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本橋恵一の「これからのエネルギー事業を考えよう」

本橋 恵一:環境エネルギージャーナリスト/コンサルタント・H Energy日本担当カン トリーマネージャー
エネルギー業界誌記者、エネルギーIoT企業マーケティング責任者などを経て、電力システムや再エネ、脱炭素のビジネスモデルなどのレポート執筆、講演などで活躍。著書に『電力・ガス業界の動向とカラクリがよーくわかる本』『図解即戦力 脱炭素のビジネス戦略と技術がしっかりわかる教科書』ほか。

連載61〜連載51〜60連載41〜50連載31〜40連載21〜30連載11〜20連載10:震災と原子力と電力需給ひっ迫連載9:ロシアのウクライナ侵攻で考えること連載8:ブルーオーシャンの孤独連載7:電気料金は下がらない連載6:主役はアプリケーションかもしれない連載5:野球チームからラグビーチームに連載4:ソーラーシェアリングって儲かるの?連載3:電力・ガス料金はもう安くならない連載2:「有馬記念」がなくなる日連載1:エネルギー基本計画はたかだか中期経営計画にすぎない

連載10(2022.3.23)

震災と原子力と電力需給ひっ迫

 3月16日、東北地方で最大震度6強の地震があった。被災された皆様にはお見舞い申し上げたい。

 ところで、3月22日には、経済産業省は電力ひっ迫警報を発令した。地震の影響で東北エリアの発電所が被害を受け、一部が復旧していないことに加え、寒さと雨が重なり、需要増が予測されるからだ。雨の影響で太陽光発電の稼働も期待できない。

 JEPX(日本卸電力取引所)のスポット価格は80円/kWhにはりついているが、これはインバランス料金の上限に相当する価格だ。新電力にとっては、地獄のような一日だろうとも思う。

 こういった状況になると、「原子力発電さえ動いていれば」と考える人は少なくないだろう。あるいは、「石炭火力発電を休止させてはいけない」と考えるのだろうか。そもそも、同じことはLNG価格高騰やロシアへの経済制裁ということでも、同じことを考えているはずだ。

 では、原子力発電の再稼働を促進すべきなのだろうか。答えは、イエスでもノーでもない。というのも、すでに政府も電力会社も再稼働を促進しているし、その結果としてまだ多くが再稼働できていないからだ。この状況でなお、「原子力の再稼働促進」や「新増設の推進」を言う人は、現実が見えていないということだし、そのことが判断を誤らせる。

 また、石炭火力発電の延命は、気候変動に関する物理的、政治的、経済的リスクを考えると選択することは難しいだろう。

 11年前の東日本大震災で原発事故が起きてしまったのは、それが「想定外」か「想定内」かはともかく、原子力発電所が地震に対して脆弱であったことを示している。そのため、十分な耐性を持った発電所にしなくてはいけないし、それぞれの発電所は工事を行ってきてる。それでも、建屋の敷地内に活断層が存在する可能性がある場合には、再稼働は難しい。

 対テロ対策も求められている。実際に、2001年9月11日の米国での同時多発テロでは、旅客機1機はピッツバーグの原子力発電所を標的にしていたと考えられている。

 こうした課題をクリアした上で、日本の原子力発電所はようやく再稼働できるというのが実情だ。
 日本で原子力発電の再稼働が進まないのは、反対運動でも国民的感情でもなく、極めて現実的なプロセスにおける結果だ。
 電力ひっ迫に対し、原子力発電だけが解決法ではないし、むしろ原子力発電そのものは可能な限り再稼働を進めてきた。それでも不足しているというのが現状だ。

 とはいえ、他に何もやってこなかったわけではない。再生可能エネルギーの開発も進めてきたし、今回のように一時的なひっ迫に対しては需給調整市場といったしくみを整備してきた。また、スマートメーターの設置はほぼ完了しており、前回の計画停電のような病院などまで停電させるようなことはないだろう。

 その一方で、建物の断熱化などはあまり進んでいないことも指摘できる。このことが暖房需要の抑制を不十分なものにしている。
 今回、警報を発令したということは、対策はまだ十分ではなかったということでもある。その上で、将来に向けて必要な対策、備えを進めていくことが必要だ。

 電力需給ひっ迫への対策として、原子力発電や石炭火力発電については、実はあまり議論の余地はない。適切な運用を続け、あるいはどこかの時点で休止していくことだ。仮に原子力発電の新増設があるとしても、それは適切な運用を通じて一般市民との間で十分な信頼関係ができてからのことだ。

