定金具」を開発

 日晴金属(本社・大阪市))は2020年12月16日、災害時でもLPガス容器(50kg)の転倒を防止できる「LPG壁面固定金具」を開発し発売したと公表しました。同社は家庭用・業務用エアコンやエコキュート、冷凍機、ビルマル、GHPなどの室外機据付部品を製造・販売する企業。お客様から災害時も転倒を防げる商品が欲しいとの要望を受け、流出と転倒を確実に防げる商品を目指して開発したということです。

主な特徴

①耐震計算書の発行が可能

 容器を囲むコの字型の金具を壁面にコーチボルトまたはアンカーボルトで固定。前面は上下2段のT型金具で固定し、容器の転倒を防ぐ。前面のT型金具は、容器高さ1/4と3/4の位置へステンレス蝶ナット固定する。耐震計算書の発行が可能。

②スピーディーにボンベ交換

 前面T型金具は、蝶ナットを3~4回緩めると縦向きに90度回転し、工具なしで容器交換ができる。

③さまざまな壁面に対応

 布基礎部分のジョイントは50mm調整可能。壁面と布基礎との段差も対応できる。

日晴金属、容器転倒・流出を防ぐ「LPG壁面固定金具」を開発

LPガス用等一般複合容器、再検査・充填可能期間延長へ議論開始

 産業構造審議会の第17回高圧ガス小委員会が2020年11月16日に開かれ、一般複合容器の規則、刻印等の方式などの見直しについて方向性が検討されました。

見直しの方向性

一般複合容器の規則見直し

  • 今後、LPガス用など一般複合容器の再検査期間、充填可能期間の延長の是非について議論を開始する。
  • 特認の一般ルール化は、安全上問題ないと考えられる範囲で技術進展の要素を積極的に取り込んでいく。

刻印等の方式に関する見直し

  • 検査実施者の符号はアルミニウム箔への刻印、その他の事項はアルミニウム箔に刻印または印字とできるよう見直す。

その他関連する見直し

  • LPガス用の一般複合容器は、内容積の標章に当たり、その値を代表値とすることなど、溶接容器と同等とできるよう通達等で明確化する。
  • LPガス充塡容器も黒色も使用可能であることを通達等で明確化する。

詳しくはこちら

PDF「第17回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 高圧ガス小委員会」      

2020年7~9月家庭消費量、新型コロナ禍でLPガスは7.6%増加

 住環境計画研究所が2020 年11月27日に公表した「(新型コロナ禍の)家庭のエネルギー消費への影響分析」(第3報)によれば、2020年度第2四半期(7~9月)の家庭エネルギー消費量は、巣ごもり効果で前年同期に比べ3.7%増え。光熱費の負担も増加しました。消費量は電気5.1%増、都市ガス3.9%増、灯油19.2%減の中、LPガスは7.6%増でした(業界紙報道)。

7~9月の世帯当たり消費量は6.30GJで、前年同期比3.7%増加

緊急事態宣言発令は解除も、外出を控え、エネルギー消費量が増加

  • 7~9月の2人以上世帯当たりの電気・都市ガス・LPガス・灯油を合計したエネルギー消費量は、全国平均で6.30GJで、2019年の6.08GJから0.22GJ増加(3.7%)となった。
  • 2019年消費量は2018年と比べ0.24GJ減(3.9%)だが、その主要因は気温の影響と考えられる。一方、2020年は2018年と同水準であるものの(2018年6.32GJ→2020 年6.30GJ)、気温の影響は2018年と2019年の中間程度の水準にある。
  • 2020年7~9月は、緊急事態宣言発令は解除されたものの、例年と比べると外出を控える傾向が続いた。このことは消費量増加の主要因となっている可能性がある。

