タスクフォース21出席は社員研修の一つ
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――日東エネルギーさんには赤津社長はもちろん、毎回、複数の社員の方に例会にご参加いただいています。
赤津 私の場合はプログラムを見て、スケジュールの兼ね合いで行く行かないを決めていますが、社員には各事業所から交代で、毎回何人か出るようにさせています。社員教育、研修の機会はいろいろと設定していますが、タスクフォース21の例会への出席もその一つだと考えています。講演会やセミナーはいろいろありますが、業界の問題や異業種と業界をつなぐようなセミナーは少ないですし、同業者の方と同席して講演を直接聞くことは社員にとって良い機会だと思います。毎回、交代で何人ずつか出していますから、その意味では、年会費24万円は安いかもしれませんね。
ネットを利用したライブ中継を検討していると伺っていますが、それができると便利ですね。忙しくて参加できないときも、社長室で「ながら」で聴講できます。ただ、やはり実際にナマで聴くということも大事ですから、例会は例会として開く意義はあると思います。最近はないようですが、以前は懇親会もありましたね。もっとも、私はあまり参加しませんでしたが。お話ししたいと思っている方もいますので、どんな方が参加されるのが、事前にわかるといいですね。
これは、という講師の方とは名刺交換をさせていただき、その後ご連絡してお会いしたりして、当社のコンサルをしていただいたり、取引販売店会やオーナー会での講演をお願いすることもあります。
タスクは系列を超えた情報交換の場ということで入会しましたので、会員の方からはいろいろと教えを請うています。中でもアイエス・ガステムの石井誠一会長には、営業のことやシステムのことなどいろいろ教えていただきとても感謝しています。もちろん、先行する方の取り組みは真似しようとしても、そう簡単にはできません。考えを理解し、やってみて、自分の会社の状態に合わせていろいろ工夫しています。
タスクフォース21の会長でカナジュウ・コーポレーションの牧野修三社長にも、これまでたくさんのことを教わりました。勉強させていただいた結果、最近、当社で大きな成果が上がっているのがコールセンターです。業界の競争が激しくなってきて、同業者間での情報やノウハウの交換がだんだんと難しくなってきますから、そういう意味でもタスクの存在は大きいですね。
人の確保と効率的な配置・運用がより重要に
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――現在の経営課題はどのようなことでしょうか。
赤津 大きな課題は、人材確保の問題です。牧野社長に教えを請うたコールセンターはお客様の声を聞き満足度を高めるという面以上に、現場作業をなんとかして軽減できないかという視点から取り組みました。これまでは、各営業所にお客様から電話が入ると、電話を受けた事務社員はほとんどの場合、そのまま営業マンに電話を回していました。器具の不具合やサービスのことなど、「営業の仕事」だと考えますから。そして、電話を受けたり外で連絡を受けた営業マンは、お客様のところに出向いて対処することも少なくありません。そうすると、営業マンの仕事は増えます。
顧客との接点は大切ですが、多くの場合はわざわざ営業マンが相対で対処しなければならないようなことではありません。ただでさえ忙しい現場の担当者が、そういうことで時間をとられるのはなんとかならないか、と。そこで、まず電話を受けた段階で、お客様の用件を解決してしまおうということをコールセンターの一つの大きな役割としました。
これまで各営業所に入っていた電話は、すべて本社のコールセンターに入るようにしました。そこでの一次対応で可能な限りお客様の相談事を解決するよう教育・訓練しています。ずいぶん成果が上がってきており、現場の営業マンも本来の営業活動に費やす時間が増えていると思います。
求人は「売り手市場」ということで、当社でも新卒確保には苦労しています。エネルギー業界は安定していると言ってみても、やはり会社の知名度は低いですし、昨今は残業時間などのことでも学生はいろいろと心配しますから。当社も労働環境の整備や条件の向上に努めていますが、それでも当然、残業はあります。ウソをついて入社させるわけにもいきませんから、当社の仕事内容を十分理解してもらい、こちらの期待に応えられるであろう社員を採用します。たくさん採って歩留まりを考えるという会社もあるようですが、私はそうは考えません。
新卒も中途採用も、入社して一人前に働いてもらえるようになるためには、会社はそれなりのコストをかけなければなりません。コストをかけたのに途中で辞められたのでは投資の回収ができませんから、長くしっかり働いてくれる人を採らねばなりません。そうなると面接も慎重になりますから、せっかく応募があっても全部を採るわけにはいかなくなります。人材育成は以前からのテーマですが、まずは資質の良い人をどう確保するか、これがこれからますます大変です。人を確保するために、当社の魅力を一般に伝えることも考えねばなりません。
ガス客の要望に応えることがビジネスに
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――その他の課題は。
赤津 人材確保も大変ですが、とにかく人口が減りますから、このことへの対応は業界全体の経営課題と言えるでしょう。北関東エリアの当社の販売店さんのお話を聞くと、お客様の高齢化、一人暮らしの増加は驚くほど進んでいるようです。亡くなられたり施設に入られたりして空き家になってしまうケースが増えていて、「ブローカーの切替よりもそっちのほうが深刻だ」とさえ言う販売店さんもいます。
アパートの空室も増えています。みなさんは空室対策をどのようにされているのでしょうか。タスクの講演講師の方や、やはり会員のフジプロ・山本泰然社長らに不動産管理のコンサルタントを紹介していただきオーナーセミナーなども開催していますが、まだこれといった成果は上げられていません。現場はいろいろ工夫して、バスツアーなども継続して企画していますが、会員各社のオーナーサービスや空室対策などは、もっと情報交換ができるといいですね。
人口の減少や人手不足といったことに対応し、事業を維持発展させるためには、合理化や最新技術に関する情報収集がますます必要となります。また、ガス以外の事業の柱も作っていかなければなりません。その意味で、当社もリフォーム事業などに注力していますが、まだまだ試行錯誤の連続です。
これまでも当社は、ガス以外のさまざまな事業に取り組んできました。環境変化で、中には撤退したり縮小したりしたものもありますが、多くの事業において、やはりベースとなったのはガスのお客様です。これからも、ガスのお客様のさまざまな要望に応えることがビジネスの核になると思います。
牧野会長は「住まいの相談難民を救う」という言葉を遣っていました。言葉を遣うのが上手だなといつも感心していますが、私もその通りだと思います。そんな会員の皆さんの取り組みをこれからも参考にしつつ、当社なりの事業を作り上げていきたいと思っています。