 これからのエネルギー事業を考えるということは、原子力発電や石炭火力発電の運用が限られ、あるいはLNGの価格が高くなっていくという前提で、次に何をしなければいけないのか、そのことを考えるということだ。

 たぶん、政策立案者も事業者もやることはたくさんあるはずだ。

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連載9(2022.3.9)

ロシアのウクライナ侵攻で考えること

 現在、国際社会において最大の危機的問題となっているのが、ロシアによるウクライナ侵攻であることはまちがいない。ウクライナ国民だけではなくロシア軍兵士も命を落としており、多くの人が心を痛めているはずだ。

 この問題が、エネルギーにも大きく関係しているだけに、LPガス事業者にとっては他人事ではないともいえよう。
 この問題は、どうすれば解決するのかも見えないし、正確な情報も限られており、まさに我々自身、出口が見えない中にいるようだ。
 今回のウクライナ侵攻で気になっているのは、「国際経済」が「ロシア国内政治」を抑止できなかったことだ。

 現在は第二次世界大戦の時期とは、戦争の目的が異なっている。ロシアに限らず、戦争のきっかけは国内問題だといえるだろう。逆に、領土問題ではないともいえる。それぞれの国や地域が経済で深く結びついている以上、侵略してその場所の経済=市場を破壊することは、あまり得策ではないからだ。

 今回の戦争はエネルギーが大きく関係している。それを言えば、第二次世界大戦における日本も同じだったと言われるかもしれない。でも、そうではない。エネルギー資源の確保ではなく、エネルギー市場の確保が重要だったということだ。

 西欧は冷戦時代から、旧ソビエト連邦から天然ガスを輸入するために、パイプラインを整備してきた。それはそれ、これはこれ、である。当時からすでに、それぞれの国の経済的な結びつきや相互依存は強かったということだ。

 ドイツは石炭火力発電を廃止するにあたって、ロシアとの間をつなぐ新たなガスパイプラインのノルドストリーム2を完成させ、運用を待つばかりだった。ロシアにしてみれば、天然ガスを安定して欧州が買ってくれるのであれば、収入が増えるということだ。欧州としても、北海ガス田が生産量を減らしているだけに、ロシア産天然ガスは必要なものだった。

 しかし、米ロ関係が悪化していることで、ノルドストリーム2は運開できない状況に陥っていた。冷静に考えれば、ロシアにとってもっともメリットがあるのは、米ロ関係で妥協し、ノルドストリーム2を運開させることだったはずだ。

 だが、ロシアはそうした選択をしなかった。むしろ、国境を接するウクライナの民主化がロシア国内に及ぶことを恐れていたのではないか。そうしたことから、ロシアはさまざまな形でウクライナに干渉しつづけた。ウクライナはロシアと欧州を結ぶガスパイプラインの要所でもある。ガスの供給を途絶させてしまうと、欧州にガスを売れなくなってしまうという状況があるにもかかわらず、である。

 結局、プーチン政権は追い込まれる形で、ウクライナ侵攻を行った。それは、ロシアが経済的結びつきから切り離されていくことをも意味している。

 シェルをはじめ、エクソンモービル、bp、トタールといった石油メジャーは相次いでロシアから投資を引き上げた。そこには、日本にLNGを供給するサハリンの2つのプロジェクトも含まれている。当然、石油メジャー自身も損失を覚悟の上での判断だ。それでも、ウクライナで起きている悲劇に対して、ノーと言うしかなかった。

 もっとも、だからといって、欧州がロシアからの天然ガスの輸入を止めたわけではなく、日本もとりあえずサハリンからLNGが供給されるという状況ではあるが。

 素人考えかと思われるだろうが、私としては、ノルドストリーム2の運開を交渉材料として、ロシアを思いとどまらせることができなかったのだろうか、と考えている。

 多少、弱腰な交渉であっても、人命が失われるよりはましだ。
 しかし、しばしば政府はそういう判断をしない。ロシア政府はウクライナのクリミア半島を占拠したときに、国民から支持を受けたように、ウクライナにさらに強硬姿勢をしめすことで政権の支持につながると考えたのかもしれない。そして、西側諸国、とりわけ米国がそうした判断をしていたのではないかとも考えられる。

 2001年9月11日の同時多発テロをきっかけとした米国のアフガニスタン侵攻、あるいはイラク戦争もまた、米国政府が強い国家像をしめして、国民からの支持を得るためだったとしたら、ロシア政府の判断と同じものだといえる。そして、結果としてアフガニスタンやイラクでは同時多発テロ以上の死者を出している。

