「月刊LPガス」連載:2024年6月号~

LPガス事業者の
リクルートを考える

著:タスクフォース21雇用問題分科会

連載第19回高齢人材採用ツール・サイト増加
リアルとオンラインの併用で人材獲得

専門サイトの特性を理解
使い分けで採用効率向上

前号で紹介した通り、高齢人材の活用は人手不足解消となり、また再雇用等は企業文化継承の面でも重要なこととなる。今回は高齢者人材を新たに獲得する際の具体的な採用方法について詳述する。

採用経路は複数ある。ハローワークの高齢者求人枠は応募が安定しやすく、地域紙や自治体広報誌への掲載は周知効果が高い。シルバー人材センターでは会員に直接委託でき、短時間・短期間の案件にも対応可能だ。近年は高齢人材採用でもオンライン化・多様化が急速に進んでいる。求職者行動にも変化が見られ、ネット応募・スマホ利用が増加している。

高齢者専門的の求人サイト「マイナビミドルシニア」は、40代〜60代を中心としたミドル・シニア層に特化した求人サイトだ。株式会社マイナビの100%出資子会社が運営し、求人掲載タイプと人材紹介タイプの両方を提供している。全国の求人に対応し、未経験者・ブランクあり・Wワーク可能など、多様な属性に対応した案件が豊富で、特に主婦層もターゲットとしている。

公式アプリ「ミドルシニアの仕事探し」では、求人閲覧や保存・通知機能を提供。「転職成功ガイド」「ミドルシニアマガジン」などのコンテンツも充実しており、求職者側の使い勝手が高い。キャリアセミナーや自己理解ワークショップの開催など、採用以外の価値提供も実施している。 活用ポイントとしては、ネット応募はもちろん、アプリでの簡便な操作や保存機能で応募率向上が期待できる。セミナー連携で認知向上やロングテール型採用にも対応可能だ。

「シニア求人ナビ」(シルバー求人ナビ)は、50代〜60代のシニア世代向け求人に特化したサイト。正社員・派遣・パートなど多種多様な雇用形態に対応。週1日〜、1日4時間未満、未経験歓迎、Wワーク可能など柔軟な条件での求人掲載が可能だ。 今年4月のサイトリニューアルにより「Indeedエントリー」に対応。Indeed経由の応募が可能になり、広範な露出が期待できる。平日毎日更新、掲載まで最短当日対応とスピーディな採用発信が強み。掲載料金も手頃で、4週間掲載3万円など利用しやすい価格設定を実現。電話応募や登録不要で応募可能で、シニア世代のユーザビリティにも配慮されている。

ネットと紙媒体の組み合わせ
戦略で幅広くアプローチ

オンライン化が進む一方で、地域紙・広報誌といった従来の紙媒体も依然として効果的。両方を組み合わせることで、より幅広い高齢人材層にアプローチできる。

求人票記載のポイントとしては、勤務時間の柔軟性(短時間勤務・週数日勤務可能など)、体力配慮の具体例(重量物運搬なし、座り作業中心など)、安全面への取り組み(定期健康診断実施、安全教育充実など)、技能伝承の役割(新人指導、顧客関係維持など)を明示する。

高齢求職者は応募に際して慎重な傾向があるため、問い合わせへの迅速で丁寧な対応が信頼関係構築につながる。面接日程の調整なども柔軟に対応する姿勢が重要だ。

高齢者採用時の注意点
長く安全に働けるかを重視

高齢者人材の面接では、若年層とは違う配慮が必要だ。まず、年齢や健康に関する質問は、業務に必要な範囲で行う。たとえば「何kgまで持てるか」ではなく、「この業務では○kgの荷物を運ぶが可能か」と説明型にする。健康診断や年金情報などは必ず本人の同意を得るように。

体力や適性は確認しつつ、無理な作業をさせないよう注意する。職歴やスキルだけでなく、働く理由や希望条件も聞き、仕事内容やサポート体制も説明して安心感を与える。面接では敬意を持って接し、話が長くなっても最後まで聞く姿勢を大切に。業務内容や勤務条件は曖昧にせず、具体的に伝えて誤解を防ぐためにも、書面を用意して説明すべき。

採用の可否だけでなく、長く安全に働けるかを重視することが重要だ。これらを守ることで、法的リスクを避けつつ、高齢者が安心して働ける職場づくりにつながっていく。

法制度の理解、安全配慮、適切な採用ツール、そして何よりも雇用側の高齢者の働き方への理解により、LPガス事業者にとって高齢人材は貴重な戦力となりうるわけだ。

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