「月刊LPガス」連載:2024年6月号~

LPガス事業者の
リクルートを考える

著:タスクフォース21雇用問題分科会

連載第12回求人サイトよりも
SNSの方が効果がある

Z世代の就活はSNS

近年、LINE、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSを活用したソーシャルリクルーティングが注目されている。採用マーケティング会社のNO COMPANYの調査によると、Z世代の就活生の実に57.2%がSNSを活用しているという。

大手求人サイト・マイナビの調査(マイナビキャリアリサーチ)でも日常生活でのSNS利用率は、メッセージアプリのLINEが93.5%、短文投稿SNSのXが74.5%、写真・動画共有SNSのInstagramが74.3%、動画共有プラットフォームであるYouTubeが68.6%、短編動画SNSのTikTokが28.3%となっている。​

そして就職活動の情報収集においては、LINE(公式アカウントなどのトーク機能を利用)が45.6%、Xが36.4%、Instagramが32.7%、YouTubeが26.0%、LINE(オープンチャット=匿名のグループトーク)が16.7%、TikTokが12.9%と続く。

SNS上でのソーシャルリクルーティングでは、長文の記事が載せられる採用関連メディアやnoteよりも、掲載文字数が少ないSNSが上位に来る傾向があるのだそうだ。特にYouTubeでは倍速視聴が可能で、就活生のタイムパフォーマンス志向に合致しているとしている。

企業側もそれに対応し、SNSを通じてブランディングや求人情報の発信を行っており、企業が情報発信を行う際には、SNS上での短尺動画や簡潔な情報が有効だといわれている。いずれにせよ、企業はSNSを通じて求職者とつながりインタラクティブな関係を築くことが、求人活動を成功に導くというわけだ。

ターゲットに合った媒体選び

大手求人サイトもこうした動きに「自社の求人サイトの掲載広告を売る」ビジネスから、企業の求人広報活動をサポートするビジネスにシフトしつつある。マイナビでも、SNSマーケティングの戦略立案から運用、広告配信、効果測定までを一貫して支援するサービスを展開している。

ソーシャルリクルーティングで成功するためのポイントは、ターゲットに合った媒体選びとされている。新卒・若年層であれば InstagramやTikTok、中途採用・ビジネス層 → XやLinkedInといったところを選ぶ。一方、中堅からシニア層の即戦力狙いや、地方の採用、B to B企業などではFacebookの方が効果があるとされている。

すでに美容、アパレル、飲食などの業界では、InstagramやTikTokを求人用に活用する企業が増えている。「#仕事探し」 「#バイト」といったハッシュタグで学生バイトを確保。写真・動画は、職場の雰囲気や「人」を伝えるのに向いているからだという〜。

製造業の募集ではYouTubeの活用も効果的とされている。今やYouTubeの国内利用者は公称7000万人を超えるとされ、20〜50代の幅広い層に向けて、職場の雰囲気とともに工場や設備といった、技術職・現場職の関心事を見せることができるからだ。

今や求人は、求人誌に広告を出す、職安に求人票を出す…といったことだけでは、情報は求職者にたどり着かないのである。

各SNSの利用者数

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