 今起きている、ロシア軍によるウクライナ侵攻については、より早く、合理的な解決がなされることを願っている。それ以上のことはなかなか言えないというのが正直なところだ。

 ところで、ここで経営者に対して教訓があるとしたら、自分を守るための強硬な姿勢は、しばしば会社にとってマイナスではないか、ということだ。現代の企業は、社会経済におけるエコシステムの中で存在している。そのことを忘れてはいけないだろう。


 誰もが幸福になれる選択をするということが大切だ。それはロシア政府にも、そしてその他のすべての国の政府にも考えて欲しいことだ。そして、国民は強い国ではなく、幸福になれる国であることを政府に求めるべきだろう。このことは、国を会社に置き換えてもおなじだ。

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連載8(2022.2.22)

ブルーオーシャンの孤独

 15年以上前、『ブルーオーシャン戦略』というビジネス書が良く売れていた。独自の商品やサービスを開発し、競争相手のいないところで事業を展開するという戦略だ。

 逆に熾烈な競争下にある市場は、レッドオーシャンにたとえられている。

 ところで、エネルギー業界には、けっこうブルーオーシャンが広がっていると思っている。そもそも業界が激変し続けるということは、まだ開発されていないけれども必要な技術やサービスや商品がたくさんあるっていうことだ。

 ところが、実際には多くの事業者が同じような事業に参入し、過剰な競争を展開している。その代表的なものが、小売電気事業だろう。約700社が成長の見込めない市場で争っている。以前のように、卸電力取引市場(JEPX)のスポット価格が安ければ、利益を出しやすい事業だったけれども、そもそもリスクが潜在しており、昨冬、今冬とつづけてスポット価格が上昇し、どの会社も経営は危機的な状況にある。

 とはいえ、実は冷静に考えれば、価格高騰は予測できたし、リスクについてはとっくの昔に、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が示してきた。

 短期的に経営環境が変わったことが問題であり、レッドオーシャンが問題ではない、と思うかもしれない。しかし、そうではない。JEPXの電気を右から左に流すだけの事業がレッドオーシャンとなったことに対し、参入者は価格競争とせいぜいセット販売くらいしか考えることができなかった。そのため、新電力が置かれた状況がこのようになっているということだ。

 しかし、もう少し時間的なスケールを広げて考えれば、再エネが拡大することによって、お客様に最適な形で電気を使ってもらうということは、もっと考えるべきことだった。例えば、市場連動型の料金メニューにした上で、安い時間帯に使ってもらうこと、高騰のリスクを回避するための方策、そもそも消費電力量を減らす工夫。そうしたサービスに対応したアプリケーションの開発は、この国では行われていない。

 こうした例は、これまでのVPP(仮想発電所)や現在のPPA(電力供給契約)などにもみられる。

 では、なぜ多くの事業者がブルーオーシャンには行かずにレッドオーシャンに行ってしまうのか。もちろん、ブルーオーシャンで安定した事業を展開したいと思う経営者は多いだろう。

 しかし、ブルーオーシャンは経営者のメンタルにとって決して楽なものではない。なぜなら、競争相手がいないということは、ベンチマークがないということだからだ。それなら、確実に市場が存在しているレッドオーシャンを目指した方が、精神的には楽なのだろう。甘い期待を持って参入していくことになる。

 多くの経営者は、ブルーオーシャンにおける孤独や不安に耐えられないのではないだろうか。未知の世界にいくリスクをとれないということもいえる。

 でも、ブルーオーシャンであっても、必要な情報を収集し、将来の予測ができれば、どうにかなるかもしれない。ブルーオーシャン戦略においては、経営者の胆力が試されている。

連載7(2022.2.9)

電気料金は下がらない

 LPガス事業者の多くは、小売電気事業においては取次店として事業を展開しているので、卸電力取引所のスポット価格の高騰の影響は小さいかもしれない。一方、小売電気事業者として展開している場合は、経営を左右するほどのダメージを受けていてもおかしくはないだろう。おそらく、経営破綻する新電力が出てくるのではないだろうか。

 海の向こうの英国でも、いくつもの小売電気事業者が経営破綻している。もっとも、英国の場合は小売価格に上限があり、十分な値上げができないという事情もある。

 小売電気事業者は今後、いくつかの選択を迫られることになる。事業をやめてしまうということもひとつの選択だ。あるいは値上げをするのか、市場連動型の電気料金にするのか、という判断もあろう。電源を持っていたとしても、燃料価格の上昇には対応せざるを得ない。