3~8月の家庭用・業務用は4.3%減少

 日本LPガス協会まとめによれば、2020年3~8月の家庭用・業務用の販売量は、3,225千トンで、前年同期より145千トン(4.3%)減少しました。自動車用は194千トンで103千トン(34.6%)の減少。こうした結果、全体需要も5,954千トンとなり、656千トン(9.9%)減少しました。

詳しくはこちら

PDF「住環境計画report」      
PDF「最近のLPガスの動向について20201127」      

全国消団連、エネ庁に無償配管対策を求める要請書提出

 (一社)全国消費者団体連絡会は2020年11月19日、資源エネルギー庁(石油流通課)に「LPガス無償配管・無償貸与等による料金の不透明に対し抜本的対策を求める要請書」を提出しました。要請事項は①無償配管・無償貸与の商慣行の是正、②LPガス料金の明細の明示、③すべての事業者の標準的メニューの公表、の3項目です。

無償配管是の是正、料金明細の明示、全事業者の標準メニュー公表を要請

 全国消団連では、エネ庁が他省庁と連携して問題改善に動いていると見て、同年3月に提出した「料金透明化と取引適正化に向けた意見」のうち、無償配管・無償貸与問題に絞って要請したと説明しています。

 要請書では、無償配管・無償貸与問題の解決には「不動産業界とも足並みをそろえて商慣行を改めていく必要があるとし、「国土交通省・公正取引委員会・消費者庁・地方自治体等と連携して抜本的な対策に着手してほしい」と要望。料金明細については、「訪問販売の場合は(特商法の)『重要事項の不告知』にあたる恐れがある」と指摘するとともに、「LPガス付属設備に関する費用を消費者が負担せざるを得ない場合は、料金の内訳明細を明示するよう求める」としています。

 また、「標準メニューの公表」では「店頭での表示のみでは不十分である」と指摘。「電話問い合わせの速やかな回答、ホームページへの掲載を求めてほしい(ホームページのない事業者は県協会ホームページを活用)」としています。

詳しくはこちら

PDF「全国消団連要請書20201119」      

料金表や広告チラシは税込み表示で

総額表示の義務化

 2021年4月1日から、商品や料金の「総額表示」が義務付けられます。「総額表示」とは、消費者の誤認を防ぐことが目的で、値札、チラシ、ホームページ、カタログなどの表示を、消費税込みで記載することを義務付ける制度です。

 これまでは、「本体価格」を表示し「税別」とする記載も認められていました。これは2019年10月の消費税増税に際し、企業等の負担を軽減するための「特例措置」として「誤認防止措置をとれば」税抜表示も許すとしていたものです。この特例の期間が3月31日で切れるため、4月1日以降、税抜表示は「法違反」となります。

総額表示の正しい表記

 総額表示は消費税込みの「実際に支払う金額」を記載する必要があります。したがって、これまで見られた下記のような例の表記は、総額表示としての正しい表記に改める必要があります。

(例)本体価格10,000円、消費税1,000円の商品の表記

これまでよく見られた表記(誤った表記)
  • 「10,000円(税別価格)」
  • 「10,000円(税別)」
  • 「10,000円(税抜)」
  • 「10,000円(本体価格)」
  • 「本体10,000円」
  • 「10,000円+消費税」
  • 「10,000円+税」
  • 「10,000円(表示価格は税別です)」
  • 「10,000円(別途、消費税がかかります)」
総額表示として正しい表示
  • 11,000円
  • 11,000円(税込)
  • 11,000円(うち消費税1,000円)

インボイス制度への対応準備も

 現行では総額表示義務に反しても罰則規定はありません。しかし総額表示が義務化した中で税抜き表示を続けると、消費者から「安く誤認させようとしている」という疑いを招き、信用を失う恐れもあります。

 また、見積書や請求書、業者間取引は総額表示義務の対象となっていません。しかし、2023年10月1日からの適格請求書等保存方式(インボイス制度)への対応準備のためにも、請求書、見積書等での消費税額の表示は進めておいた方がよいと言えます。

参考/国税庁ホームページ

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6902.htm