 取次店であったとしても、供給元の小売電気事業者がどのように対応するのかは、顧客に伝えていかなくてはならない。供給元の小売電気事業者が業務を停止してしまう可能性は十分にある。

 電力の市場価格の高騰は、短期的なものではなく、中長期的なものだ。短期的には、発電設備の不足は明確になっており、2022年度の冬まで続くことになる。しかし、化石燃料の価格は2030年頃まで需給がタイトになると考えられる。それまでに再エネと省エネに十分な投資がなされることでようやく解決することになるはずだ。

 では、それまで、新電力には冬の時代が続くのだろうか。おそらく、多くの事業者にとってはそうなるだろう。というのも、「卸電力取引所で仕入れた電気を売れば十分に利ザヤが稼げる」という前提で参入した新電力がほとんどであり、そうした事業者は淘汰されるということだ。

 2016年4月に始まった電力小売全面自由化では、欧米と異なり、日本では価格競争とバンドル化(セット販売)しかしてこなかった。その点、欧米ではメニューに省エネサービスを入れることが必須となっていることが多い。また、そのためにさまざまなサービスを開発してきた。

 では、どのような新電力が残るのだろうか。もちろん、体力のある事業者は残るだろう。しかし、それだけではない。結局のところ、電気事業をはじめとするエネルギー事業は、社会を支える事業であり、ある部分ではインフラ事業、あるいは公益事業である。LPガス事業は公益事業とはされていないが、実質的に公益事業だ。

 社会に必要とされている事業は、社会から見捨てられることはない。顧客が必要とするサービスを提供するのであれば、将来を考えることができる。

 電気料金は下がらない。おそらくLPガス料金も大きく下がることはないだろう。でも、そうしたことを前提に、何が必要とされているのかを考えることは大切だ。考えない企業は淘汰される。

連載6(2022.1.26)

主役はアプリケーションかもしれない

 所属する会社で、小売電気事業のあり方について、ずっと考えている。出した結論の1つは、すくなくともBtoCにおいては、電気を売るのではなく、アプリケーションを提供することが柱になるのではないか、ということだ。アプリで電気やガスを売るのか、と思われそうだが、それはちがう。生活をサポートするということだ。

 ガスはともかく、電気については、時間帯によって価格が変わっている。お客様は気づかないかもしれないが、卸電力取引所のスポット価格はボラティリティが拡大していて、新電力の多くはけっこう苦しんでいる。とりわけ一般家庭はスポット価格が上昇する夕方の需要が大きいので、新電力にとってはつらいところだろう。

 スポット価格が高いので、お客様に対応してもらおうというのは、事業者側の都合でしかない。けれども、実はスポット価格が安い日中は、そもそも太陽光発電が活発に稼働している時間帯だ。ということは、日中の電気の方が環境負荷が小さいということになる。それはすなわち、より安心して電気を使えるということを意味する。

 電気に限った話としては、安心して使用できることをサポートするしくみに、事業者がもたらす価値があるということになる。とはいえ、実際には、生活をサポートするということになれば、電気に限った話にはならない。

 では、どのようなアプリケーションがいいのだろうか。スマートフォン向けアプリを小規模事業者がそれぞれ開発するのでは、手間がかかるだろう。むしろ、大手事業者がアプリケーションをつくり、それを小規模事業者が使えるようにするといいのではないのだろうか。ガスを卸供給し、電気の取次店をやってもらうだけではなく、アプリケーションの提供も大手事業者の重要な取組みになってくるはずだ。

 アプリケーションはなにもスマートフォンだけではない。アナログなサービスもアプリケーションとして構築することができる。事業所そのものをデバイスと考えてサービスを再構築してみるといいだろう。

 東京ガスは英国のオクトパスエナジーと合弁でTGオクトパスという会社を作り、オクトパスエナジーのブランドで日本市場で展開するという。クリーンエネルギーを販売していく電力会社ということになる(ガスもいずれ売ると思う。本国ではすでに販売しているのだから)。

 オクトパスエナジーは電力会社というよりも、自らをテック企業だとしている。同社が英国におけるいわゆる新電力でありながら、現在では英国6大電力会社(日本の旧一般電気事業者に相当)に匹敵する顧客規模に成長した。そこには、お客様に価値をもたらすのが何なのか、既存事業者とは異なる視点があった。英国のオクトパスエナジーのサイトを見れば、どんなサービスが提供されているのかがわかる。

 デジタルトランスフォーメーションが言われて久しい。しかしそれは単純にデジタル化すればいいという話ではなく、そのことがどのような価値をもたらすのか、その点をしっかりと考えていくことが必要だ。

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連載5(2022.1.12)

野球チームからラグビーチームに

 気候変動問題やデジタル化など、ほぼすべての業種において、変革が求められている現在、LPガス会社も言うまでもなく例外ではない。この変化を乗り切るために、組織のあり方を変えるというのも1つの方法だ。というよりも、変化に耐えられる組織づくりが必要ということだ。

 3年ほど前、「ティール組織」というビジネス書がベストセラーになっていたことを憶えているだろうか。簡単に言えば、各個人が自律して動く、フラットな組織である。意思決定においても上下関係はない。

 会社においてそういった組織が成り立つのかどうか、疑問に思われるかもしれないが、実際に存在している。代表的なものとして、訪問看護師の事業所だ。ミッションは決まっているので、それに基づいて自律的に動くことになる。当然、意思決定もまた個人にゆだねられることになる。

 その点、一般の会社は、社長以下管理職がいて一般社員がいるという階層構造になっており、基本的に上意下達で動くことになる。また、意思決定においても上司の判断が求められる。

 旧来の上意下達型の組織は、変化に耐えられないのだろうか。おそらく、変化への対応は難しい。フラットな組織が優れているのは、こういうことだ。まず、意思決定が早い。だからこそ、変化に対応しやすい。

 徹底した上意下達型の組織というと、多くの人は軍隊を思い浮かべるだろう。しかし、実は米軍のマニュアルでも、現場の意思決定を重視したものとなっている。意思決定に時間がかかっていたら、戦況の変化に対応できないからだ。

 また、経営者なり管理職が変化に対応できなければ、上意下達の組織は機能しなくなる。そして、これまでの成功体験を脱却できない経営者というのはめずらしくないはずだ。むしろ、成功したからこそ経営者となっているといえる。だが、その体験が変化の障害となる。

 LPガス会社にあてはめてみれば、事業環境の変化はこれまでの方が今後よりは相対的に小さかったはずだ。そこでは、オール電化対策などをしながらも、LPガスの販売量を拡大し、さらに商材を拡大していくということは、そんなに変わらなかったし、だからこそ戦略を決めて現場がそれを遂行していくことで良かった。

 しかし、電化、脱炭素化、デジタル化が急速に進んでいく中で、どのような戦略をとればいいのかの判断は、簡単ではないし、技術開発が商材を変化させていく。しかし、目の前のLPガスの売上も必要だ。こうした状況で、経営者や管理職が素早い意思決定ができるとは限らないし、適切な判断をしていくためのリソースも不足しがちだ。

 こうした変化に対応するために、現場の意思決定を重視し、そのために組織をフラット化していくということになる。

 では、経営者の役割は何かといえば、ビジョンを明確にし、ゴールを設定することだ。LPガス会社においては、例えば脱炭素社会における地域のエネルギーのサプライヤーになるというビジョンではどうだろうか。その上で、ビジョンに対応した数値目標、例えば顧客軒数や売上げ、あるいはあるべき事業ポートフォリオが浮かんでくる。

 一般社員まで、ビジョンを徹底して供給し、ビジョンにそった意思決定を徹底していくことで、自律した組織になる。しかしそれだけではガバナンスの問題が生じるため、意思決定に対して後からレビューすることになる。

 野球は日本においては国民的スポーツだった。昨年末は日本シリーズが意外に盛り上がった(個人的には、東京ヤクルトのファン)。野球は監督が細かく指示を出して、選手がそれに応える形でゲームを行う。そうしたスタイルが、日本人になじんだのだろう。

 その点、ラグビーはそもそも監督がいない。最初に戦略を立て、それを共有し、試合中は選手が自律的に動くことになる。

 もっとも、その野球も以前とは変わりつつあるようだ。東京ヤクルトの高津監督は常識にとらわれない投手起用が、長期にわたるペナントレースにおける勝因となった。日本ハムで今季から指揮をとる新庄監督(ビッグボス)は、そもそも指揮の前に選手の自律を求めているところがある。

 自律することには責任が伴う。フラットな組織のメンバーは、責任を背負うことになるが、それでも経営者が描いたビジョンに向かって、各自が激しく変化する事業環境に対応し、解を探しながら進んでいく、ということが、これからの組織に必要なのではないだろうか。

 また、そうすることで、成功体験を脱却し、常識にとらわれない発想で、事業を成長させていくことができるだろう。

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連載4(2021.12.22)

ソーラーシェアリングって儲かるの?

 最近、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)が知名度を上げている。テレビのバラエティ番組で取り上げられているのも見た。実際に、エネルギー基本計画で示された電源構成の数値目標を達成するためには、開発のリードタイムが短い再エネとして太陽光発電のさらなる拡大が必要とされるが、もはやメガソーラーの時代ではない。そのため、50kW以下の低圧太陽光発電とソーラーシェアリングへの期待が高まっている。

 太陽光発電事業は以前のようなものすごく儲かる事業ではなくなっている。固定価格買取制度の買取り単価はかなり引き下げられており、今から新たに建設するよりも、中古の発電所を買い取って、場合によってはリフォームした方が儲かるという状況だ。もっとも、その結果、中古の発電所の価格は値上がりしており、こちらも結果としては儲かるものではなくなっていく。

 とはいえ、近年は短期的な儲けよりも持続可能な長期的な利益への関心が高まっている。大手の金融機関、機関投資家ほどそうした傾向にある。その点でいえば、ソーラーシェアリングは持続可能な事業への可能性が開けているといえる。

 ソーラーシェアリングは、簡単に言えば農地の上に太陽光発電設備を設置するというものだ。ということは、農業なしには成り立たない。

 そもそも、ソーラーシェアリングでは固定資産税の低い農地をそのまま利用するという発想なのだが、野立ての太陽光発電と比較すると、それ以外のコスト構造も異なっている。架台は高くなるが、草刈りは不要だし、フェンスを省略するケースも多い。山奥につくるわけではないので、点検もしやすい。

 これを農業側から見た場合、副収入が得られるということが魅力だ。FITの買取り単価が高い時期は、売電と農業の利益が10:1ということもあったが、今ではそこまでの利益は見込めない。それでも、冬期であっても売上げが立ち、安定した収入になる点は魅力だろう。

 農家においては農業を引き続き営んでいくことそのものが問題なのだが、ソーラーシェアリングを設置することで、副収入を得ると同時に農業をせざるをえなくなる。もっとも、農業そのものも外部に委託することもあり得るが、公益的には農地が維持されることのメリットは大きい。

 畑の上に太陽光発電パネルを置いて、作物が育つのかどうかという疑問はあるだろう。実はけっこう育つ。パネルの割合にもよるが、多くの植物は一定以上の光があるとかえって育たなくなる。そもそも、植物の光合成の能力は、恐竜時代(中生代)に適応しているが、当時の大気中のCO2濃度は0.1%(1000ppm)で現在の0.04%と比較すると2.5倍だ。CO2濃度を上げて温室栽培することにも合理性がある。したがって、現在のCO2濃度においては、多少光が少なくてもあまり変わらないということだ。

 ただし、これはCO2濃度が上がり地球が温暖化した方が植物にとってはいいということは意味しない。急激な気温の変化に、移動できない植物は対応できない。

 さて、ここでソーラーシェアリングを紹介することの意味は、それがこれからのトレンドになるからではない。これまでの太陽光発電の開発事業者では、農業にアクセスすることが難しいが、その点では地域に根差した事業者の方が優位だということだ。農業振興は地域でLPガスを販売する事業者にとっても売上げを維持することにつながるが、同時に農村地域の発展にも寄与できるということも魅力だろう。

 地域の発展やLPガスと同様の災害対策という面から、多少時間をかけてでも、ソーラーシェアリングの可能性を検討してみるというのはどうだろうか。

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ソーラーシェアリングの撤退理由から見る、生き残る条件

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菅直人は今、日本のエネルギーをどう思っているのか

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連載3(2021.12.08)

電力・ガス料金はもう安くならない

 昨冬の電力スポット市場の高騰の記憶が残る中、この秋から再び電力市場は高値が続いている。一般消費者にとっては、今のところ大きな値上がりとなっていないが、JEPX(日本卸電力取引所)で電力を調達している新電力にとっては、厳しい状況となっている。

 実は、今冬の電力市場価格の高騰はある程度は予想されていた。というのも、電力の供給予備力が不足していたからだ。OCCTO(電力広域的運営推進機関)と資源エネルギー庁はどうにか3%を超える予備力を確保したとしていた。しかし10月にはすでに、高い気温と石炭火力発電の計画外停止によって一部の電力会社でLNGが不足し、市場価格は昨年秋を上回っていた。

 日本についていえば、予備力の不足は、旧一電(旧一般電気事業者)、いわゆる大手電力が老朽火力発電の休廃止を進めたことが原因だ。かつては猛暑のときだけ稼働する石油火力発電などがあったが、自由化の影響で採算がとれなくなり、休廃止したということだ。これを防ぐために容量市場という制度が導入されたが、確保された電源は2024年度以降の分であり、効果も疑問だ。

 一方、欧州でも電力の市場価格は高騰しており、とりわけ英国では電気料金の値上げに上限があることなどから、経営破綻する会社が相次いでいる。主な原因は、風況の悪化で風力発電の稼働率が低下したことと、天然ガス価格の高騰だ。そして、天然ガス価格については、日本のLNG価格にも影響を与えている。もちろん、同じ化石燃料であるLPGの価格も上昇している。

 春になれば、需要が減少し、価格も落ち着くとされているが、夏期や冬期には再び価格が上昇する可能性が高い。

 理由の1つは、OCCTOがまとめた供給計画においては、2022年の冬もまた、予備率が低いからだ。昨年・今年のように、火力発電の計画外停止や予想以上の寒波が訪れれば、市場価格は簡単に上昇する。

 もう1つの理由は、化石燃料の価格が高止まりすることだ。今後、中国などではLNGなど化石燃料の需要が高まっていく。しかしIEA(国際エネルギー機関)が示しているのは、新規油田・ガス田への投資の停止だ。進行中のプロジェクト以外は新規開発はしないということだ。これは2050年カーボンニュートラルの実現のためではない。逆に世界がカーボンニュートラルに向かっているため、新たに油田やガス田を開発しても座礁資産となってしまうからだ。

 先のCOP26(気候変動枠組み条約第26回締約国会議)でも、先進国の意思は、新たな油田・ガス田ではなく再エネへの投資を加速するというものだった。だとすると、十分な再エネが開発されるまでは、LNGもLPGも高値が続くことになる。少なくとも2030年頃までは高値で推移するだろう。

 こうしたことに加え、欧州は炭素税や排出量取引などのカーボンプライシングの世界規模での導入を主張している。これが導入されれば、ますます化石燃料の価格は上昇することになる。

 では、これはネガティブな状況なのかといえば、必ずしもそうではない。化石燃料の価格上昇は再エネや省エネの普及を促進する。また、そのことによって化石燃料価格を引き下げる可能性もある。また、とりわけ省エネが普及すれば、需要家の電気代やガス代は下がることになる。

 実際に、安価なエネルギー価格は気候変動を促進してきたし、電気代やガス代が日本の半分程度の米国では、日本の2倍近くも電気やガスを使っている。

 エネルギー事業者には、化石燃料が当面は高値で推移するということを想定して、事業計画を立てていくことが求められる。

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短期的な石油・ガス高騰にはクリーンエネ投資で、課題は途上国支援 IEA、世界エネルギーアウトルック2021を読む

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卸電力取引所の高騰は次の冬も危ない(このままでは)

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連載2(2021.11.24)

「有馬記念」がなくなる日

 社会はある瞬間に大きく変化することがありますが、その変化の背後には小さな変化の積み重ねがあります。未来を予測するには、その小さなことに注意していくことが必要です。そして、基本的には合理的な方向に変化します。

 例えば、ランドセルのメーカーは、10年後も残っているのでしょうか。ランドセルそのものがなくなっている可能性は十分にあります。なぜか。それは、そもそも「ランドセルは小学生が教材を持ち運ぶのに機能的ではない」からです。とりわけ小学校低学年の生徒にとって、ランドセルは重すぎます。教材を詰め込んだらなおさらです。もし本当に機能的であれば、大人もランドセルを使っているはずです。しかし、最近のサラリーマンはパソコンが入るようなリュックを背負って通勤しています。また、価格の問題もあります。リュックでも問題ないはずです。実際に、ランドセルが児童の身体に与えている悪影響も指摘されるようになってきました。

 ランドセルがなくなることについては、別の側面もあります。ランドセルはもともと、旧日本軍の兵士が背負う背嚢に由来します。それを言えば、学ランやセーラー服も元はといえば軍服です。そこには、最近話題となっているブラック校則との共通性を見出すことができます。髪の毛の長さや色といった身体を管理し、さらには下着の色まで管理しようするということは、制服による管理と共通していますし、ランドセルもその延長にあります。そういった人権を無視した管理が問題視されるようになってきたのです。

 制服については、トランスジェンダーに対応して女性のズボン着用なども認められるようになりつつあります。しかし、そもそも制服が学校に必要なのかどうか、いずれ問われるようになるでしょう。

 学校をめぐる、こうした小さな変化が、いずれはランドセル廃止につながっていってもおかしくはありません。その方が合理的なのであれば、基本的にはその方向に進みます。

 2030年のCO2排出削減の上積みも、急な変化ではありません。2050年カーボンニュートラルという流れは、2018年に発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による1.5℃特別報告書が決定づけたものです。同時に、世界的な金融機関などによる気候変動問題を重視する姿勢は2000年代から拡大していました。

 もちろん、未来を正確に見通すことは不可能です。でも、可能性があることに対してはシナリオを用意する必要があります。2030年、EVが普及し、LPGスタンドが不要になっているかもしれませんし、LPGが炭素税によって高価格となり、オール電化の競争優位性が高まっているかもしれません。

 さて、年末の競馬といえば有馬記念です。でも、10年後には有馬記念、というよりも競馬そのものがなくなっている可能性があります。近年、動物虐待に対する批判がたかまっており、売れ残りが殺処分されかねないペットショップの存在が危うくなっています。競馬に対して批判の矛先が向けられる日は近いと思います。年間およそ7,000頭が殺処分されているということが、この先も見過ごされるとは思いません。競馬業界の人は、そろそろ競馬がなくなるシナリオを描いておく時期にきているとおもいます。

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連載1(2021.11.10)

エネルギー基本計画はたかだか中期経営計画にすぎない

 こんにちは。本橋恵一と申します。タスクフォース21の会合でも何度かお話しさせていただきましたが、初めての方も多いと思うので、自己紹介から。

 元々は環境エネルギージャーナリストです。1994年からやっているので、27年にもなるんでしょうか。LPガス業界だけではなく、電力・ガスはもちろん、気候変動問題まで、さまざまな取材をさせていただきました。「電力・ガス業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本(第6版)」は最近出したばかりです。宣伝みたいで申し訳ないですが。

 現在は、afterFITという会社で、Energy Shiftという環境とエネルギーのニュースサイトの運営をする一方、afterFIT研究所の研究コーディネーターとして少し先のビジネスにつながる研究のプランを考えています。気候変動問題を考えると、どうしてもLPガス事業はネガティブなイメージを持たれてしまいそうですが、決してそんなことはないと思っています。さまざまなチャンスがあるし、とりわけ海外のエネルギー会社を見ていると、そのことを強く感じます。

 こうした視点から、定期的にいろいろなことを書かせていただきたいと思います。

 最初に取り上げるのは、先日、閣議決定されたばかりの、第6次エネルギー基本計画です。LPガスは社会を支えるエネルギーの最後の砦として位置づけられています。その一方、2030年温室効果ガス46%削減にあわせて、再生可能エネルギーの導入拡大や原子力の維持も示されています。エネルギー業界のそれぞれにとって、受け止め方が違うことでしょう。

 とはいえ、見誤ってはならないのは、これはたかだかエネルギーの「中期経営計画」にすぎないということです。ここで数値目標が示されたからといって、確実にその数字が達成されるわけではありません。むしろ恣意的な数値目標となっています。

 例として、2010年に閣議決定された第3次エネルギー基本計画があります。この計画では、2030年までに原子力を14基増設するということが示されていました。2000年以降、原子力の新増設がほとんどなかったにもかかわらず、次の20年間で14基です。電力会社は電力需要が伸びないために、原子力の建設を手控えていましたし、新増設が大幅に進むとも考えていませんでした。ただ、温室効果ガス排出削減の数値を合わせるための目標だったのです。

 震災があったとはいえ、この目標には実態はありませんでした。さらに言えば、その後の第4次・第5次エネルギー基本計画の電源構成も大幅に見直さざるを得ませんでした。

 今後、政府はエネルギー基本計画を根拠にエネルギー政策を進めていくことでしょう。とはいえ、エネルギー事業者においては、政府の恣意的な目標に振り回されるのは避けるべきです。政府の目標に沿った対応をした結果、東芝が原子力で大幅な損失を計上することになり、石炭火力の多くは座礁資産になりかけています。

 エネルギー事業者にとって大切なことは、自らのエネルギー基本計画をつくることです。さまざまな情報を収集していけば、より確度の高い見通しとなるのではないでしょうか。そうすることで、ビジネスチャンスがうまれてくると思います。

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送電の広域化と配電の分散化で、電気事業のビジネスモデルは進化する
国際大学 橘川武郎氏(Energy Shift 2020.2.4)

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本橋 恵一(Energy Shift2020.8.6)

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